ペーパー・ムーンのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
キュンとくる作品。シンプルだけど面白い。小銭を稼ぐ程度のオシゴト迄は気楽に眺めていられたが、酒の密売人を相手にする辺りから雲行きが怪しくなる。絶対失敗すると思って観ていたら案の定失敗してハラハラ・ドキドキ。
ラストの画面向こうにトラックで走り去っていく二人、まだまだ二人の信頼関係も不十分で危なっかしいけれど、映画よりも更に素晴らしい旅になって欲しい。
モノクロ作品なのに夜のシーンは時々カラー作品かと錯覚してしまう時があった。
少し前に観たマッチスティック・メンと設定が似ていてオマージュされている作品だなと思った。
値千金のラスト
普通だったら、おばの家にテータム・オニールを届けて終わりというところだろうし、だれもそう思っていたと思う。しかし、この映画は観客が喜ぶような展開になった。そもそも映画はフィクションなのだから、現実的でなくてもよいはず。だったら、不治の病が治ってもよい、事故で主人公だけ助かってもよい、人が空を飛んでもよいはず。
広大な大地を進んでいく二人は、まるでチャップリンの「モダン・タイムス」のラスト、希望も持って歩き出そうとする二人のシーンのようだ。
ウィキで調べたら最年少助演女優賞を得ていて 未だにその記録は破られ...
ウィキで調べたら最年少助演女優賞を得ていて
未だにその記録は破られていないらしい
それぐらいにテイタム・オニールの少女アディの演技はいい
主演のライアン・オニールの実の娘らしい
それ故かコンビネーションのいい演技も見せる
亡くなった女性と付き合ってた男が女性の娘アディを
親戚の元に送り届ける約束をするのだが
この男モーゼは詐欺師でありユスリでお金を稼いでいるのをアディにバレてしまう
アディは自分をネタにユスってたのを理解し自分のお金として請求する
その事から道すがら詐欺して稼ぐ珍道中が始まる
聖書を売りつけたり、両替でお金をごまかしたり
大人以上に頭の切れるアディはいつの間にかチームになり
欠かせない存在になっていく
そんな中モーゼは大人の女に夢中になり貢ぎ出すが
アディは知略でこの女を追い払う
金がなくなってきた所に密造酒の隠し所を知り
盗んだ密造酒を本人に売りつけるという危ないヤマを踏むが
密造してた者の兄が保安官で逮捕されてしまう
ここでもアディの機転で脱走して
車を変え州を越えるのだが
逮捕されない代わりにモーゼはヤキを入れられ金を取られてしまう
その後やっと親戚の元に送り届けられるアディ
自分の本当の父親じゃないの?と問いかけるアディに
モーゼは違うと語り去って行く
親戚のうちは裕福そうだがアディの気持ちは打ち解けない
路肩に止めてアディの置いていった写真を見つめるモーゼ
バックミラーに親戚の家から逃げ走ってくるアディの姿を見る
車を降りて迎えるとアディは言う
『まだ200ドルもらってない』
そこで車が坂道で動き出してしまい
慌てて二人は車に飛び乗り去って行く
遠ざかる車を見ながらエンドロールが始まる
白黒の映像が物語を引き立ててる感じがする作品
時代的に普通にカラーで撮れたけどあえて白黒が選択されたようだ
ろくでもない男でも一緒に居て精神的な繋がりができれば
親子のような関係になっていく
親子って血縁が重要ではなく
側にどれだけ入れるかが大きな要因だろうね
育ての親に影響されアディはろくな人間になりそうにないが
そんな事を考えさせるのもこの映画の目的なのかもね
とてもよかった
里親映画であると聞いて見てみたが、9歳の女の子が精神年齢18歳くらいで、親を求めている感じがしなかった。おじさんと対等に渡り合っていて頼もしい。おじさんは実のお父さんかもしれないのだが、詐欺師で、その日暮らしで変な女にはまって大変だった。女の子の方が大人っぽくすらある。
おじさんが、車を交換するときに素手ゴロをするのが面白かった。その際、敵の家族がめちゃくちゃ興奮していて、そういう文化があるのだろうか。
幸せの一つの形の提示
午前十時の映画祭のチラシの「ケチな詐欺師とおマセな女の子が織りなす笑いと涙のロード・ムービー」という紹介文と、当時女の子役のテイタム・オニールが史上最年少でアカデミー助演女優賞を受賞し、未だにその記録が破られていないというミニ情報を得て、映画館に鑑賞に行った。やはり信頼に足る情報は欠かせないものだと思った。期待以上に楽しめて、大いに感動した。終始ストーリーがどう展開するのかハラハラドキドキの連続だった。少女役のテイタム・オニールの演技は見事だった。詐欺師と少女は親子かもしれないという設定になっているが、詐欺師役のライアン・オニールと少女役のテイタム・オニールは実際に実の親子である。だからお互いがあれほどに息の合った演技が出来たのかもしれない。ストーリーは少女アディの目線を通して進む。初めは反目していたのに、少女アディは詐欺師のモーゼに実の父親像を重ねていたのか?それとも思春期特有の淡い初恋を寄せていたのか?自らは9才であるのに、モーゼの前で思いっきり背伸びをして大人の女性であるようにアピールしてみせ、モーゼの恋路を邪魔したりする。その姿は愛嬌があり滑稽でもあるが、一方で切なくもある。そんなアディに尻の軽いダンサーのセクシーなトリクシーは「骨格がしっかりして女性らしい体つきになるのは17歳からよ」と言い含めたりする。とにかくアディがモーゼを好きであることは間違いない。アディはその機転で旅中何度もモーゼの危機を救っている。ラストでは伯母の家で裕福で安定した生活を用意されるのに、アディは好きな人モーゼとの気ままで楽しい放浪生活の方を選ぶ。幸せの一つの形を我々は提示されて、映画は終わる。
子供の喫煙は2018年には受け入れがたい。
のっけから流れる主題歌「イッツオンリーアペーパームーン」が、わぁー聞いたことあるーってときめきまして、もうそれだけで千円元取れたって気持ちになりました。
アディのママは死んじゃって(はっきりわからないけど娼婦だったのかな?)、埋葬せんとするその時に男はやってくる。男はぬるーい詐欺師で、もしかしたらアディのパパかも。そんな2人のロードムービーです。
確たる起承転結のないお話です。
時代は禁酒法時代なので1920-30年代くらいでしょうか。
ストリップ小屋の流れのストリップガールとその付き人が途中で加わって4人旅になります。
ギャング?を騙してお金儲けたのに隣の州で見つかってお金すっからかんになってしまいましたってのが一応のオチかな。アディはピアノもある裕福そうなおばさんの家での暮らしより、モーゼとの旅をえらんだのでした。
アディは生意気で賢い八つの女の子で、男の子に間違えられたりして怒ったりします。お金の計算が得意です。基本ブーたれ顔だけどかわいいです。ラジオがお友だちでママの香水つけたりもするおしゃまさんでもありす。そして喫煙します…
子役が本当にタバコを吸ってるんですねー、いやーもうそれが、2018年には衝撃でした。
ショック強くてそのことの印象が全体の5割みたいになってしまいました。
白黒映画です。
女の子とダメ男のロードムービーにほっこり
親を亡くした女の子を詐欺師の男が親戚の元へ送り届ける。その道中を描いたロードムービー。
最初の頃の詐欺の手口は、故人から注文されたものだと言って男が聖書を売りつける。額も相場通りで、買わされた方も詐欺とは思わないささやかなものである。
しかし、女の子が詐欺に参加しはじめ、良かれと思って額を釣り上げたりする。詐欺は上手くいくが主人公はヒヤリとさせられる。しかし結果オーライだ。
旅は続き、詐欺の額も大きくなっていく。
この辺りから観ている方も不安になってくる。
結局は詐欺はバレ、主人公はお金も巻き上げられ、ボコボコにされ、一文無しになってしまう。
しかし何とか女の子を親戚の家に送り届ける。
女の子は幸せに暮らすかと思いきや、主人公の跡を追いかける。
怒る主人公だが、結局二人はまた一緒になるというラスト。
以下感想。
こういう女の子とダメ男が一緒に旅するみたいなストーリーはほっこりしますね。
フェリーニの「道」とか。
「レオン」「勇気ある追跡」「變臉 この櫂に手をそえて」「子連れ狼」なんかもそうかな?笑
こういうのはどんなパターンやっても大体ウケると思いますが、まあ中々に良い作品でした。
※女の子に詐欺をさせて不快という意見もわかりますが、そうでもしなきゃ生きていけない時代もあったという事で。今でも貧困国では子供が物乞いをしたり、隙きを見せれば日本人観光客からものを盗っていったりしますね。みんな生きるのに必死なんです。
泣かせようとしない人情物
パーフェクトワールドとか菊次郎の夏のような、擬似親子のロードムービー好きにはドンピシャな映画だった。こういう題材の映画って、子供が主演とか助演なのに子供向けじゃない場合が多いが、この映画は特にそんな印象。トリクシーの自嘲が切ないが、その弱みを知りつつも利用するアディの強かさよ。カメラ割りというものの重要さがよく分かる作品。アディの後ろ姿が、幼さの中に逞しさを感じさせる。ラストシーンの解釈は照れ隠しみたいに言われてるけど、本当にうんざりもしてると思う。
2人のキャラクターと関係がとてもいい。 終始次がどうなるんだろうと...
2人のキャラクターと関係がとてもいい。
終始次がどうなるんだろうとわくわくできて、ほっこり笑える。
いつの間にかかけがえのない絆が出来ていた2人にとても温まる。
あの父親の性格上、人への依存に慣れてないから、最後のシーンで、よくあるようなキザなセリフも出てこない。そこの所を見てるこちらの意図を読んだかのようにトラックが背中押す所がとてもにくい!
最高の一作。
演技で楽しむ作品
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:85点|演出:75点|ビジュアル:60点|音楽:55点 )
詐欺行為をして生活するペテン師と、親を亡くしてそのペテン師を何とか操り一緒にペテンを繰り返すませた9歳の子供の旅を描く。映像も音楽もその当時風に仕上げている。
話として9歳にしては子供が有能すぎるが、とにかくこの2人のペテンぶりのかけあいと演技が良い。この演技で楽しめる。本当に2人は親子なのだそうだ。それに途中で一緒になる旅芸人の女とその付き人もいい。詐欺をしても被害者らしい被害者も少ないからそう気分が悪いものでもない。
結末はちょっと不満。叔母さんはあんなに優しいのに、何も言わずに逃げてきたのだろうか。叔母さんが悪い人ならばすっきりするのだが。ペテン師と一緒に生活するこの子の行く末が心配だ。
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