マディソン郡の橋のレビュー・感想・評価
全89件中、21~40件目を表示
細かい表現が見事
平凡だけど幸せな主婦が
突然の激しい恋に落ち 彼と過ごした4日間の
細かい心の動きを見事に描いています。
夫の事についてはほとんど語っていないのに
音楽や詩を愛する感性はなく、
家事を手伝う事もない テレビとビールで夜を過ごす
どこにでもいるアメリカの中年なのだろうという事が
伝わってくる!
平凡に過ごしてきた自分の中に見つけた激しい衝動
夜中に車を走らせ詩を引用した文章で彼を誘い
街の噂になる事を恐れながらも
彼に逢いたい気持ちをおさえられない
フランチェスカのセリフ。
ただ愛し合うだけじゃなくて
愛してしまったから疑い、怒る。
愛と真逆の感情に揺さぶられてしまったり。
雨の中の別れのシーンでは
きっと夫は気づいたんだと思う
それでも問う事も責める事もなく自分を選んだ妻と
暮らしていく。
全てが切ないシーンだった。
久しぶりに号泣した作品でした。 私は未婚で恋愛経験も少なく 共感す...
久しぶりに号泣した作品でした。
私は未婚で恋愛経験も少なく
共感するポイントなどはあまりないのですが
何故だか涙が止まりませんでした。。
メリル・ストリープの細かな表情や仕草、
演技に吸い込まれたのだと思います。
幸せも切なさもギュッと詰め込まれてますが
とても自然でした。
裸足のフランチェスカ、ドアを静かに閉めるロバート
監督、イーストウッドだったのかーーーー!原作読んで映画も公開されて割とすぐに見た。その時は原作者がちゃらいおじさんだなというイメージでふーんという感想だった。
唯一よく覚えていたのはロバートがドアを静かに閉める人であることだけだった。フランチェスカはイタリアのバーリ出身で、夫のリチャードとはナポリで知り合ったこと、教師をしていたが妊娠出産で夫に言われて仕事を辞めたことは今回初めて知った。
4日間を演じるメリル・ストリープはイタリアの女優のようだった。目の下には隈、世間が狭い片田舎に住んでいる取り柄もない女と思いこんで生活に退屈してもう何かを諦めている彼女。裸足であちこち歩き回る彼女。常に髪をアップにしてた。でもロバートとの会話が彼女をどんどん解きほぐしていって、君はsimpleではないとロバートが言うほどに教養があって夢もある女性であることが私たち観客の前に顕れる。アイスティーに誘い、夕食に誘い、吸うときは必ず自分にも勧めてくれるロバートから煙草を受け取り、よく笑い冗談を言い髪もおろしデコルテが開いたドレスを身につける。ロバートはアイルランド出身という設定だった。イエーツやバイロンの詩も登場する。その詩がふたりを更に強く結びつける。
ちょっとした二人の仕草、指や手の触れ合いがとても繊細な演技で心が久しぶりに震えた。
ロバートはトーンを抑えた声で非常に物静かだ。キッチンで食事の支度をする彼女に何か手伝おうか?とその都度(計3回!)申し出る。外での散歩に彼女が不安を覚えたこともすぐに察する。声、話し方、気がきく、会話が弾む、ユーモアもたっぷり。こんな人はめったに居ない。当時イーストウッドは64~5歳だ。かっこいい!こういう人に憧れます😢
26年たってまた見ることができてよかった。
相手がソンドラ・ロックだったら面白かったかも
土砂降りの雨の中、傘もささずに立ちすくむクリント・イーストウッドを見つめるメリル・ストリープ、どうすることもできない切なさが伝わるシーンだ。結局のところ、この映画は不倫ドラマであり、他の不倫ドラマと同様に、個人的にはなかなか感動するまでには至らなかった。
まっとうだけがいいとは限らない…
巨匠も26年前は、結構ねっとりでしたね!(笑)
「マディソン郡の橋」って名前は知ってるけど
中年の恋愛なんて興味無いわ~~ってことで
スルーされがちですが、「午前10時の映画祭」で鑑賞。
評価されてる映画には流石に唸らされる見所がしっかりありますね。
主人公の主婦が高齢になって亡くなりその遺言を、
中年にさしかっかった子供たちが見るところから始まり、
数十年前の秘められた母の心に触れて行くというつくりが
謎解きのようで引き込まれます。
ほとんど舞台劇の様な、メリル・ストリープと
クリント・イーストウッドの会話が肝になっていて
平凡な田舎の主婦の心の揺らぎが繊細に描かれて
受賞はしなかったけど、メリル・ストリープは
この映画で1996年のアカデミー賞にノミネートされてます。
人生の晩年になって、遠くになってしまった人から
並々ならぬある思いが届く~
そのシーンに泣けてしまった。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
「ダーティー・ハリー」とか「グラントリノ」での
しかめっ面しか記憶になかったけど以前に観た
「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」での笑顔!
若きクリント・イーストウッドは超イケメンでしたね。
ブルーの瞳がまぶしいくらいでした。
また、「ナショナル・ジオ・グラフィックス」の
カメラマンと言う設定!
これって社会的な信用度が高い!と
以前に町山智浩氏が話してました。
それなりにインテリジェンスも感じさせるし
重い機材を持って世界中を飛び回ってるから
しっかりした体躯~~
イケメンの面影が今作の中にも随所にでていて~~
メリル・ストリープで無くともちょっと靡いちゃう~~
田舎の閉そく感、家族への思い、人を愛する気持ち
中年を迎えて、それでも人生をまだ諦めたくはない1人の女性の葛藤を
とても繊細に描いた映画でした。
生々しいセックスシーンはほとんど無い代わりに
心の揺れを表現するキスシーンが何回もあってその上、
一つ一つが結構長い!
サクッと短いながらもなかなかに中身の濃い名作を撮っている
イーストウッド御大、今ならもうちょっとカットしたかしら?
恋に年齢は関係ないが、この悲恋への決着の付け方は歳を重ねているからこそできたのだろう
午前十時の映画祭11にて。
男女の恋愛を描く映画では、二人が恋に落ちる様子を限られた尺でどのように見せるかが重要だったりする。
この映画はそこを見事に描いてみせた時点で、映画そのものの成功を決したと言えるのではないだろうか。
出会いから別れまでがたった4日間だというのは映画では珍しい設定ではないが、出会って何となく惹かれ会う1日目、互いに再開を強く望む2日目、そして結ばれるその夜までの丁寧な描写に、脚本と演出のレベルの高さが現れている。
中西部の片田舎のオバサンになりきったメリル・ストリープが、浴槽に浸かって、さっきまでここでイーストウッドがシャワーを浴びていたのだと思いを巡らすシーンが素晴らしい。恋へのときめきを「エロティック」だと表現するモノローグとともに、恍惚感すら表すストリープの表情。浴槽から見上げるシャワーヘッドから滴り落ちる雫をも色っぽく感じさせる。
スピルバーグのアンブリンとイーストウッドのマルパソの共同製作だが、もしスピルバーグが監督だったら、あんな情緒豊かな描き方はできなかっただろう。
そして、別れのシーンもまた丁寧だ。
短い時間に様々な葛藤が渦巻く熟年女の揺れ動く心を表現した脚本と、メリル・ストリープの演技の素晴らしさ。
イーストウッドが去っていったその道を、夫と子供たちが逆にたどって戻ってきたとき、ストリープが家族に笑顔を向けつつもその道を見やる。誰の姿もないその道をストリープの目線で一瞬映して、切なさを演出する。
クライマックスは雨中のすれ違いのシーンだ。車に乗り込んだ後はイーストウッドの表情を映さない。ルームミラーにペンダントをかけて見せることで、ストリープの心に永遠の愛を誓いながらも別れを受け止めたことを語りかける。
夫が運転する車の助手席で、ストリープは再び葛藤する。そして、耐えきれず涙を流すが、夫はその変化に気付くのだ。
このシーンは、数ある恋愛映画の中でも屈指の名シーンだと思う。
女は、田舎での生活を続けることを選び、一瞬で燃え上がった不倫の愛を心に留めつつも、罪のない夫を愛し続けることを誓ったのだ。
年老いて病床に伏せる夫がストリープに夢を叶えてやれなかったと詫びる会話もまた、この脚本の素晴らしいところだ。夫に寄り添い愛していると告げるストリープに決して嘘はない。
たった4日間の不倫は、環境はそのままであっても家族や町の人たちとの関わり方を変化させただろう。二度と逢うことがないイーストウッドを思い続けながらも、夫をそれまで以上に愛することができた。それが熟年の恋だったのではないだろうか。
それを、今や中年となって夫婦の微妙な問題も体験した息子と娘は確りと受け止めた。
原作の小説は世界的なベストセラーだが、あざとく泣かせる物語で、撮る人次第ではそのままの泣かせる映画で終わっただろう。
そうならなかったのは、監督クリント・イーストウッドの演出力と彼が選んだリチャード・ラグラヴェネーズの脚本、メリル・ストリープの奥深い演技の賜物だ。
自分も歳取った
生涯にたった一度の確かな愛
ベストセラー小説を映画化した恋愛巨編で中年男女の4日間の恋を描いた作品。ただの不倫映画ではない名作ならではの雰囲気を随所に感じました。
往年の名優クリント・イーストウッドとメリル・ストリープ、大御所2人の共演も素晴らしくスクリーンに引き込まれます。ラストに近づくにつれて盛り上がる展開も抜群。
(午前十時の映画祭にて鑑賞)
2021-61
屋根付き橋を渡る姿は見えない
大人の恋愛映画
切ない大人の恋愛映画。
だけど、言っちゃえば不倫の話。
子供たちに向けた手紙の中で「彼を恨まないで、むしろ感謝するはず」みたいな部分があったけど、どこが感謝するところがあった?
母親の不倫の話なんていくら美しい愛であったとしても子供からしたら全然感謝なんてできるはずない。そのおかげで家庭が円満だったとしても。
とにかく不倫を美化した作品。
イーストウッドはめっちゃおじいさんじゃないかと思ったけど、さすがかっこよかった。
やっぱりいい
午前十時の映画祭で観賞。
アイダホの農場の主婦フランチェスカ(メリル・ストリープ)は単調な日々を送っていたが、夫リチャードと二人の子供たちが子牛の品評会のため出かけ、4日間一人きりで過ごすこととなる。
そこへ屋根のあるローズマン橋の写真を撮りにやってきたカメラマンのロバート(クリント・イーストウッド)がやって来て、道を尋ねられた。世界各国を旅しての面白い話などから彼の魅力に惹かれたフランチェスカは、彼を夕食に招待する。ドアの締め方など細かな配慮も出来、二人はデートの末、恋に落ち、そのままベッドを共にする。
最後の夜、ロバートから、一緒に来てくれ、と言われ、フランチェスカは荷物をまとめるが、家族を思い、結局ついて行かなかった。
夫リチャードの死後、フランチェスカはロバートに連絡を取ろうとするが、会社も辞めて消息不明で連絡は取れなかった。何年か後に、弁護士を通してロバートの遺品が届く。そこには、手紙やフランチェスカが彼に手渡したネックレスとともに『永遠の4日間』という写真集が入っていた。
フランチェスカの死後、彼女の遺品のノートには「人生の全てを家族に捧げた。せめて残りの身は彼に捧げたい」という遺志が記されていた。息子と娘の兄妹はようやく母の遺志を理解し、遺灰は、ロバートの遺灰と同様、ローズマン橋の上から撒かれた。
アメリカ・アイオワ州マディソン郡でたった4日間に生涯の恋を見つけた中年男女の愛の物語。
クリント・イーストウッドとメリル・ストリープの名演技での切ない恋が素晴らしい。
久々に大画面で観賞したが、やっぱりいい。
田舎で自分が居なくなった場合の残された夫や子供達の事を考えて思いとどまるフランチェスカの表情が切なくてなんとも言えないくらい良かった。
アイダホへ行ってみたいと思っているが、まだ行けてないので、いつかロケ地巡りをしてみたい。
一生忘れられない恋をしたように見えなかったのが残念
お互いの事を忘れなかったという遺品を主婦の子供たちが見つける場面から始まるのと、最後にカメラマンの遺灰が出会った橋に撒かれた事を知って主婦も自分のもそこに撒いてほしい、残りの時間は彼と共にしたいという遺書の展開はロマンティックで良かったけど、何故そこまで、特に世界を飛び回るカメラマンが平凡な主婦に4日だけで一生忘れないほど愛情を持ったかがはてな?な感じ…一緒にいた最後の日に男が女に生涯で1度だけこれは特別だと確信が持てると言うほど観客にそれが伝わらない。まあ普通に短時間に燃えた恋にしか見えない。街での別れの場面が強烈で一生尾を引いたのか?その一緒にいた4日間が濃く書かれ過ぎて夫が死んでからカメラマンに連絡を試みるけど、もう所属先の会社にはいなかったところあっさりしすぎ。そんなに忘れてないならもっと探しなよって思うけどな。 クリントイーストウッドはかっこいいけど。
90年代の傑作。映画好きならマストの作品。
不倫映画だよね?
5年後にまた観てみたい
この映画で一番心に残ったのはフランチェスカは教師時代の話をロバートにします。
「どの子も才能を秘めていたのよ、なのに私が才能を引き出すことができた子を私は素晴らしい子だと思ってしまったのね」というようなセリフです。
お酒の力もあって会話は弾み、イーストウッド演じるロバートは犬歯の後ろの歯までみえる笑顔になります。それをみつめて笑いかえすフランチェスカに私は生徒の話と同じことを感じました。
離婚で痛手を負った男性の家事を手伝おうとする姿や、写真集を出すべきというフランチェスカの言葉を約束のように実行するロバートがいじらしい。カメラのフィルムは冷蔵庫にしまうのに時計をしたまま行水をしたり、置手紙があってもシャッターチャンスを逃さないため写真を撮ってから読むというような、目的以外のことには無頓着になってしまう一面もあって完璧な男にはなっていないのもよかったです。町のレストランで、不倫をしてために住民からつらく当たられるルーシーに声をかけ、寄り添う気持ちもある。
フランチェスカが夫と買い物をするのを雨にずぶ濡れになって見つめるシーンは胸が締め付けられ、バックミラーにペンダントを懸けるところもなにか儀式のようで、苦しくて叫び出したくなるのに微かな怒りも感じました。自分と夫をずぶ濡れで見つめる俺を見せつけてくるところがアーティストでした。
寝取られ夫であるリチャードは、妻がいないと眠れないかもと言ってしまうような人です。
四日間家を空け、帰ってきたら妻が美しくみえたとしたら何を感じただろう。車のなかで妻がいきなり泣き出して、「お腹が痛いの」とか「悲しいことを思い出したの」と言い訳もしてくれない状況に何を思っただろ。バックミラーに掛けたペンダントはフランチェスカしか気づかなかったのだろうか。
人生の最終章で妻に「夢と違う人生を歩ませたね」と言う夫は本当に何もわかっていなかったのだろうか。
フランチェスカはロバートと一緒に生きることを選ばず、家族と暮らします。
昔の私はそれば夫に対して失礼じゃないか!と思ったものです。ですが今はそう思えなくなりました。自分が駆け落ちしたことで、夫も子供も愛されてなかったと思ってしまうことに耐えられなかったのでは?いままで気持ちを重ねてきた夫がこの町では女房に逃げられた男のレッテルを張られたくないのだと感じました。
また田舎町では魅力的に感じるロバートとの生活、非日常が日常になったあとの不安があっで、慣れ親しんだ生活を捨てれなかったように取感じます。死んだあとは夫の隣で静かに眠るのではなく、灰になって風雪に翻弄されどこかへ飛んでいくことを望んだフランチェスカにとってリチャードは夫というより庇護者になっていて甘えていたようにも感じました。
母の四日間の記録を読んで、彼女の子どもたちはメッセージを受け取りました。
ひとりは自分の妻に「今の人生で不満はないか」と聞き、愛を伝えます。
もうひとりは自分をないがしろにする夫に別居したいとを伝えます。
2人とも大変なことはあるだろうけど、明るい顔をしていました。
母も娘も似合っていなかったドレスにはどんな意味があるのだろう。
今の私にはわかりません。意味などないのかもしれません。
それはもっと年を重ねたらわかるのかな。
ロマンティックなシーンで「なんでこの季節に暖炉を焚いてるの」と気になり出したり、ロバートの焦げたトーストが焦げのないトーストに変わることに気を取られてしまう私は恋愛は向かないのだと感じました。
「アイスティーでもいかが?」
夫とも上手くいっているのに本気の恋をしてしまったのは、ロバートが言っていたように「生涯で1度の確かな愛」を見つけてしまったということですよね(^-^) 独身の時に出会っていればよかったという問題ではなく、今出会えたからこそ「永遠の4日間」を過ごせたのかな・・・僕もアイスティーが飲みたくなる(笑)
マンジャーレ、カンターレ、アモーレ
「食べて、歌って、愛し合う」ただそれだけで幸せ。イタリアにそういう言葉がある。
地の果てでも、美味しい食事と素敵な音楽、そして愛する人がいれば人生は幸せなのだろう。
旦那との日常にマンネリ化していた主婦のもとに現れたリベラルな写真家の男。家族不在の4日間にいけないと分かりながらも、ジリジリと惹かれあうふたり。最近でいうと「昼顔」のような世界である。
「不倫は文化」だとトレンディー俳優が言ったが、いつの時代も人間の根っこの部分に蔓延る、誰かを愛し愛されたいという欲求。ないものねだりで新しいもの好きの性。昨今それへの非難が目に余るものがある不倫を、切なくも美しく描いている映画。
肯定も否定も価値観は人それぞれだが、倫理と人類愛の狭間で揺れる、不倫についてのひとつの最適解がこのなかにある気がする。現代ではヒッピーの延長上に、ポリアモリーの文化も拡がる。
そしてこの作品を観て、改めて映画は時代を刻み込むものだと感じた。歴史は感じても決して色あせない。その時代その時間に生きた人たちがいるから、いつ観ても生々しい。
恋する気持ちも一緒ではないだろうか。人はいくつになっても恋したい生きものだ。
それと、やっぱり手紙の文化はいいよね。いまやどこにいてもいつでも連絡が取り合えてしまう世界。どうやってもう一度あの人に会えるのだろうか、ズキズキしながら繋がりをたぐり寄せ、その瞬間を待ちわびる感情に萌えた。
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