辺境の掠奪者
劇場公開日:1957年5月1日
解説
レスリー・T・ホワイトの原作を「サンチャゴ」のガイ・トロスパーが脚色、「タイコンテロガの砦」のウィリアム・キャッスルが監督した、牧場を背景とした西部劇。撮影は「硝煙」のウィリアム・スナイダー、音楽は「最初のテキサス人」のロイ・ウェッブ。南米音楽NO1のザヴィエル・クガートが、本映画中で歌う妻のアッベ・レーンの歌曲の作詞、作曲、演奏をしている。主演は「八月十五夜の茶屋」のグレン・フォード、「総攻撃」のフランク・ラヴジョイ、「裸の天使」のシーザー・ロメロ、「叛逆者の群れ」のウルスラ・シース。
1955年製作/アメリカ
原題または英題:The Americano
配給:RKOラジオ
劇場公開日:1957年5月1日
ストーリー
テキサスで大牧場の経営を夢みる牧童のサム・デント(グレン・フォード)は手持ちの牛を売って資金を稼ごうと考えた。ブラジル奥地の牧場主バルボサが高値で買うというのでデント兄弟は金と引換えの地、南米ボア・ヴィスタへ牛を連れて出かけた。ところが、そこで2人は私立探偵と称するマノエルからバルボサが殺されたと聞かされる。だがバルボサの牧童頭ベントが牛を買うだろうというのでサムはベンと牧場へ向かったが、途中、一団の牧童に牛を奪われそうになった。サムは首謀者を捕まえたが相手は意外にも女であった。ベンと牧場の隣に小牧場をもつマリアナ(ウルスラ・シース)で、不法侵入だから牛を没収するという。理由を話して牛を返してもらったサムは漸くベント牧場へ着いた。礼儀正しいベントにサムは信頼できる人だと覚った。バルボサの殺されたことを話すと、ベントは山賊オガトの仕業だという。なおも話を聞くうちにサムは、マノエルこそオガトだと知った。ベントは牛を買上げたうえサムに牧場で働くようにと誘った。しかしサムは金を受け取り牧場を出た。ところが密林中で護衛の男が殺され、金を盗まれたのでサムは止むなく牧場へ戻り働くことにした。ベントは山賊の仕業だと極めつけたが折も折、牛が1頭盗まれた。牧童頭が容疑者を捕まえて殺したが、それはマリアナの牧童頭テュバであった。ある日、サムは密林で山賊に捕まり、連行されたところはマノエルの小屋であった。マノエルの側には意外にもベントの家政婦テレサがいた。彼女は愛人のテュバが殺されたのでマノエル側に寝返ったのだが、実はベントがバルボサ殺害の犯人で、サムの金を盗ませたのも彼の資金だと告げた。来合せたマリアナもベントこそ牧場地帯を狙う野心家だと痛罵した。密林の小夜で一夜を過ごすうちサムとマリアナの間に温い感情が流れた。がサムは一方でベントへの疑惑が生まれるのを押え切れなかった。牧場へ戻ったサムをベントは喜んで迎え、この沃野の大牧場を建設するのが自分の目的だと希望を語った。だが沃野に侵入する農民は何人でも追払うと異常な言葉で語りつぐベントに、サムは恐怖をおぼえた。ベントはマリアナの牧場を併呑しようと目論んでいるのだ。そしてベントは部下に命じ農民小屋を焼かせ始めた。サムが抗議するとベントは、25000ドルを渡し国外退去を命じた。サムは一たん牧場を出たが、マリアナの牧場を救おうと、再び牧場に潜入、ベントの部下を捕まえ、ベントの悪事を白状させた。サムは警官を案内して彼を逮捕に出かけた。半狂乱で抵抗するベントをサムは遂に射殺した。暴力は一掃され、サムはマリアナとの再会を誓ってテキサスへと出発した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・キャッスル
- 脚色
- ガイ・トロスパー
- 原作
- レスリー・T・ホワイト
- 製作
- Robert Stillman
- 撮影
- ウィリアム・スナイダー
- 音楽
- ロイ・ウェッブ
- ザビエル・クーガ