劇場公開日 1973年3月17日

「パニック・脱出もの映画の優秀な元祖」ポセイドン・アドベンチャー(1972) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0パニック・脱出もの映画の優秀な元祖

2013年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

総合:80点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 80
音楽: 70

 それぞれの人々は、会ったばかりのただの一般人。誰一人としてサバイバルの専門家などいない。混乱して恐怖にすくみ意見が対立する中でも、人の都合など待つことなく水の浸水は続いて爆発が起き、次々と危機が訪れる。果たして何が正しいのか、どのような決断をすればよいのか。その場面場面で何が正しいかを冷静に分析して決断をするという運命の分岐路が深刻な意味を持ち、この映画の緊迫感を盛り上げる。
 それぞれの登場人物が年齢も性別も正確もばらばらで、彼らが次々におとずれる危機に示す反応が個性を発揮して人間劇となっているのも見所。特にジーン・ハックマン演じたスコット牧師の、非常事態における有無を言わせぬ強引なまでの指導力と決断力は最も魅力がある。この状況で当たり前のことをやっていては生き残りは困難だろう。

 地震のせいで津波が起きても通常は沿岸に近づくまではそれほど大きな波にはならないのではないかとか、転覆前には大荒れだった海なのに、そんなに簡単に転覆した船の船体にとりついてバーナーで船底を焼ききれる作業が出来るのかとか、穴を開けたら救出前に船体から空気が噴出して一気に浸水が進むんじゃないかとか、疑問点もある。いつ沈むかわからない転覆した船の上にヘリコプターが堂々と着陸するなんてのも考えられない。だが全体として緊迫感を盛り上げるものとしての物語は良く出来ており、また錆や汚れまでもが再現された船内のセットも現実感を煽っていた。

コメントする
Cape God