「カートゥーンと実写の融合表現」マスク 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
カートゥーンと実写の融合表現
率直に言って面白かった。最後まで休憩せず見ることができた。それでいて、
マスクになった時のスタンリーが相手を小馬鹿にしながら陽気に自分のパワーを披露していく様がかっこいい。SMOKING!!!
この作品は日本で1995年に公開された。自分が子供の頃であり、この作品についてはCMやビデオ屋でインパクトのある緑の顔とコミカルなCG表現が印象深く、子供ながらに興味をもっていたのは覚えている。しかし内容が上品で無い事をこどもながらに感じていたのか、緑の顔が少し怖かったのか、どういう経緯か不明だが、結局今に至るまで見る事はなかった。他にも子供の頃見たかったが結局見ていない作品は思い浮かぶ。そういうのを今後も見ていきたいと思う。
先日バックトゥーザフューチャーを見た時に、創作物にはテーマ性がなければ価値は無いと自分は思った。が、この作品を見て、視聴者の気分を上げて最後まで楽しませてくれる面白さに触れることにより、テーマ性がなくとも他の何かがぶちぬけていたらその作品は価値あるものとなるなと思い返した。まあ、そうは言ったがこの作品はテーマ性が無いわけではないし、主人公の成長もある作品である。すなわち、この作品のテーマは人間社会において人がかぶる『マスク』についてであって、おたくでイケてない主人公スタンリーはマスクを手に入れることで自分の本音を周りにぶつけながら様々なトラブル、綺麗な女性と出会い、その中で自分の本音を回りにぶつけてもいいんだという事に気づき、本音で生きる方法と理想の女性を手に入れることとなる。
キャストについて思ったのは、スタンリーを演じるジム・キャリーが声優宮野真守に似ている(ただ感情表現豊かな顔をしているというだけかもしれないが)と思ったことと、キャメロン・ディアスが美しいなと思ったこと。キャメロン・ディアスについては年老いた彼女の印象しかなかったが、これが彼女のデビュー作らしく、そんな映像で見ることができる一番若い彼女の体ははちきれんほどの健康的でグラマスなボディでこれぞ米国で求められる魅力的な女性の理想像だと思った。
作品の設定でなるほどと思った点は、マスクがロキという北欧の神に通じるものであるという設定である。こういうふうに、古典や神話に結びつけると特にファンタジーやSFは物語に深みと説得力を与えてくれると思う。