ペーパー・チェイスのレビュー・感想・評価
全4件を表示
エリート学生の青春白書
ハーヴァード大学のエリート学生のキャンパス生活を写実した珍しい映画。学友とホテルに缶詰め状態で猛勉強する様子と、学業に冷酷無比の教授の怖さに驚く。リンゼイ・ワグナーは、アイドル女優の可愛らしさ。ティモシー・ボトムズは何処にもいそうなアメリカ青年。収穫は、教授役のジョン・ハウスマンのなりきり振り。こんな先生の授業は受けたくないと思ったが、心配する必要はなかった。
法科学生の苦労
教授も学生に対する態度は徹底している。なにしろ座席表に写真を貼り付けて覚えようとしているのだ。というより、教室外では必ずハートの名前を尋ねていたから、授業中だけ名前を把握しようとしていただけか・・・ 法科学生の苦労がよくわかる映画だけれども、それを乗り越えたハートという学生の1年を描いただけのストーリー。6人で始めた勉強会も最終的には脱落者アリの3人に。ときには図書館に不法侵入してまで教授の論文を読み漁るなど、勉強に執着する姿は凄まじいものがあった。アメリカでも法律家になるのは大変なんだなぁ。
競争の厳しさが身につまされる
総合:80点 ストーリー: 80 キャスト: 70 演出: 80 ビジュアル: 70 音楽: 60 超名門大学の専門課程の学生ともなればみんな才能などあって当たり前、それに努力に努力を積み重ねて結果を求め続ける。そうしなければあっという間に脱落するし、周囲からの尊敬も得られないから相手にしてもらえない。もちろん自分の将来に響くことは言うまでもない。本当に気が休まることなどない熾烈な世界である。 個人的にすごく身につまされる話でした。この映画のハーバード・ロースクールほどではないけれど、私自身がアメリカの大学院で寝る暇もなくて疲労困憊しながら勉強に追われる経験をしたので。今ベッドに入れば朝までに3時間くらいは眠れる、でもここで寝るとチーム・プロジェクトの私の担当部分に穴があいて参加者に迷惑かかるから眠れない。授業のない週末含めて常に課題やらプロジェクトやらに追われて、まるまる一日休める日などない。忙しくなると食事するためだけの時間はとれないから、片手でハンバーガー食べながら教科書を読む。そんな日々の連続でした。 もう本当にこれは他人事ではないんですよ。けっこうこのとおりの部分があります。昔の苦労を思い出してこの映画を見るのが少しつらい部分もあるけど、それでもそんな勝手な思い入れがあって好きでバイアスかかって得点高めです。特に学生の人や社会人になって間のない人には共感出来る人も多いのではないかと思います。 それにしても主人公が夜の学校に忍び込んで教授のノートを見るということ。あれをするのは勇気がいるし私には出来ないかな。テストの参考になるという魅力は確かに大きいけど、不正行為の発覚は退学になりかねない重大行為なので。アメリカはこういうのは厳しいのです。 ちなみに最後に主人公たちが行くケープ・コッド(Cape Cod)は、海に面した高級保養地です。東京でいえば伊豆や熱海、大阪でいうなら南紀白浜みたいな場所でしょうか。学期が終わるとアメリカ東部の学生たちも骨休みに行くことがある場所で、個人的にも好きな場所です。
全4件を表示