劇場公開日 1995年2月25日

「変顔、元祖。 頭を空っぽにして観るが良し。」マスク とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5変顔、元祖。 頭を空っぽにして観るが良し。

2021年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

コテコテのギャグ。
 そうか、『バッグズ・バーニー』とか、あのカトゥーンの世界か。倫理観なんてタンスにしまってみればいいのか。

と、最初はノリについていけず、お腹を抱えて笑いつつも戸惑うばかり。
でも、後半ぐっと面白くなりましたね。特にラストが好き♡。

ジム・キャリー氏の”顔芸”とあるけれど、緑のゴムマスクで、地なんだか演出なんだか、そこも戸惑うばかり。
 でも、『マスク2』の予告と比べると、マスクになった時の大仰な振り付け、行動から行動への間とか、こちらのマスクの方が秀逸。(『マスク2』の皆さんごめんなさい。『マスク2』本編は未鑑賞)

古くは『メリーポピンズ』とか、アニメと実写を融合させた映画はあるけど。
 まだ、CGもそんなに精巧ではない、この制作年代に、こんな作品を作ろうと発想したそのアイディアがすごい。
 さらに凄いのは実際に観るに耐える映画にしちゃったところ。こういうのってアイデア先行で空回りしちゃうのが多いのに、アイディアだけで潰れていない。
 コメディアンの笑いだけに、アイディアだけに頼らなかった所がすごい。

ペルソナ。日本でいうなら、人に見せる顔と自分だけの時の顔。
それを”マスク”を使って、こんなふうな映画にするなんて。
「どっちが自分?」「好きな人にどっちで会えばいい?」なんて普遍的なテーマが軸。
鉄人28号的なハラハラ、わっはっはもあり、
最終的にマスクの行方は?の落としどころも、まあ、そうね。
と、人物も、物語の筋もそれなりにちゃんとある。
 周りが戸惑いながらもまきこまれていくとことか最高!!!
 ヒロインぽいのが二人出てきて、さあ、と思ったら、意外な展開。
 刑事さんがちょっぴりかわいそう。まじめにやっているのにねえ…。
 それらを、おバカさ満載で、そのおバカさを俳優陣も楽しく成りきっている。
これだけ、幾重にも重奏されていて、すばらしい作品にならないわけはない。

とはいうものの、私的には、購入して手元に置くほどではないかなあ。
 ちょっとドタバタしすぎているんです。そこがこの映画の良い所で、ドタバタなくしたらつまらない映画になっちゃうのだけど。難しいですね。

ただ、
キャメロン・ディアスさんが壊れやすい砂糖菓子みたいで、ため息出ます。
 ディアスさんの演技では、『バニラスカイ』での女性が好き。恋する女性の切なさを演じていて(怖い役でもあるけど、本当に切ない)とても惹き込まれます。『私の中のあなた』ではヒラリ―・クリントンさんみたいな役を熱演されていて印象的でした。
 でも、この映画のディアスさんも好き。出だしは悪役っぽいのだけど、まだ内面の暗さも強さもなく、ただただキラキラしている。観る価値あります。

マイロも最高!動物好きなら必見だと思います。

とみいじょん