「思いの外良かった」ベン・ハー(1926) ぽぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5思いの外良かった

2025年1月10日
PCから投稿

「サイレント映画だし2025年の人間が観てもな~。ま、宗教と歴史の勉強になるから観てみるか」と期待せずに鑑賞。

うわ、ちゃんとおもしろい!
サイレントを馬鹿にしていて本当にすみませんでした。自分が無知で恥ずかしい…!

セリフが限られている分、観客が状況理解できるよう、俳優の動きや演出など“画で見せる”ことのレベルが非常に高くて驚いた(ベン・ハーがガレー船から覗く同胞のユダヤ人奴隷を苦渋の決断で見捨てるシーンetc.)。完全なカラーではなく限定的に色を付けることにより、かえって人物の感情や情景が際立たせることにも成功している(マリアを見た時の赤子を抱く女のシーンetc.)。
状況説明のセリフがダラダラ長い現代の作品の方が、むしろ劣っているかもしれない。昔の人のアイデアや工夫に脱帽した。

またガレー船のシーンは必見。当時のガレー船ってこういう構造だったんだ!そして漕ぎ手は奴隷たちが従事していたんだなあ…と勉強になった。
あと「聖衣」と同じくキリストは体の一部が出てくるだけで顔は映さないようにしているのだが、これは偶像崇拝禁止の故だろうか?

しかし気になったのは、やはりユダヤ人視点のみで描かれているところ。そういう作品だから仕方ないのだが…。ニュートラルでない点はどうしても気になる。宗教とは難しい…。

ぽぽ
Moiさんのコメント
2025年7月5日

60年代を過ぎると、有名なところでは「キング・オブ・キングス」のジェフリー・ハンターや「偉大な生涯の物語」のマックス・フォン・シドーがイエス・キリスト役を演じて以後続々と様々な俳優達が作品でイエス・キリストを演じてきました。しかしイエス・キリストの顔がスクリーンに登場した事でキリストのイメージが映画を観た人達に固定概念化されたという弊害を生んだ事は事実で米国映画業界では有名な話です。

Moi
Moiさんのコメント
2025年7月5日

1950年代頃までのイエス・キリストが登場する映画は全て遠景、身体の一部や後姿のカットや場面展開になっています。これは偶像崇拝禁止等というような規制の話ではなく、キリスト教の教義が全人類に対しての救済を掲げている為、様々な人種の人間ひとりひとりがイメージするキリストの姿は百人百様であるという事を尊重しての制作者サイドの配慮であったのです。

Moi
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