「【盲目の女性が周囲の異常に気づかない、ローアングルを多用したショット多数が怖い作品。】」見えない恐怖 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【盲目の女性が周囲の異常に気づかない、ローアングルを多用したショット多数が怖い作品。】
ー 盲目の女性のサスペンスと言えば、「暗くなるまで待って」や韓国映画の「ブラインド」や邦画のリメイク作「見えない目撃者」等を思い出すが、犯人に狙われる主人公が、目が見えないからこその、観る側がハラハラする描写や展開が惹きこまれるのであろう。
今作でも叔父夫婦の家に住むサラ(ミア・ファロー)が、家に戻った時に、目を見開いて口から血を流して死んでいる叔父夫婦の娘ベティの横でベッドに入ったり、叔父夫婦が殺されているのに気づかずに、お茶を入れるシーンや、床に割れたガラスが落ちているのに、そこを裸足で歩くシーンをローアングルで撮るショットが、ハラハラして怖いのである。
又、ミア・ファロー自身が、「ローズマリーの赤ちゃん」では、漸く産めた子を悪魔崇拝者たちに取られてしまう役や、「ナイル殺人事件」では恋人を金持ちの友人に恋人を取られる役を演じているためか、【不幸が似合う女優】として、私の脳内にインプットされており、今作でも最終盤まで、犯人に追われハラハラするシーンが多いので、実に怖いのである。
<今作は、犯人が履く、星印のついたブーツが序盤からローアングルで何度も映され、徐々にそのブーツを履いた男がサラに襲い掛かるシーンまでの、タメが良く効いたサスペンススリラーである。>
コメントする