「同じ目線になって張り合ってくる点が居心地が良かったのでは」ペーパー・ムーン 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
同じ目線になって張り合ってくる点が居心地が良かったのでは
幼い少女なのに妙に大人びたアディのギャップと、駄目な大人だが憎めないモーゼのやり取りが面白いロードムービー。車内が臭くて、臭いの元を辿ると香水を付けたアディが臭いことに気づき、モーゼが車の窓を開けて換気する。その間二人が終始無言なシーンが一番笑った。この演技だけで笑わせてくるところが良い。
やっぱりアディほど大人びた少女からすると、子ども扱いしてくる大人よりも、モーゼのように同じ目線になって張り合ってくる大人げない大人の方が、一緒に居て居心地が良かったのだと思う。伯母の元に預けられるも、伯母が大人として当然のことを色々しようとしてくるのが、アディにとっては面白くなかったはずだ。だから再びモーゼの元に戻ったんじゃないだろうか。
温かく笑える良い映画だった。
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