墓石と決闘のレビュー・感想・評価
全1件を表示
正統派ハリウッド西部劇へのレクイエム
幾度となく西部劇映画の題材となった「OK牧場の決闘」(実際のOKコラルは牧場ではなく、偶発的な撃ち合いなので決闘ですらない)の後日譚を描いた作品。
監督は『荒野の七人』〈1960〉などで知られる名匠ジョン・スタージェス。
本作の10年前に自身が監督した『OK牧場の決闘』は映画も主題歌も大ヒットしたが、内容に不満があったため、史実に準じてこの作品を作ったといわれている。
本作が製作された1967年はアメリカにもマカロニ・ウエスタンが浸透し始めた頃。
その影響からか、流血シーンや倒れた相手を執拗に撃ち続けるなど、殺伐とした演出が目立つ。
主人公の保安官が法よりも復讐を優先したり、ベテラン西部劇俳優のロバート・ライアンが悪役に扮するなど、名匠からの正統派西部劇へのレクイエムにも感じる作品(スタージェスはこのあと『シノーラ』〈1972〉、『さらばバルデス』〈1973〉と2本の西部劇を監督するが、どちらも異色西部劇の趣き)。
ワイアットが相棒のドクをコロラドの医療施設に遺し、出世にも背を向け馬車で遠ざかるラストシーンが印象的。
いい映画なんだけど、のちにオスカーを二度獲得する(ともに助演男優賞)名優ジェイソン・ロバーズと、この作品の直後、立て続けにコメディ西部劇に主演していたジェームズ・ガーナーとのコンビには違和感。
クラントン一味の残忍なガンマン、ブロシアス役のジョン・ヴォイトは本作がスクリーン・デビュー。
クラントンに味方してワイアットと対立する郡保安官(モデルとなった人物はワイアットの恋仇)を演じたビル・フレッチャーはJ・ロバーズと同じ1922年生まれながら、今もご健在。御年102。ご長寿!!
NHK-BSで視聴。
全1件を表示