劇場公開日 1980年8月16日

「この作品の後ではクリント・イーストウッド監督の偉業を知ることに…」ブロンコ・ビリー KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0この作品の後ではクリント・イーストウッド監督の偉業を知ることに…

2023年11月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もうそんなに昔だったのかと思わされた
40年以上も前の
クリント・イーストウッド監督作品だったが、TV放映を機に初鑑賞。
画面上の若々しいイーストウッドと共に、
勢いはあるものの演出の若さも感じた。

この少し前に「クライ・マッチョ」を観て、
更にこの作品と、
そもそもがウエスタンで映画界に躍り出た
イーストウッドとしては
当然なのかも知れないが、
少しひねっていてはいるものの、
保安官との決闘や列車強盗のシーン、
ただただ彼のアイデンティティとして
盛り込みたかったのかなとの印象で、
説教臭いイメージも
ジョン・ウェインと同じで、
彼も正にカウボーイと西部劇の申し子
だったのだろうなあと感じさせられた。

しかし、脱走兵だったと判る一座の団員は
お金で釈放させたようなのだが、
その説明はなく想像するしかないし、
アントワネットの夫が精神病院の上階への
忍び込みが何故中途半端だったのかや、
一座はFBIの移送をどう逃れたのか、
お金持ちになったアントワネットは
再び銃とナイフの的になる?
等々のディテールは放りっぱなしの
メデタシ・メデタシの構成には
拍子抜けした。

目隠しをして銃やナイフで風船を割るなど、
この映画は喜劇なんだと思えば
事済む話なのかも知れないが、
「許されざる者」以降の作品のレベルには
まだまだ達していなかった印象だった。

しかし、その後の
クリント・イーストウッド監督については、
「許されざる者」
「スペース・カウボーイ」
「ミスティック・リバー」
「ミリオンダラー・ベイビー」
「父親たちの星条旗」
「グラン・トリノ」
「ジャージー・ボーイズ」
「ハドソン川の奇跡」
の8作品がキネマ旬報で第1位に選出され、
内、2作品がアカデミー作品賞受賞
という偉業を知ることになる。

KENZO一級建築士事務所