ボクサー(1997)のレビュー・感想・評価
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テロと言うよりも独立闘争だろうが。
『アイルランドをアイルランド人に返せ』って歌ったミュージシャンがいる。邦題は
『アイルランドに平和を』である。
言わずもがな!ポール・マッカートニーさんがWINGS時代に作った曲である。
ポール・マッカートニーさんはイングランド人だけれども、アイルランドの血をひく。
IRAとはアイルランド共和国軍の事で、宗教戦争と言うよりも、独立戦争に近い。若しくは、IRAも一枚岩ではないので、内戦と言って良いと思う。
今の争い事の元祖見たいな争い事。ナショナリズムと宗教に火を付け、いつまた再燃するとも限らない。
『人殺しは嫌いだが、この街では人を殺したくなる』そしてその後
『ここは俺の街だ。追い出されてたまるか』と結ぶ。
ボクシングをダニーが止めた理由は、興行と言うものに嫌気が差したと思われる。
ノーベル平和賞はノーベル賞の中でも一番平和なレースだと思って良いだろう♥
まさか、50年目にして、同じ理由で我が国が受賞するとは思っていなかった。
と言うよりも、やはり、お隣さんに文芸部門で追いつかれたなぁって思っている。やはり、ドライブ・マイ・カーは日本の国内だけにしとけば良かったのだ。とつくづく思う。
まぁ、兎も角、核兵器廃絶だけではなく、是非、核システム廃絶に延ばしてもらいたい。ドイツとか北欧諸国ではそう言った動きになっている。勿論、全部北大西洋条約機構にリスクのしわ寄せが来るのだが。そうしないと核兵器を廃絶しても施設に無人のドローンが針の様な鉾先を向けて無人特攻隊してくる可能性だってあるわけだから。勿論、少量の爆弾だってカタストロフィは訪れるだろう。
全く甘っちょろくない話
ダニエル・デイ=ルイス演じるダニーがボクサーであるのが楽しみで見始めた。シャドーボクシングも縄飛びもミット打ちも堂にいってかっこよかった(スタンドダブルかも知れなくても)。でもそんなこともラブストーリーも吹っ飛ぶほどの話だった。全く甘くない。IRAが絡む北アイルランド、ベルファストの映画にはいつも沢山の可愛い子ども達、男の子達が出てきてとても辛い。
ダニーは14年間刑務所にいたがそれはベルファストの一方のボス、ハリーの身代わりだ。決して口を割らず模範囚でありボクシングの練習もしていた。32歳で出所で刑期14年ということは18歳で捕まった。罪をなすりつけられたろうこと十分に納得できる年齢だ。ベルファストの抗争で死んだ男は10代前半から20代前半という若さに言葉を失う。エンドロールで流れる歌の歌詞「お母さん、お父さん、息子・・・」が胸に響いた。
14年間、親しかった大好きな人達の声を思い出し頭の中で会話していたがそれがだんだん消えてしまう。すると自分の声も雑音になり最後は沈黙だけが支えとなり心で話していた、例えば恋人だったマギーと。出所後、ボクシングの試合で肉体を打たれて初めて身体の感覚を取り戻した。そしてマギーそのものを求める気持ちが体と心に蘇った。このくだりを語るダニエル・デイ=ルイスの言葉が素晴らしかった。
悪いことをしていないのに逃げるのは嫌だ。ここは生まれ育った自分の街だ。ハリーと対立関係にある権力者の父親ジョー(かっこよかった)の娘のマギーも辛かった。北アイルランド問題はプロテスタントとカトリックの対立もあるだろうが、そもそも英国が諸悪の根源ではないか?
おまけ
ボクサー=マッチョではない!それを体現したダニエルが素敵だった🥊
リアムは反省の色が薄い
建物を一軒、焼失させておきながら周りの大人の対応が甘い。
テロによって街が混乱している状況ではあるがリアム君、逮捕デショ!?
恋愛なのかIRAのテロを描きたいのかボクシングの場面もイマイチ迫力に欠けて微妙。
アイルランドの勉強になった
以前よりIRAという組織があって、イギリス国内でテロ行為を行っていて、ロックミュージックなどを通して薄ぼんやりとした知識はあったものの、さっぱり分からなかった。この映画では若者がテロ行為を行って、投獄され、住民同士が対立したり非常に暗い影を落としている様子が描かれていた。地域を移動する際にゲートで軍人にみたいな人らにチェックされないといけなくて大変そうだった。プロテスタントとカトリックが殺し合いをするほど仲悪かった。
政治犯だからなのか、服役して出所してから特に懲役が差別の対象になるような感じはなかった。
行き過ぎた活動家に仲間も困っているところが面白かった。熟女との恋愛場面などダラダラして眠くなるところはあった。ボクシングの場面は迫力があった。
それにしても安心して暮らせない地域はつらい。日本も沖縄が独立を考えているといったことが話題となっていたが、こんなふうにならないで欲しい。
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