「オープニングが素晴らしい!」マリア・ブラウンの結婚 Mさんの映画レビュー(感想・評価)
Mさんへ
説明的なショットがないので判断しかねるのが正直なところです。コンチェルトの演奏が偶然にも部屋にあるラジオかレコードから流れている設定のようです。なぞるようにカデンツァの短いフレーズを何度か弾いています。どちらにせよ、曖昧な表現含めてファスビンダー監督の演出の自由さと斬新さが浮き彫りになる表現の一つと言えますね。
Mさん、共感ありがとうございます。
すっかり忘れていたため字幕なしのVODで見直して観ました。爆撃の中の婚姻届けで地面に伏せながら公証人のサインを強要する静止画面でしたね。次のシーンの部屋のラジオから流れている様にも見えました。戦況が悪化する状況での結婚、戦前の平和を失い安らぎのない生活に陥ったドイツには、ベートーヴェン9番の第3楽章は皮肉に聴こえますね。斬新かつ象徴的な演出と思います。モーツアルトのピアノ協奏曲は私の大好きな第23番イ長調のアダージョでした。第20番ニ短調より今まで多く聴いています。演出では、演劇的な人物の動きが音楽の演出と共にとても面白かったです。
Mさん、素敵。あんなに短い間に大きなっ愛なんてあるわけないと私も思います。背景の一つは戦争だと思います。愛しているとか好きだとか、そんなのどうでもよくて、ただ、自分が生きるうえで必要な支え、とっかかりがマリアにとってのヘルマンなんだと思いました。自分と結婚してくれるなら誰でも(ちょっとハンサムであれば)いい!それしか戦争の中でいきるよすがはないような気がしました。戦後落ち着いて、相手がいやな奴だったら離婚して1人生きて行く、少なくとも経済力はマリアにはあった。でもマリアにとって経済力だけが全てではない、と思いました
コメントありがとうございます。
自殺と解釈してる向きも有るようですね。スキャンダラス監督で有名だし、私生活も酷くて早死にして当然だったみたいですね。一頃の園子温監督はかなり影響されてたようですが、自分もそこから入った口で全然フォロー出来てはいません。
Mさん、素晴らしさコメントありがとうございます。そうですね、わざと、それは今まで私はかんがえたことなかったのでとても新鮮でした。彼女の癖でああやって煙草吸ってた。でもヘルマンやっとの帰ってきて嬉しさでぼんやりしてたのかなあと。ああやって死ななければダメだったと思う。というか、ヘルマンとのこれからの生活をマリアはあまり考えてなかったのかも、同時にヘルマンとの生活を待って待っていたのに。
そんな感じの終わり方だからこの映画、好きなのかもしれないです
私は、監督はマリアを肯定的に捉えていると思いました。
逆に、そういう生き方しかできないように追い込んでしまった周りの人々や社会を批判しているように思いました。
私たちは知らないうちに、世界に起こっている大きな流れに逆らうことはできません。(コロナがそのよい例でしょう)
ひょっとしてひょっとしたら、ドイツに限らず、ウクライナ(「ひまわり」)や日本など、いろいろな国で、同様のことはたくさん起こっていたのかもしれませんね。今の日本に住んでいる私にとっては、到底、想像もつかない話ですが。
最後の場面は(不幸な?)事故と考えていいんですよね・・・。(どうも自分の中で解釈がつかないままですが)
マリア=ハンナ・シグラの映画だからね!戦争やりたい放題の男たちは女達の代わりに少し留守しておいてくれた方がいいからああいう夫、ヘルマンでいいんだと思う。でも戦後、豊かにはなったが、舌の根も乾かないうちに寝返ったドイツに対する思いをマリアに重ねてファスビンダーは強烈に批判してるんだろう、と思いました