「この時期にこうした古い映画のリバイバルを見られることに意味があると思う」ヘル・レイザー yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
この時期にこうした古い映画のリバイバルを見られることに意味があると思う
今年412本目(合計1,062本目/今月(2023年12月度)13本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
まずちょっと触れておきたいのが、本映画はもともと復刻上映の扱いで「4Kリマスター版」という扱いですが、扱っている映画館がミニシアターばかりで、ミニシアターに4K技術が導入されている映画館が皆無であるため「当館は2K上映です」という扱いになっている点はちょっと残念に思いました。とはいえ、2Kと4Kで見たからといって映画体験が極端に異なるわけではないし、この点は「ミニシアターと大きな映画館の技術などの格差」といった個々人にはどうしようもない(この点はミニシアターの運営側も重々承知のはず)部分もあるので、ここは減点なしの扱いです。
一応PG12の扱いで、描写も「前半を中心に」ちょっと厳しいかなと思える表現が多いです(アダルト的な言動はほぼ見られない。あって数か所程度だったか)。後半は一般的な今でもあるホラー映画とあまりかわらず、「1980年代のホラー映画はこうだったのか」という気づきを与えてくれる映画で、現在(2023年)においては技術の発達とともに「どうでもいい描写」をあれこれいれがちなホラー映画の中で、「当時はそもそも入れようがなかった」わけであり、その意味で「シンプルな映画」という感想となり(よって、ストーリーというストーリーは観念できるが、ホラー映画のジャンルに寄せたためにストーリーはほぼ一本道であれこれ書くとネタバレどころか著作権上問題になってしまいかねない)、映画の鑑賞自体もおすすめですが、「1980年代の映画はこんなものだったのか」ということ以上に、特に2022~2023年(あるいは2024年も?)において、日本の映画館でホラー映画を見たいなと思った場合、どうしても「ホラー映画」というジャンルの特殊性上作者が少なく、その結果「かなりの問題作」が出てくる(まぁ、作品名は伏せますが…。2022、2023年だけでも複数あります)現在だからこそ、こうした「シンプルなホラー映画」を見る価値はそこにあるのではないかな、と思います。
なお、全般を通じて英語で、かなりゆっくりめのセリフで英検2級程度あれば聞き取りもできるので、映画を通じて英語を学習したいという方にもおすすめです。
採点上特に気になる点はないので(4Kリマスターが実質2Kにしかなっていないのは、日本の映画館のミニシアターの立ち位置の問題に過ぎない)、フルスコアにしています。