ポセイドン・アドベンチャー(1972)のレビュー・感想・評価
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私はジーン・ハックマンに触れた!
NHKBSの放送を録画視聴。
1973.3.17ロードショー初日に有楽座で「ポセイドンアドベンチャー」を観た。ジーン・ハックマンの舞台挨拶があり、小森のオバちゃまと舞台に立った。観客から「この映画が訴えているものは?」の質問に彼は只一言「Fun」と答えた。舞台裏からではなく、通路を通って退場したジーン・ハックマンに通路横の観客が殺到し、少しモミクチヤになっていた。私も駆け寄り彼の肩に触った(十代の若気の至りである)。
閑話休題。
大晦日の夜、大型客船S.S.ポセイドン号の船客は新年パーティのためにホールに集まっていたが、マグニチュード7.8の海底地震で発生した大津波により船は転覆してしまう。
ホール内にいた人々は、ここに残って救助を待つ事を主張するパーサー派と脱出のために船底へ向かおうとする神父(G.ハックマン)派に別れ、神父を含む10人だけが脱出を図るのだが、その時船内で爆発が起こりホール内に浸水して救助を待つ組は水没してしまう。
神父の強いリーダーシップのもと船底を目指すが、180度天地が逆転した船内からの脱出は困難を極める。再度の爆発で船員(R.マクドール)は転落死、神父を救うために水中で無理をした太った婦人(シェリー・ウインタース、アカデミー助演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞受賞)も心臓麻痺で亡くなる。誰が生き残れるのか分からない。そして、船底にたどり着くのだが…。
50年前の映画なので当然CG合成は無く、ミニチュアによる特撮で大津波による転覆が描かれる。東宝特撮映画みたい。
ジーン・ハックマンは、「フレンチ・コネクション」でアカデミー主演男優賞を取った後で油が乗っている。
昔観た時は気付かなかったが船長がレスリー・ニールセンだったり、レッド・バトンズが意外と活躍していたり。
公開当時、キネマ旬報の評論家座談会の記事で、ラスト前でジーン・ハックマンが
死んじゃうのをバラした評論家がいて、非難されていたっけ。(あっ、バラしちゃった!)
1973.3.17有楽座にて鑑賞済
パニックになるまで退屈だけど、やっぱりイイ
「タワーリング・インフェルノ」と並び、当時のパニックものとして、いや今も傑作として評価されることが多い本作ですが、こういう映画は「いつパニックになるか気にしながら観る」ため、その前の「どうでもいい話し」が退屈に思え早送りしたくなったりする。もちろん、自分は気に入っているのでそんなことはしませんが、基本的に「どうでもいい話し」てのは...
・楽しく過ごしてる人達
・「何かおかしい」「いや様子を見よう」といった駆け引き
大きく分けちゃえば、この2つの話しになる。
この映画では、新年へ向け説教をする牧師、バンドの生演奏を聴きながら食事を楽しむ人々、可愛い弟のわがままに手を焼く姉、見覚えのある人が居て不安になる娼婦...等々あるのだが、こういった人達の中で、何か1つ自分が気になった話題があるに越したことはない。そして、いざパニックなるのを待つんですよね。
私は2度目の鑑賞ですが、どれも覚えてませんでした(苦笑) やはり、いつ起こるか、そっちのウェートが大きかったと思われる。パニックものの難しい点ですね。
ハッピーニューイヤーの最中てのがミソですよね。喜びから一転するわけですから。
・助けに来るのを信じて待つ?
・自力で脱出する?
こりゃ判断に迷いますよ。
また、ジーン・ハックマンはなぜ仕切る? 警察の人もいるのに牧師の使命ですかね。
(一部のセリフですが)
アーネスト・ボーグナイン
「どうも気に食わん、俺に恨みでもあんのか?」
ジーン・ハックマン
「私たちは似てるんですよ。自分を見てるようで嫌なんでしょう」
アーネスト・ボーグナイン
「・・・」
冷静だなぁ~、さすが牧師!腹が立った時は考えてみよう。そうかもしれん。
逆さまになってからは一人一人の性格が出ますので、自分が誰に近いか考えながら観るのもアリかと思います。
また、機関室へ向かうための水中脱出シーンは、カート・ラッセル版と違うので興味のある方は比べてみるのも面白いかもしれません。生き残った者・死んでしまった者の宿命も考えさせるものがありました。
逆さまのセットを造るまで作業は大変だったと思う。今はCG含め簡単かもしれませんが、当時の映画に対する意欲ってものは比べ物にならないかもしれませんね。
豪華客船の転覆からの脱出劇ということで、タイタニックの二番煎じかと...
豪華客船の転覆からの脱出劇ということで、タイタニックの二番煎じかと思ったが、この作品は1972年に公開されている。
タイタニックよりもはるか前の作品か。
「苦しい時に神に祈るな」と説く異色の牧師がリーダー。
生きるために動き、的確な判断を下した者が助かる。
そして、最後は自らが犠牲となって仲間の危機を救う。
かっこ良過ぎた。
後になって実は生きていたというパターンではない点が、この作品をより深いものにしていると思う。
実写ならではのリアルさ
口は悪いが行動力のあるスコット牧師を、ジーン・ハックマンが熱演。
困難に立ち向かい、神に問うスコット牧師の姿が切ない。
人の強さ、優しさ、愚かさ、無常さ、哀しみがリアルに描かれていた。
NHK - BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
古い映画ながらも面白い!
こりゃ、名画です。めちゃくちゃ古いのに特撮とか出来ない時代でストーリー勝負の大型客船の地震による津波で船転覆。脱出口を探す、牧師をリーダーにし、リーダーの牧師は、残念ながら最後の最後に犠牲になり6人のために命を投げ出す。足手まといと思われた太った奥さんもリーダーを助ける演出。中々良かった。
「Poseidon Adventure」ネーミングが上手い!「Towering Inferno」もそうだけど…
豪華船を転覆させるというシンプルなアイデアを、ここまで面白い映画にするとはやはりハリウッドの底力。今に至るまで「Towering Inferno」と本作を凌ぐパニック大作は出てきていない。
押し寄せる危機また危機
"ポセイドン・アドベンチャー" シリーズ第1作。
深夜放送を鑑賞(録画)。
アイデアの斬新さに舌を巻きました。大波によって転覆し、逆さまになった豪華客船。船底を目指してサバイバルをすると云う奇抜さ。普段の景色が逆さまになっただけで、危険いっぱいの世界に変貌すると云う、今までありそうで無かった着眼点に引き込まれました。パニック映画の醍醐味であるスペクタクルと、極限状況下で生まれる圧巻の人間ドラマが秀逸でした。
大広間に留まる人々と船底を目指す人々。考え方の違いが生死を分けました。何が正しくて、何が間違っているのか。現状維持に努めるのか、自ら行動し新たなる道を切り拓くか。
私は後者を選ぶかもなぁ…
船底を目指す人々を追い詰めるかのように押し寄せる海水。迫り来る爆発と炎の恐怖。試される知恵と勇気と信頼。それぞれが渾然一体となり、唯一無二の魅力を放っていました。これぞ名作が名作たる所以だなと思いました。
※修正(2024/05/18)
迫力あった。
古い映画だが充分迫力があり、最後までテヒ汗握った。映像は見た目のショッキングさもテンポも最近のもの方が、上なのに何故だろう。
リアルタイムで見てたらトラウマになりそうな生々しさがあった。最近の映画の「リアル」とは質の違う「リアル」さを感じた。
リーダーの牧師さんは、次々出される問題を決断して、みんなを強引にみんな引っ張っていく。その力の拠り所は神だろうと思う。
強力なリーダーシップ、ヒーローになるには強力な信仰、拠り所が必要なんだろうと思う。それが神に対する怒りでも。選択した結果が正しいかは分からないが、選択した事は正しい、と思う為の拠り所。
そんな牧師が心が折れそうになった時に彼を救ったのは、牧師の信者たる少女と彼に懐疑的だが決断はしない刑事。
神と人によってリーダーになり、ヒーローとして死んでしまう。
そんなリーダーになりたいと思う。そのために心の拠り所となる何か、内なる神を持たなくては、そんなことを思わせる映画でした。
結構宗教的との関連、解釈が色々ありそうなので、機会があったら調べてみよう。
よかった
午前十時の映画祭で初めてスクリーンで見た。子供の頃にテレビで何度か見ていて、ジーンハックマンが赤いハンドルにぶら下がっている場面が印象的で、そのハンドルが出て来た時、あれだ!と思った。
太ったおばあちゃんが見せる男気とガッツに感涙した。
『タワーリング・インフェルノ』より人間ドラマが濃厚だったような気がする。
ジーンハックマンの強く、強く生きようする意思がとても良い。どう行動...
ジーンハックマンの強く、強く生きようする意思がとても良い。どう行動すれば正解かなんてわからない。それでも決断をしなくてはならない。犠牲が出ようとも、諦める事なく抗う先に、自分の内なる神が自分を助ける。
序盤の和やかな年越しシーンから、絶望的な転覆で一気に緊張感が走る。自分がその場にいたら最初にツリーを登れただろうか?差し迫る水位に臆せず梯子を登れただろうか?大勢が向かってるから船首の方にいかなかっただろうか?
そんな臨場感が全編に渡りあり、聖書的なテーマを別にしても最高のスペクタクルが楽しめる。
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