劇場公開日 1969年10月9日

「「大都会で貧困に生きる二人の友情と旅立ち再生」」真夜中のカーボーイ かなさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「大都会で貧困に生きる二人の友情と旅立ち再生」

2025年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

第42回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚色賞受賞。3冠達成の名作です。

冒頭からネルソンの有名な曲にのって、ジョー(ジョン・ヴォイト)はある野心をいだいてテキサスから単身ニューヨークへやってきた。バーで知り合った足が悪く仕事もなく、盗みを生業とし、みんなからさげすまれているリコ(ダスティン・ホフマン)に騙されてしまう。

仕事もなくホテルを追われ、行き場のないときリコに偶然出会う。ジョーはリコに恨みをぶちまけると、なんとリコが自分の家へ来いという。そして二人は取り壊し寸前のリコの部屋に同居するようになる。

リコはなんとかジョーの仕事を軌道に乗せようとやっきになるが叶わない。途方に暮れる二人。リコの足と病気は悪化する一方であった。

ジョン・シュレシンジャーは、ジョーのトラウマとリコの夢、パーティーでの出来事を幻想的に描写する手腕は、時間と空間を超越し見る者の創造力をかきたてる見事さであった。まるで過去と未来と現実とうつつが同居するみたいに。

ジョーとリコ、貧困のどん底の暮らしは、ニューヨークという街は冷たすぎた。助けてくれる者もいない、雪は降る、寒さはどんどんひどくなり、部屋の中でも凍えている。ジョーの仕事も「真夜中」しかない日陰の仕事だ。そしてリコの病状もますます悪化していく。

しかしどん底をなんとかしのいでいた二人には強く、固い友情が育まれていた。ジョーの仕事もやっとなんとかなりそうなとき、リコの病気が急激に悪化し、リコはジョーにある願い事をする。リコの夢見た場所へ。二人はニューヨークを離れ、バスで向かう。もうすぐ目的地というとき・・・・。

ラストシーンのジョーの表情から、あなたは何を感じますか。
いい映画でした。多くの人に見てもらいたい映画です。

かな