真昼の用心棒のレビュー・感想・評価
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物語は…ない!
ザ・シネマ(スカパー!)の放送にて。
「続・荒野の用心棒」でジャンゴを演じたフランコ・ネロがその同年に主演し、「サンゲリア」で名を馳せる前のルチオ・フルチが監督したマカロニ・ウエスタン。
マカロニ・ウエスタン ブームの初期である。
物語は…ない!
一匹狼の砂金掘りトム(フランコ・ネロ)は、故郷からの手紙を受けて兄ジェフと母親代わりのメルセデスが暮らしている村に戻る。
村は有力者スコット一家に支配されて変わり果てており、実家の牧場もスコット一家のものになっていた。
ジェフは酒に溺れて落ちぶれた生活をしている。
戻れと手紙をよこしたカラダインは、一家全員がトムの目の前で何者かに撃ち殺される。
メルセデスもスコットの手下に殺され、復讐に燃えるジェフと合流したトムはスコット一家へと向かう。
その途中、トムはジェフから「お前の実の父親はスコットだ」と聞かされる。
スコット本人に会うと、悪辣非道なのは息子のジュニアであり、彼に跡目を継がせたくないから戻って跡を継いでほしいと言われる。
だが、ジュニアの手下にスコットも撃ち殺されてしまう。
そしてトムとジェフは、ジュニアと手下どもが立て籠もるスコット家に勇躍殴り込むのだった…
整理するとこんなストーリーなのだが、、、
物語は…ない!
どのエピソードも唐突で意図が解らない。
どのキャラクターも人物像が見えない。
マカロニ・ウエスタンらしく、無慈悲で無軌道な悪党を派手なガンファイトで殺しまくり、そこに理屈などはいらない…と言えなくもないが、言うほどスカッとしていない。
とにかく大勢死ぬのだが、物語は…ない!
あれだけ飲んだくれて正体をなくしていたジェフが、実は主人公のトムよりも強くてカッコよかったりして。
ニヒルな主人公が重ねる殺戮。ネロはローマのネロ。
主人公から見れば、この『争い』は『殺し』でしかない。復讐?決闘?抗争?
全部違う。しかし、容赦しない『殺戮』。
ホラー西部劇なんだろうな。
今、始めて見たのなら、何だこの映画?!なんだけれど、ガキの頃見て、かっこいい!って思っているので、共感せざるを得ない。人の死が余りにも簡単に描かれている。ニヒリズムだね。フランコ・ネロはローマのネロだね。
追伸 用心棒の要素は全く無いと思うが。
よかった
主人公が何がしたいのかもよく分からなかったり、とってつけたように実は敵のボスが父親だったとか、シナリオが雑なのだけど、股の間から抜くショットとかいちいち絵面がかっこいい。
お兄さんが飲んだくれていて、リンチに会うけど特に気にしていないのが、真に強い人って感じがする。早々に殺されて主人公が復讐するのかと思ったら最後まで元気だった。
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