「もっと評価されてもいいのでは」ペイルライダー 吠えない狼さんの映画レビュー(感想・評価)
もっと評価されてもいいのでは
アウトローと許されざる者の間に放たれたイーストウッドによる西部劇。アウトローはイーストウッド自身がお気に入りと言ってるし、許されざる者に至ってはもはや言うまでもないみたいな感じで、あまり注目されてない感がある本作。深いテーマみたいなものは無いし、ストーリーは直線的なので分からなくもないものの、聖書や神話との繋がりを意識した演出と雰囲気が堪りません。情報が極限まで削ぎ落とされた多くを語らない脚本も、観客の想像を膨らませることに成功しており、王道西部劇に留まらない独特な風格が本作にはあると感じました。
映像も素晴らしい。全編にわたってカメラに収められてる空気の冷たさと闇の中に浮かび上がる優しい光が、作品の神秘性を効果的に高めてます。
あとは音ですかね。音楽も要所要所に使われてますが基本は自然音。焚き火や川の流れ、岩を打ち付ける金属音など実はこういった音が意外と作品を支えているんだなと気付かされました。
大好きな作品です。個人的にはもっと注目、評価されてもいいと思ってます。
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