ホーリー・マウンテンのレビュー・感想・評価
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とにかく映像に圧倒されていく
噂に聞いていたホドロフスキー監督。
初めて観ました。
まずは映画が始まり、とにかく映像に圧倒されました。
展開もはやいので、目が回りそうだけど、カラフルで美しい。
しかし何かメッセージ性も感じ取りつつ、私の勉強不足により少々混乱。
終盤にかけて言いたいこと、やりたい事が少しずつわかってくる。
独特な世界観で目が離せなくて、久々にワクワクしました。
70年代のファッションや雰囲気も好きなので、それにも心躍らせるながら、宗教的な要素や人間についてや反戦などのメッセージ性を感じました。
最後の最後のオチには思わず「えぇっ!?」と発してしまった。
それにしても私の勉強不足なところやこうして言葉にしていく力不足なところがとてもウズウズする。
これからこの作品について調べて行くことにする。
とても好きな作品でした。
何か、たまに観たくなる。
虐殺のシーンを血糊の水を浴びせることで表現してしまうのが、天才すぎるんですよ。
そして、あのラスト、素晴らしい。
これは、現実なのか、いや、これは映画だ!
と言ってしまうんだけど、映画が描いていることそのものと関わってくるから、すごいよね。イメージの置換え、抽象化、寓話的シーン、創造性という、何と言ったらいいのかな、表現力が凄いよね、ホドロフスキー。
こんな えいか゛に まし゛に なっちゃって と゛うするの 完
不死を求める錬金術師と彼の元に集った9人の男女が、聖なる山を目指すというサイケデリック・ムービー。
監督/脚本/音楽は『エル・トポ』のアレハンドロ・ホドロフスキー。
また、皆を導く役目を果たす錬金術師の役を自ら演じている。
ホドロフスキー映画、初体験!!❤️
本作を観て、何故未だにホドロフスキーがカルト的な人気を誇っているのか、なんとなく分かった。
こんなに狂っている映画、初めて観たよっ💦
1973年といえばベトナム戦争の真っ只中であり、それに反発するかの様にヒッピー・ムーブメントが隆盛を極めていた。
本作もそうしたムーブの影響をビンビンに受けた一作。むしろ、ホドロフスキーがこうしたブームを盛り上げていた、という側面もあるのだと思う。
とはいえ、本作はヒッピーを全肯定!という感じの作品ではなく、彼らの行為を退廃的であると諭している感じが見受けられる。
本作の前半の舞台である退廃した街。ここではベトナム戦争に代表される、愛国精神を隠れ蓑に行われる暴力行為への批判が描かれているが、同時にフリー・セックスなどのヒッピー文化を茶化している。この姿勢は後半に彼らがたどり着くパンテオン・バーという酒場でより顕著に描かれる。
さらにこの映画で目に付くのはキリスト教への猜疑心。主人公である盗賊は明らかにキリストをモチーフにした人物。
彼がソドムとゴモラをモデルにしていると思われる、退廃した街にたどり着くところから映画はスタートする。
キリストですら欲に打ち勝つことは出来ない。であれば、人間は言わずもがなである。
貧しい人たちのためにその身をパンに変えても、人々はそれを奪い合う。
従来のキリスト教の教義では、世界から争いは無くならず、人々が救われることはない、ということをかなり直接的な表現で描いている。
救いは教義に従うのではなく、禅やヨガによる瞑想により、内なるものを制することでもたらされるという描写は、如何にも60〜70年代的な東洋思想の流行。しかし、その普遍性は現代にも通じるものがある、と思う。
クライマックスの展開は強烈。
これ、映画だから!現実じゃないから!あんたらもこのホーリー・マウンテンを降りて現実を生きろ!
…なんか『たけしの挑戦状』のあの迷言を思い出しました。
強烈なビジュアルが脳味噌にこびりつく。グロテスクでバイオレンスでエロチック。どんだけモザイク出てくるんだよ!
ラブ・マシーンとか何食ったら思いつくんだあんなもん
💦
このビジュアルこそが本作の最大の魅力。一度観たら忘れられない映像は、観るものを魅惑の境地へと誘うことでしょう。
その反面、物語は退屈🥱
というか、あって無い様なもの。1時間くらいで限界を迎えて、とりあえず仮眠をとりました😪💤
はっきり言ってつまらないです、コレ。
ホーリー・マウンテンに登り始めるの、最後の30分くらいだから、もうお話のバランスは無茶苦茶。もちろん、それが味というか長所ではあるんだけど。
カルト的人気があるのは分かるが、自分にはついていけなかった…😅
クライマックスでの第四の壁が崩壊する展開は傑作だと思うので、そこまで頑張ればそこそこ満足感があるが、それまでの道程は長い。まさにホーリー・マウンテンを登るが如く。
好きな人が楽しめればよいが、その間口は狭い。人にオススメするとヤバいやつだと思われることは必定です。
シリアスだけど真性バカ映画
『エル・トポ』はかなり痛々しい作品でしたが、本作はホドロフスキー師匠独特のイカれたセンスが爆発しており、かなり振り切れたバカ映画でした。
(なんと言ってもこのポスター!ヤバい、目がヤバい!)
もちろん、その背後には人間が持っている欺瞞へのシニカルな視線等がありますが、はっきり言って印象に残るのはバカシーンばかりです。
そもそもキリストが(名前不明なのでキリストでいいでしょ)超ハイアーな塔を登っていって、その最深部に素っ裸で進んでいくという画ヅラだけで面白すぎ。登場する錬金術師に扮した師匠の髪型がマヌケすぎて面白いし、例のウ☆コを黄金にするシーンも含蓄があるけどバカが優っているように感じます。キリスト汗かきすぎだろ!隣のヘンな黒人女性もジワる。ちゃんとチェロ弾けよ、適当だな!
そこから延々と9人の解説に入るのもデタラメで最高です。欲望に固執する人間の愚かさを描いているとは思いますが、ディテールが面白すぎて、テーマとか正直どうでもよくなってしまう。
中でもラブマシーンはバカすぎて爆笑ですよ!なにアレ。感じると風船がフワァ〜って、アタマ悪すぎる!でも一番バカなのは大統領の財務長官(?)ですかね。一緒にいるババァが意味不明すぎ!
またこの紹介の尺が長いんだ。結構ダレるんだけど、それすらバカっぽくて笑ってしまう。
後半はついにホーリーマウンテンに向かうのですが、正直パワーダウンは否めないですかね。とはいえ水平移動のバカが現れたり、力尽きかけるがオナニーで復活、みたいな屈指のバカシーンがあり、油断はできません。
こんな風にバカっぽく語ってますが、本質的にはとてもシリアスな作品だと思っています。本作の背後にも拭いきれない虚無感があり、欲望を満たそうとすればするほど無意味であることをあの衝撃のエンディングで伝えていると思います。
しかし、師匠が求めていたのは本質的な癒しであります。しかし、『エル・トポ』や本作ではその核心には至れていません。
『エル・トポ』では自らの痛みを表現することで癒しの効果を得られたとは思いますが、第一歩という印象です。本作では無意識や神秘主義に目を向け、深い世界へアクセスしようとしてますが、スムーズにいかずもがいている印象も受けます。無意味さの自覚には至れたものの、意味獲得には至れず、といったところでしょうか。
しかし、終盤に唯一『エンドレス・ポエトリー』に通じる展開がありました。師匠演ずる錬金術師が、キリストと彼を追いかけてきた女性(とその伴奏者であるチンパンジー)に対して下山するよう促します。この場面には愛の肯定がハッキリと描かれています。
このように、本作もホドロフスキー師匠の内面が伝わる作品でした。まだセラピーはうまくいってませんが、『エル・トポ』よりは進んだ印象。
そんな風に真面目に語れる側面もありますが、まーなによりバカセンスがスゴすぎる。師匠の変態エログロナンセンスは、師匠の精神の安定や成熟とは無関係に、ずーっと、ずーっと、ずーっと不変に存在してるのですねぇ。やはり、師匠尊敬します!
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