「物語の冒頭には1999年の、人生に絶望しきった40代の主人公が登場...」ペパーミント・キャンディー motuniさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の冒頭には1999年の、人生に絶望しきった40代の主人公が登場...
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物語の冒頭には1999年の、人生に絶望しきった40代の主人公が登場する。
「俺はなぜこうなったんだ、俺はもどりたい!」
「俺の人生を台無しにしたやつを、誰か1人道連れにしてやりたい。でもその1人を選ぶのが難しい。」
そんな発言のあと、1995年、1987年、1984年、1980年…とどんどん年代をさかのぼって彼の人生が描かれてていく。
おそらくそこがミソなのだろうけど、なかなか「俺の人生を台無しにした」人物はあらわれない。
それどころか、さかのぼってもさかのぼってもどこか主人公には卑屈さや投げやりさが感じられて、共感するのが難しい。
最後の最後に、彼に先々までつづく傷を負わせた瞬間が出てくるが…。
先に「バーニング」を鑑賞してからこちらを観たけれど、いずれも時代の空気感を重んじているのだなと思った。登場人物の個人の罪や、孤独というよりも、もっと逃れがたい、今の時代が生んだ罪やさみしさというか。
重い後味が残ったけど、先々も思い出しそうな映画だと思う。
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