劇場公開日 1968年12月21日

「序曲・休憩・出口音楽を設け、大作ムードを醸したものの…」北極の基地 潜航大作戦 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0序曲・休憩・出口音楽を設け、大作ムードを醸したものの…

2021年5月2日
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鑑賞方法:DVD/BD

監督は名作「荒野の七人」「大脱走」
のジョン・スタージェス、
原作は名作「ナバロンの要塞」「荒鷲の要塞」
のアリステア・マクイーン、
音楽は名作「シェルブールの雨傘」
「おもいての夏」のミッシェル・ルグラン、
これで面白く無いはずも無く、しかも、
子供の頃に観て印象が強く残っていたため
レンタルして観たが、残念な作品だった。

前半は、実際の潜水艦を使った迫力の映像と、
誰が裏切り者なのかの想像を巡らされる
ストーリー展開に惹き付けられた。

しかし、原作なのか脚本なのか分からないが、
細部の検討が甘すぎた印象だ。

潜水艦に乗り込んだソ連スパイは、
破壊工作の後、他の乗組員を助ける等の行為
をしながら、なぜ自らは安全なエリアに
避難しようとしなかったのか。
あるいは、沈むことを前提の破壊工作だった
のか、旧日本軍や昨今の過激イスラム教徒の
ような自爆も厭わない精神の持ち主としての
描写は無かったように思うが。

飛行機も飛べないような北極の悪天候の中、
5キロにも渡る氷上行軍は可能だろうか。

ミグの編隊飛行シーンで、何故、実写と
合成画面で、機数の異なる映像を使うのか。

圧倒的な兵力差と言っていながら、
優位な側が何故わざわざ煙幕を張るのか、
また、艦長が交戦中止を叫ぶほど、
何故か米国側にへ余裕のある戦いシーン。

等、後半の北極のセットシーンになって
御都合主義的な展開が続き、
私としてはリアリティの欠如が甚だしく感じ
面白味が激減した。

大作ムードは醸したものの、
中身は伴わず、私の評価としては、
前半🌟🌟🌟、後半🌟、の合わせ🌟🌟です。

KENZO一級建築士事務所