「異国情緒にワルの魅力タップリだったのに、腹切りして死を選ぶジャン・ギャバンにビックリガックリ」望郷(1937) Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0異国情緒にワルの魅力タップリだったのに、腹切りして死を選ぶジャン・ギャバンにビックリガックリ

2021年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

フランス領アルジェリアの中心都市が舞台。密集した家屋から街ができており、屋根伝いに移動が可能。それを利用して警察から楽々逃れる犯罪者の親玉ジャンギャバンが、街全体の無国籍性や猥雑さも相まって実に魅力的。

高価そうな衣装を身にまとい、宝石をジャラジャラ見せびらかヒロインも魅力的。何より、パリで華やかだった昔のレコード音を伴奏に、場末で歌う中年オバさん、フレエルの姿に痺れてしまった。この女優さん本当に昔可憐な売れっ子歌手だったとのこと。
また、ジャンギャバンに無下にされてもひたすら愛する情婦役の女優、リーヌ・ノロさんも愛おしい。

ラストシーンで、主人公がヒロインの姿を確認し、呼んだ声が汽笛でかき消されてしまうのが、何ともお洒落。ただ、最後に彼が隠し持っていたナイフで腹を切って死んでしまうのは唐突で、驚かされると共に、女々しく感じてしまった。

Kazu Ann
マサシさんのコメント
2023年6月2日

『女々しい』は不味いと思いますが、実に格好悪いですね。40年ぶりで鑑賞して、最後まで見て、がっかりしました。汽笛だけで終わらせてれば、傑作だったかもしれませんが。残念です。

マサシ