マルチプル・マニアックスのレビュー・感想・評価
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全教会が泣いた(信仰的な意味で)
しばらくはホルストの火星を聴くたびにあのラストシーンを思い出すんだろうなあ
ロザリオ『使用後』の賢者タイムとどう見ても最後の晩餐というよりサトゥルヌスタイムなあの場面が超好きです
とにかくディヴァイン様の存在感が凄まじかった
感動
暴君!暴漢!
微妙に不謹慎極まりない描写の数々、シャロン・テートまで引き合いに出す始末、何よりもディヴァインの後ろ姿から映す巨体からのケツが如何わしく、ロザリオな絡みから殺戮シーンと陳腐で滑稽で学芸会の様相、これが許されるのはジョン・ウォーターズだからこそ。
ヒッピーみたいな連中、60年代後半からのリアル70'sな役者陣が様になる映像のLookも格好良い、音楽も最高でサントラが出来ればレコードで欲しい。
一つ毎の場面が良い意味でもダラダラと長く、喋り倒すセリフから考えさせる難解な事柄を感じながらの巨大ロブスターが唐突に、おフザけ具合が増すばかりの度量が最後まで絶好調で最高調に突き進む。
ピンクフラミンゴへの道
ピンクフラミンゴへの叩き台の様な内容。この作品をさらにパワーアップして、下品に輪を掛けたのがピンクフラミンゴ。それでも、教会の中でのロザリオ・ファックは強烈である。誰もがやらない、撮らない映画を撮る天才には恐れ入る。タブーを撃ち破り、良くも悪しくも人間性をヒネクリ、皮肉ったかたで作品に仕上げた手腕は誰にも真似は出来ない。全くのオリジナルだ。ある種の清々しさもある。俳優陣はそのままピンクフラミンゴの俳優陣であり、デヴァインは最高の俳優でもある。
レディ・ディヴァイン=キリスト?
悪趣味な発想をこれでもかというほど詰め込んではいるものの,レディ・ディヴァインの最期は圧巻である。
社会的マイノリティを「変態」の一言で形容され、忌み嫌われても自分を貫いた彼女は、キリストのごとく神聖な存在なのであり,そうあり続けるから美しいのであろう。
何はともあれ完成されたゲテモノ映画でした。
異端者は排除される世の中への警鐘?それとも当て付けか?
ジョン・ウォーターズの代表作ピンクフラミンゴは25年程前にリージョン1のDVDを手に入れているが、その時に1度観たきりである。
内容や映像への興味や関心は一切なく、ただ観たという事実が欲しかったためだ。
本作はピンクフラミンゴの2年前に製作された日本未公開の映画だが、何かを期待して鑑賞したわけではなく、冷静かつ論理的思考を持って鑑賞出来るか自分を試すためだ。
ストーリーはあって無いようなもので、悪趣味映像のオンパレード。
自身もゲイであるウォーターズが「そんなに普通じゃないモノに対し眉をひそめるならもっと見せてやろうか」と言わんばかりにアブノーマルでダブーで不快な映像を垂れ流すだけの作品でモノクロ映像であることに救われる。
ディヴァインがシャロン・テート殺害犯は自分だと言ったというくだりがあるが、実行犯のマンソンファミリーの1人と友人関係でもあったというウォーターズにとって極めて私的な映画でもあると言っても良いと思う。
ただ不思議と首を絞め殺したり、ナイフで刺したり、内臓を食したりするシーンはそれほどリアルに表現されておらず、グロさの中でも一定の線引きや好き嫌いがあるように思えた。
良い意味でも悪い意味でも評価すべき映画ではないと思うので星は付けない事にする。
ディヴァインよ、あなたはなんと美しいのだ。
新宿のTSUTAYAでVHSのレンタルしてるらしかったが、手を出さずにいて未見のまま新宿TSUTAYAは閉店してしまった。2022年正月k's cinemaでやっと観れたジョン・ウォーターズの初期作。今年はいい一年になりそうだ。
足りない部分が多い映画ではある。エド・ウッドの映画の様な雑さが終始つづく。
ロザリオのシーンとか見所はあるが、中盤くらいまでディヴァインのモノローグがずっと続いて少し退屈してしまった。
学生映画だってもっとマトモな(内容の事ではない)映画を撮れるだろう。
が、
そんな事はどうでもいい。監督もそんな事は気にもしていないだろう。
後半ディヴァインの暴力が爆発してから作品は猛烈に光を帯びてくる。ディヴァインの圧倒的な迫力と荒々しいカメラワークが相乗効果を生み狂気が画面から溢れてだした。
そこからの巨大ロブスターに犯されるディヴァイン。ディヴァインの悲鳴が劇場内に響き渡る。家のテレビで観ていたら音量を下げてしまうでしょう。
ロブスターが去り、高らかに笑うディヴァイン。
なんと美しいのでしょう。
ジョン・ウォーターズのディヴァインに対する愛情が溢れています。
昔ジョン・ウォーターズの本を読んだが、子供の頃から変わり者と周りから疎まれて、8mmカメラをもってはじめて自分の世界を作ったとか(うろ覚え)。そんなマイノリティとアウトサイダーの怒りと哀しみなのかな?私はそんなメッセージをこの映画から受けとりました。
ティム・バートンが『バット・マン』撮ったみたいに、
サム・ライミが『スパイダーマン』撮ったみたいに、
ピーター・ジャクソンが『ロードオブザリング」撮ったみたいに、
ジェームズ・ガンとかとか、、、
ジョン・ウォーターズにビッグバジェットの大作を撮らせたら絶対面白いのが出来るだろうし、もっと評価されると思うんだけどな。そういう事をしない所がジョン・ウォーターズのカッコいいところなんだけど。
ロザリオファ○○にびっくり!
ついに、観てしまった!
ぴあシネマクラブ洋画編でジョン・ウォーターズ監督とその作品の名前(のみ)知って以来、何年待ち続けてきたことか!
ディヴァインが巨大ロブスターに犯される映画、全く意味不明で奇想天外なそのシーンをみたらもう感動しかなかった笑。クライマックスの娘の死で半狂乱になり、気がふれて、その瞬間、巨大ロブスターが出てきて犯された、ロジカルにとらえればそんなシーンであることが判明した!(だからなんだ?)
残念ながら感動で涙は出るまでとはならなかったが、となりのスポーツ刈りの若い少年観客はずっと頭をふんふんしていた。彼もついに観れたことの感動に浸っていたのだろう……禁断の映画を観れたことの興奮に浸っていたのだろう……トロンポワン……
あるいは、昨今のLGBTの時代を50年も先取りしたLGBTの天国のような本作品のリベラルさに感動してたのだろうか?何を言っているのかわからなくなってくる、そんな作品であった。
『ピンク・フラミンゴ』の先駆けであり、数々の先駆け(でも今のところLGBTと以下のロザリオ○○だけ…)を作ったこの映画、ホラー映画の金字塔に先駆けたことをやっていたことに驚いた。
ディヴァインは、ボルチモアで由緒ある教会で新約聖書の世界にトリップ、でレズビアンのミンク・ストールを相手に『エクソシスト』のリンダ・ブレア、リーガンがやったあの背徳行為、ロザリオファ○○を『エクソシスト』に3年も先駆けていたことだ!
時代を先取りした素晴らしい映画であった。
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