「鬼神と化すマックス」マッドマックス ezioさんの映画レビュー(感想・評価)
鬼神と化すマックス
来たるシリーズ5作目「フィリオサ」のため数年ぶりに2度目の鑑賞
まだ「MADMAX」が人の世界であったとき、MADMAXシリーズ最初の作品だがそこには怒りの根源があった。
舞台は秩序がかなり乱れているが文化はまだ崩壊していない近現代、最初からただものではない雰囲気があるマックスだがメル・ギブソンが若々しく(20歳代前半)まだ垢抜けない。
冒頭のナイトライダー然り、敵役であるトーカッター一味のキャラクター性も非常に魅力的で、やっていることは極悪非道で悪に染まってはいるがどこか憎めないところもある。特にボスであるトーカッターの動物のように顔と表情とオノマトペで表現される手下への命令や威嚇は面白い。
終盤、家族を轢き殺され復讐の鬼となるマックスは前半と比べると表情や立ち振る舞いからして一変する。物語の流れとしてはシンプルでわかりやすく、マックスが復讐するまでの展開はやや時間がかかっている気もするが、トータルを95分程度で収めており飽きることはない。なんならアクションシーンのテンポ感がとんでもなく疾走するため興奮が落ち着くことなく観られた。復讐をその瞬間から決意しショットガンと相棒となるインターセプターと共に慈悲無く一味を薙ぎ倒し、最後には選択という名の死刑宣告を丁寧に行うまでは新たな様式美を創ったと言っていいと思う。
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