劇場公開日 1974年3月9日

ペーパー・ムーンのレビュー・感想・評価

全56件中、21~40件目を表示

4.0父親だから一緒にいたいのではなく、あなただから一緒にいたい

2023年3月8日
Androidアプリから投稿

母親を交通事故で亡くした少女と詐欺師の男性の交流を描く。
モノクロだけど、余計な色彩が無い分、二人の会話や交流が鮮明に映る。

詐欺師の男性は少女の母親と一時期恋仲だったようで、
葬儀に花を手向けに来たところ、少女を遠方の親戚のところまで送る役目を押し付けられる。
さすがは詐欺師、そんな出来事も勝機とばかりにお金をだまし取る。
お金だけ取って、親戚のところへ少女を送り届けず、電車に1人乗せようとしたところ、
少女の方が一枚上手で、最初の約束通り、少女を車で送らないといけなくなった。

渋々と少女を連れながら、ついでにいつも通りの詐欺行為をしていたら、なんと彼女にも詐欺の才能が!
もちろん犯罪行為なんだけど、彼女なりの軸があることが物語を通して伝わってくるからそんなに嫌悪感ないかな。
男一人で詐欺をするよりも儲かるぞ!と二人で息ぴったりな詐欺行為の数々をこなしていくんだけど、なんか憎めない。

母親と恋仲にあったことから、「本当にお父さん?」と思う場面もあるけど、
血のつながりよりも心のつながりにフォーカスした描き方を徹底しているように感じた。
父親だから一緒にいたいのではなく、あなただから一緒にいたい、そんな言葉が聞こえたような気がした。

血のつながりも縁もゆかりもない大人と子供が疑似家族として絆を深めていく構成は
チャップリンの『キッド』を彷彿させる。キッドは1920年代、こちらは1970年代、
半世紀経っても、心の繋がりを拠り所とする人間関係が人々を魅了するのは変わらないようだ。

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スクラ

4.5アメリカ大恐慌時代の詐欺師の楽しい映画

2022年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今日は、『怒りの葡萄』を観てから、この映画『ペーパー・ムーン』を観た。
両方とも1930年代のアメリカ、大恐慌時代を背景にアメリカ中西部を描いた映画であり、本作のピーター・ボグダノヴィッチ監督はジョン・フォード監督を尊敬していたため、この映画でライアン・オニールが運転する車は「『怒りの葡萄』の農民一家のトラック」とすれ違う場面がある。
それを確認したかったので、本日、この2作を続けて観た。…ヒマ人である(笑)

この『ペーパー・ムーン』の初見は学生時代(1979年8月)の銀座ロキシー(2本立て)、43年ぶりに鑑賞。
久しぶりに観て、「こんなに面白い映画だったっけ?」と思える楽しさだった。
多分、初めて観た時には、「なんで9歳の少女がタバコを吸うんだ?」というのを結構気にしてしまったので、気が散っていたかも知れない。
今回は、「大昔の話だし、そんなもんかな?」と観る前から思っていたので、物語に集中できた気がするのと、カメラワークの見事さに驚いた!

本作は、大恐慌時代のアメリカで、詐欺師(ライアン・オニール)が聖書を売りつけているが、みなしごの9歳の少女(テイタム・オニール)を親戚の家(ミズーリ州)まで届けることになる。
その道中、詐欺をしながら、さまざまなことが起きる楽しいエピソードが描かれ、観終わると心温まるような気持ちになる物語。

ニューヨークの大西洋に面した大きな遊園地コニー・アイランドは、ダグラス・サーク監督の『悲しみは空の彼方に』でも映されていたが、コニー・アイランドの名物はホットドッグ。
この『ペーバー・ムーン』では食堂でライアン・オニールがテイタム・オニールに「コニーアイランドを食べるか?」と言って注文するが、テイタムがなかなか食べないので「コニーアイランドを食べろよ」というセリフを5~6回繰り返す。これが耳に残る(笑)
(※)日本語字幕は「ホットドッグ、食べろよ」との記載。

この映画で、テイタム・オニールは機転をきかせた少女を見事に演じて、アカデミー助演女優賞を獲得。それだけの価値はある。

ライアン&テイタム親子の姿が微笑ましい映画であり、傑作!

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たいちぃ

4.5詐欺師の親子の旅物語(ロードムービ-)

2022年3月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

1930年代、禁酒法施行下のアメリカが舞台のモノクロ映画。

オンボロ車に乗りながら運転席には聖書を売りながら詐欺師の男と(ライアン.オニール)
、知人の娘。むっつり顔の9才の女の子(テータイム.オニール)
を乗せて、たびが始まる。車からは1930年代のラジオの番組。流行歌や黒人ジャズが流れている。

良き時代のアメリカの風景が、走る自動車の窓から見えてくる。

何とも粋な映画だろう。この映画の楽しさはなんと言っても実の親子でもある、詐欺師の親子の絶妙な掛け合いだ。詐欺師と言っても、どこかユーモラスでおっちょこちょい。詐欺師でも悪意が感じられない。そしてなんと言っても、テータイム.オニールの賢くウィットにとんだやりとり。
9才の女の子の機転の利く助けで、売れなかった聖書が次々と売れる。

女の子にせがまれて、夜の遊園地の中で、ペーパームーン(紙のお月様のモニュメント)に座り写真を撮る二人。

いつもはむっつり顔の女の子が、この時ばかりは頭にリボンを付けておすまし顔。

ロマンチックでモダンなロードムービ-。

叔母さんのところまで、届けるつもりの出会いだったが…いつしか、本当の親子のような愛情が芽生え。

作り物の紙の月様が、本物のお月様に変わるとき。

映画を観るものに、優しい気持ちにしてくれる、1970代の名作映画。

これぞ、アメリカ。

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かつみ

4.0【テータム・オニールのツンと澄ました表情の中の、寂しげな瞳にヤラレタ作品。その後の、実父ライアン・オニールとの関係性が滲み出ている作品でもある。】

2021年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

笑える

知的

幸せ

ー 内容は、巷間に流布しているので割愛。
  但し、テータム・オニールのツンと澄ました表情と寂しげな瞳と聡明な姿が印象的な作品。
  自分を娘と認めない詐欺師の男モーゼを演じた実父、ライアン・オニールとの、その後の関係性を考えると、ラストシーンなど、複雑な気持ちになってしまう作品。-

・テータム・オニールに小学生の時に夢中になったのは、「頑張れ、ベアーズ!」を見たからである。男の子のようなショートヘア―で、おしゃまな彼女が、弱小チームのエースとして活躍する姿にヤラレタのである。

・その後、今作を観て、初見の時には相変わらずの眩しそうな眼と、滅多に笑わない表情。だが、聡明さ溢れる少女を好演していて、これは最年少オスカーを獲ったのは、良く分かるなあ・・、と思ったモノである。

・だが、彼女は「頑張れ、ベアーズ!」以降、目立った作品は無く、女優活動を続けていたが、後年知った、父ライアン・オニールの駄目父振りを知った時には、ショックであった。

・更に、マッケンローと結婚したと知った時には”大丈夫か?”と思ってしまった事を覚えている。
ー 大丈夫ではなかった・・。-

<天才子役は大成しないというジンクスは、彼女の芸能生活から起きてしまったと思う。
 けれど、それは彼女自身のせいではなく、彼女を本来であれば守るべき父が、障壁になっていたと言う事実を知った時には、暗澹たる気持ちになってしまった。
 救いは、現在の彼女が幸せそうに見える事である。
 この作品を最初に観た際には、流石、テータム・オニールだなあ、と思いながら観たのだが、その後色々な雑音を知ってしまい、三度目の鑑賞の際には複雑な気持ちになってしまった作品でもある。
 けれど、作品自体はテータム・オニールの魅力爆発の、素敵なコメディ映画であるので、未見の方には「頑張れ、ベアーズ!」と併せて、是非、観賞して頂きたい作品である。>

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NOBU

4.5値千金のラスト

2021年7月21日
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ジョニーデブ

3.0タイトルなし(ネタバレ)

2021年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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トミジュン

5.0ちょっと魅力的な生きざまの冒険

2020年5月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

昔、この映画を観て、テータムオニールの渋くて賢い魅力の好印象がずっと残っていて、久しぶりにDVDを入手して観て、この魅力はマチガイナシと得心しました。ライアンオニールが引き立て役のごとくでこれまたドンピシャです。表情変化だけでも心をくすぐってくれるこの映画の魅力と同様のものは知りません。周囲の知人におススメしたい作品です。

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赤羽のプリンスおやじ(1960年生まれ)

4.0騙すのが商売の偽親子の騙せないこころ

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

遺族を騙して聖書を売り付ける詐欺師のモーゼが、母を亡くした少女アディを親戚のところまで届けるロード・ムービー。ライアン・オニールと実娘テータム・オニールとの共演が話題になって当然のテータムの大人顔負けの演技は、アカデミー助演女優賞を受賞する。堂々とタバコは喫うし香水をべったり付けたりのませたところと、階段を昇り降りする子供らしい仕草の対比が面白い。新聞の死亡欄をチェックする詐欺の定石や、高額紙幣にわざとメモ書きをしてお釣りを騙すやり方など、映画の中の面白い話で誰かに言いたくなるようなエピソードだ。途中から加わるトリクシーを演じるマデリン・カーンの、少し抜けたところのあるダンサーの哀愁もいい。実の親子だと確信が持てないけれど、ふたりが次第に実の親子以上の気心の知れた関係になる人情劇の温かさ。「ラスト・ショー」のピーター・ボグダノビッチ監督のもう一つの秀作。

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Gustav

4.0ときそば

2018年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 落語のときそばみたいなせこい手も使うが、基本は故人のところへ聖書を売りつけること。中々上手い手だが、せこい・・・でも楽しい。

 禁酒法時代で大不況の時期だ。多少の罪はどうでもよくなってくる・・・密造酒のほうが悪いんだけど、つるんでる兄弟の保安官もなぁ・・・

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kossy

3.5とてもよかった

2018年11月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

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吉泉知彦

3.5詐欺師と少女

2018年5月28日
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人物の取り合わせもテンポも良く、飽きさせない。

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ドン•マルロー

4.5文句なく観て良かった作品

2018年1月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

幸せ

ずいぶん以前にレンタルで観たのだけど忘れている所多々あり。
グラマーダンサーのトリクシーとその付き人の黒人少女の存在は
丸ごと忘れていたので新鮮でした。

何よりも主人公の二人が働く詐欺シーンが秀逸。
子供のアディの方がよっぽど臨機応変で詐欺師の素質あり!!
その反面、ちょっぴり子供らしいシーンもほの見えて
未だに破られていないアカデミー最年少受賞も納得の演技。

ライアン・オニールもチンケな小悪党、適度にダメダメな親父ぶりで
「ある愛の詩」で二枚目俳優として人気だった当時としては
よくこの役を受けたな〜〜とある意味、感心した。

話の中盤
グラマーダンサーのトリクシーに夢中になるモーゼに
拗ねてしまったアディを説得するトリクシーが
この子には子供は騙しは通用しないと瞬時に判断して
思わず女の本音で話すところが、なんとも良い。
モーゼが早くトリクシーから目を覚ます様に画策するところも
女VS女みたいな感じで、徹底的にドライで小気味良い。

そしてラストシーンまで余計なお涙頂戴に落ちる事なく
ドライなままで終わるので逆に余韻が残る。
ラストの長い長い長回しを観ている観客は
トラックの二人の会話を想像するのも楽しい〜〜

★もう一度観るなら?
「有料チャンネルやレンタルでじっくり観たい」

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星のナターシャ

4.5幸せの一つの形の提示

2018年1月20日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

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eichan

3.5子供の喫煙は2018年には受け入れがたい。

2018年1月20日
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だいず

5.0好きとしか言えない

2018年1月20日
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好き。好きとしか言いようがない。こんなによかったっけ。初めてスクリーンで観れてよかった。テイタムのしかめっ面と女の子らしさはおそらく脚本のそれをはるかに凌駕してるだろうな。ことこどく楽しい禁酒法時代の西部の街の旅。

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ONI

4.0人との出会い

2018年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

幸せ

人は出会って、互いを必要とし助け合う。どんな出会いでもそんな風になれば、良いですね。

詐欺とか、あまり良いことをしていない主人公。女の子のお母さんのお葬式に通りがかりのようにやってくる。特別な関係があったようななかったような…

女の子はひとりぼっちになってしまう。けれどお母さん譲りのしたたかさで、男の詐欺を手伝いながらどんどん儲けていく。女の子の育ち、男の不器用さ、小心さと良心、アメリカの大草原、大地、どこまでも続く道、様々な人との出会い、何か凄いことが起こるわけではないのだけれど、ほっこりと楽しめた。

ラストシーンの後はどうなるのかなぁ。

立派な人が誰も出てこない、良い映画です。

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Momoko

4.0作品自体の古さを感じさせない善さを❕

2018年1月2日
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鑑賞方法:映画館

殆ど,この作品の情報は無く鑑賞して観た。
本当の親子関係だから?出来る事なのかは皆無だが、昔の作品とは,思えない程のシナリオの奇想天外さとキメ細かさを感じれ、楽しめたのが正直な感想。

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サクちゃん

2.0楽しめなかった

2017年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

作品に入り込むことが出来ず、時間も長く感じて途中でzzz…。残念ながらこの作品の良さを感じる事が出来なかった。
(午前十時の映画祭にて鑑賞)
2017-184

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隣組
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