「序曲・休憩・出口音楽を設け、大作ムードを醸したものの…」北極の基地 潜航大作戦 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
序曲・休憩・出口音楽を設け、大作ムードを醸したものの…
監督は名作「荒野の七人」「大脱走」
のジョン・スタージェス、
原作は名作「ナバロンの要塞」「荒鷲の要塞」
のアリステア・マクイーン、
音楽は名作「シェルブールの雨傘」
「おもいての夏」のミッシェル・ルグラン、
これで面白く無いはずも無く、しかも、
子供の頃に観て印象が強く残っていたため
レンタルして観たが、残念な作品だった。
前半は、実際の潜水艦を使った迫力の映像と、
誰が裏切り者なのかの想像を巡らされる
ストーリー展開に惹き付けられた。
しかし、原作なのか脚本なのか分からないが、
細部の検討が甘すぎた印象だ。
潜水艦に乗り込んだソ連スパイは、
破壊工作の後、他の乗組員を助ける等の行為
をしながら、なぜ自らは安全なエリアに
避難しようとしなかったのか。
あるいは、沈むことを前提の破壊工作だった
のか、旧日本軍や昨今の過激イスラム教徒の
ような自爆も厭わない精神の持ち主としての
描写は無かったように思うが。
飛行機も飛べないような北極の悪天候の中、
5キロにも渡る氷上行軍は可能だろうか。
ミグの編隊飛行シーンで、何故、実写と
合成画面で、機数の異なる映像を使うのか。
圧倒的な兵力差と言っていながら、
優位な側が何故わざわざ煙幕を張るのか、
また、艦長が交戦中止を叫ぶほど、
何故か米国側にへ余裕のある戦いシーン。
等、後半の北極のセットシーンになって
御都合主義的な展開が続き、
私としてはリアリティの欠如が甚だしく感じ
面白味が激減した。
大作ムードは醸したものの、
中身は伴わず、私の評価としては、
前半🌟🌟🌟、後半🌟、の合わせ🌟🌟です。
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