ポセイドン・アドベンチャー(1972)のレビュー・感想・評価
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ディザスターフィルムの先駆けにして、最高峰との声も高い本作。なるほ...
スケールがスゴい
ジーンハックマンの最高傑作
ジーンハックマンという俳優はとても面白い俳優で顔や表情から性格がよく分からない。いいやつな様でもあるし悪い奴の様でもあり、どちらかと言うと悪い奴に見える。この映画の中ではどんな役割をしているんだろう・・・というところからして既にサスペンスとして飲み込まれてしまう。それがジーンハックマンの俳優としてのパワーだと思う。そして私の感覚的にはジーンハックマンがこの映画では意外なキャラクターを演じてストーリーをぐいぐいと引っ張っていった。
タイタニックを扱った映画はたくさんあるけども私はこのポセイドンアドベンチャーを一押しする。そのストーリー構成の見事さ、キャラクターの良さ、一つ一つのエピソードの面白さ・・・そういうところから見てそう思う。
ディカプリオのファンは反対するだろうけどね。
明日へ向かって
パニック映画の最高峰と言える映画です
この頃のパニック映画は好きでした
出てくる人それぞれに人生があり明日があると信じている
皆んなが力を合わせ信念を持ち苦難の時こそ足を止めずに前へ進まなければ明日へは届かない
「愛のために戦え」と牧師は言う
でもそうではない、愛する者が無くても戦い続けなければならないのだ
私はこの「戦う」を怖い言葉だと思う
勘違いすれば他者を傷つけてしまうから、そうであってはならないと思うから
牧師の教えは過激な人にとっては危険な教えのようにも思えるが
この頃のアメリカを考えればアメリカ国民に勇気を与える映画なのかも知れませんが同時に間違った方向へ行きそうで恐ろしさもあるのかと思います
そして今もこの精神が強いのならこの先の世界はどうなるのか
この映画の真髄はラストの牧師の行動に現れているのではないでしょうか
そこに無情の愛を感じます
みんなで助け合って明日へ進んでいきたいものです。
大迫力!
前から気になっていたポセイドンアドベンチャー。
いやー面白かった!
船が逆さまになって、パーティー会場が大惨事になるシーンは本当に
けが人が出てるんじゃないっかてくらい迫力がありました。
ステンドグラスに背中から真っ逆さまに落ちるシーンはスタントマンがやってるらしい。
まさに命がけ。
キャラクター一人一人がしっかりしてて、見ごたえがありました。
笑いもしっかりあって、200キロのメカジキのくだりは爆笑でした笑
ひとつ言えるとしたら、ノニ(キャロル・リンレイ)がずーっとウザかった。
事あるごとに、私にはできない、とか無理とか、ひとりじゃ無理とかずーーっと後ろ向きで
観てると無性にイライラしました。
老夫婦の奥さんの方は懸命に自分のできる限りのことを精一杯やって、勇敢だなと思ったりしたので、余計にずっとめそめそしてるノニに腹が立ちました。
でも、一人ぐらいは後ろ向きなキャラクターも必要か、と思い納得しましたけども。
ノニはさておき、最初から最後まで手に汗握る展開で評価が高いのも納得の良作でした。
ポジティブであれ 自らの中の神を信じてベストを尽くせ 生きる力が湧いてくる映画です
名作中の名作
パニック映画のジャンルの始祖として有名ですが、そのジャンルを越えて名作です
何度観ても飽きないしその度に面白く感動します
豪華客船ポセイドン号
といっても老朽化で最後の航海の設定で、乗客もあのタイタニック号みたいな上流階級の人は乗ってません
何しろディナーの船長のテーブルに普通の夫婦が同席してるくらいの庶民派クルーズです
冒頭の船長と船主代行とのやり取りは史実のタイタニックのモチーフで、あの映画タイタニックでも同様のシーンがあります
津波で転覆するスペクタクルシーンは圧巻で、映画タイタニックで、沈没時に船尾が高く持ち上がるシーンは本作のものをかなり参考にしているのだと、改めて観ると良く分かります
今のどうせCGでしょ的なものでない、嘘のない素晴らしいシーンです
爆発が起こり大量の水が押し寄せる時の人々の逃げ惑うシーンは本当にパニックを起こしている顔と逃げ方です
流石はアーウィン・アレンです
実質的には彼の作品と言って良いのかも知れません
ジーン・ハックマンは主人公の破天荒な牧師を演じます
フレンチコネクションとかの役柄のイメージとは違う清く正しい人という設定なのですが、強引にでも突き進むという点では説得力あります
しかし本作を名作たらしめているのは、そこにもう一人素晴らしい演技の役者がいるからです
それはアーネスト・ボーグナイン!
NY市警の警部補役、元娼婦の妻と新婚旅行に来ているという設定です
刑事ではなく恐らく分署のチーフという設定ではないかと思います
彼がジーン・ハックマンとやりあうシーンは、迫力があり見物です
さらにそれだけでなく、妻にやり込められたり、単独で様々な表情を現すところは名優だと感嘆することでしょう
その二人の名優だけでなく、いい演技をする役者が脇を固めており、個々の活躍の場面をつくる良い脚本がそれをひきたてています
老夫婦の太ったおばあちゃん役のシェリー・ウィンタースは心に特に残ります
その他にも見せ場のあるキャラがいてその演技も良いのです
大きな船は人間社会そのものです
それが転覆した時の人間はどうあるべきかがテーマだと思います
様々なリーダーがいます
少しの可能性があれば積極的に行動し挑戦するリーダー
慎重に助けを持つリーダー
間違った判断に固執するリーダー
そしてリーダーでないものも様々です
リーダーシップを取れないのに批判だけをするもの
リーダーに従うけれど盲目的に多数の側に従うもの
自分の力が発揮できるときは率先して力になろうとするもの
人間社会の縮図が示されます
ポセイドン号の目的地は原作ではどうか分かりませんが本作ではイスラエルのようです
劇中では老夫婦がイスラエルに着いたら孫に会えると話し、老いた夫はモーゼが十戒を神から授けられた山のパッケージツアーに参加したいと言います
主人公の牧師は約束の地へ向かうモーゼのように、彼を信じるメンバーを率い、転覆し沈もうする客船の内部をさ迷います
神は様々な試練を与えそれでもなお神を信じた者だけを約束の地に辿り着かせるのです
そして約束の地の目前についても、先住民が住んでおり、神が約束したからと言っても、その地は戦って勝ち取るほかないのです
神を信じて戦った者にのみ与えられるのです
このアナロジーが物語の骨格にあるからこそ、凡百のパニック映画にはない深みと味わいがあるのだと思います
それが本作の成功後に雨後の筍のように粗製乱造されたパニック映画にないポイントなのです
アーウィン・アレン自身の次回作である、あの成功したタワーリングインフェルノにも、発生した恐るべき困難に対して人はどう立ち向かうべきであるのかというテーマ性は見られ無いのです
如何に本作のテーマと脚本が優れているかが分かります
ポジティブであれ
自らの中の神を信じてベストを尽くせ
生きる力が湧いてくる映画です
劇中、大宴会場の年越しパーティーの準備中に生バンドのリハーサルで歌われるのが大ヒットした主題歌モーニングアフターです
劇中歌っているのは女優さんですから吹き替えだと思われます
衝撃作!
アメリカ的「神は死んだ」
「とにかく頼れるのは、自分の意志と行動力!」って、「アメリカ イズ No.1!」と言っていた頃の、かつ、今アメリカがこうでありたいという基本的な発想のアメリカイムズを明確に表現している。
「えっ!?こうくるの?」という展開。
もちろん、脱出劇だけあって、一難去ってまた一難。その展開には手に汗握るけれど、まあ、最後には助かるんだよねとどこか楽観視していた安心感を吹き飛ばす展開にびっくり。
その意思を引き継ぐのは当然あの人だろうが、その言葉に重い腰をあげるかってところもツボ。
ツッコミどころはたくさんある。
船の乗組員の意見をことごとく否定するその神父の考えの根拠は?神父が、神父になる前、軍艦に乗ってたとかのエピソードがあれば納得するが、そんなものはない。ただ、教義とか先輩の教えに従わずに自分を貫いて左遷されたエピソードがあるだけ。不安をあおる演出?
他にも、他にも、あれやこれや…。
とはいえ、映画にくぎ付けになる演出も多数。
転覆した船の全容を見せないところが、かえって、その選択は正しいのかと、常にハラハラさせる。
女性が足手まとい気味に描かれている、努力していない人が助かるとかいう人もいたけれど、苦手なことをあんな場で克服するのってどんだけ勇気がいると思っているのだろう?その様子に手を差し伸べる男の姿にも、惚れこんでしまう。
こちらに迫ってくる津波も迫力満点。飲み込まれるかと思った。
他にも、逆さになった理容室とかトイレ。緊迫した中の(笑)。
また、映画は、天と地がひっくり返った構造で、かつ、助かるために船底を目指すというパラドックスがよく評論で語られる。
加えて、豪華客船に、お金と暇を持て余した富裕層だけでなく、時代的に飛行機より安いのだろうが、現場を走り回る刑事と元娼婦のカップル。しかもこのカップルは、大みそかのカウントダウンという一大イベントの時に、船長のテーブルに招待されているというところにも、アメリカの下剋上的発想が盛り込まれてて面白い。しかも演じているのが、貴族の血を引くボーグナン氏!
危難を避けてどこに逃げるか、誘導するか。
大川小学校の例のごとく、東日本大震災等の危難を経験した人なら、気安く語れるものではない。どの人にも他人事ではないのではなかろうか。
パニック映画の古典にして色あせない名作。
脱出劇としての面白さは言うまでもない。
でも、それだけではなく、
ロゴの、妻とのエピソードの時の表情が実に味わい深い。
そして、上記に「神は死んだ」と書いたが、
もう一人の神父の生きざまが心から離れない。
自分の心に従って、弱きものの傍にあり続けたあの神父。私にそんなことができるだろうか。
外にいる神は死んだのだろう。
でも、一人一人の内なる神について考えてしまう。
だから、私にとっていつまでも心に残る映画となった。
サバイバルパニック映画の最高峰!
「ポセイドン・アドベンチャー」字幕版 PSvitaで鑑賞。
*概要*
豪華客船が航海の途中、大晦日を祝うため多くの客が乗り合わせていた時に巨大な津波が押し寄せ船は転覆。パニック状態に陥った乗客の中で、たまたま乗り合わせていた乗客たちが決死の脱出を試みる。
*主演*
ジーン・ハックマン
*感想*
急にポセイドン・アドベンチャーが観たくなったので鑑賞。数年前にDVDで観た記憶はありますがほぼ忘れましたww
公開された当時は僕自身、産まれてないので、今見ると、凄い撮り方だなぁ~って思いました。特にポセイドン号が転覆するシーン。乗り合わせた乗客たちはパニック状態。画面が傾いて、乗客たちが悲鳴を上げながら右上から下へ落下したり、上から下へと落下したり、カメラワークが斬新。船内に大量の水が入ってくるシーンは迫力満点!古い映画ですが、20代の僕でも興奮しました!
あと、話の流れが良かった!最初はテンポが悪いなーって思ってたんですが、乗客一人一人の視点からの話があって、それぞれの人間模様が描かれていました。牧師、老夫婦、姉弟、頑固な警部補、元娼婦、船員のボーイ、歌手など…まさに群像劇!個人的にスーザンが可愛かった。(^^)
牧師と警部補は何度も喧嘩したりするんですが、仲間と一緒に力を合わせて豪華客船から脱出を試みます。途中、思わずグッとくるシーンや、何度も生死を分ける選択肢に迫られます。爆発、大量の水、障害物が恐ろしかったな…
総じて、めちゃめちゃ面白かったです!迫力満点だったし、もう一回見たいです!\(^^)/
●その選択が生死を分ける。
セウォル号沈没事件を思い出した。「部屋で待機を」って言われて、いうこと聞いた多くの人たちがそのまま海に沈んでった。
考えさせられた。それぞれが勝手な行動したら収拾つかないし、かといって指示待ちでいるにはリスクが高すぎる。でも、何もしないと死んじゃう可能性もあるわけなので、やっぱり行動しないと何も始まらないなあと。行動した上で納得いく説明があるなら従おうとかシミュレーションしたりして。
この映画でも、誰を信じるかが生死を分けた。牧師に委ねるのは勇気がいるけれど、まずは動こうってのは正しい。有事には大人も子供も男も女もない。もちろん身分も。冷静に、助かる角度を最大限に最短距離で上げるだけだ。右に行くか左に行くか。究極の選択だ。
でも実は有事に限らず、人生は選択の連続だ。しっかり自分で考えて行動することが大事である。
豪華客船の迫力‼️
パニック・脱出もの映画の優秀な元祖
総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 80
音楽: 70
それぞれの人々は、会ったばかりのただの一般人。誰一人としてサバイバルの専門家などいない。混乱して恐怖にすくみ意見が対立する中でも、人の都合など待つことなく水の浸水は続いて爆発が起き、次々と危機が訪れる。果たして何が正しいのか、どのような決断をすればよいのか。その場面場面で何が正しいかを冷静に分析して決断をするという運命の分岐路が深刻な意味を持ち、この映画の緊迫感を盛り上げる。
それぞれの登場人物が年齢も性別も正確もばらばらで、彼らが次々におとずれる危機に示す反応が個性を発揮して人間劇となっているのも見所。特にジーン・ハックマン演じたスコット牧師の、非常事態における有無を言わせぬ強引なまでの指導力と決断力は最も魅力がある。この状況で当たり前のことをやっていては生き残りは困難だろう。
地震のせいで津波が起きても通常は沿岸に近づくまではそれほど大きな波にはならないのではないかとか、転覆前には大荒れだった海なのに、そんなに簡単に転覆した船の船体にとりついてバーナーで船底を焼ききれる作業が出来るのかとか、穴を開けたら救出前に船体から空気が噴出して一気に浸水が進むんじゃないかとか、疑問点もある。いつ沈むかわからない転覆した船の上にヘリコプターが堂々と着陸するなんてのも考えられない。だが全体として緊迫感を盛り上げるものとしての物語は良く出来ており、また錆や汚れまでもが再現された船内のセットも現実感を煽っていた。
全37件中、21~37件目を表示