ブロードウェイのバークレー夫妻
1949年製作/109分/アメリカ
原題または英題:The Barkleys of Broadway
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・ウォルターズ
- 脚本
- ベティ・コムデン
- アドルフ・グリーン
- 撮影
- ハリー・ストラドリング
- 音楽
- アイラ・ガーシュウィン
- ハリー・ウォーレン
1949年製作/109分/アメリカ
原題または英題:The Barkleys of Broadway
TV放映時に観た「ザッツ・エンタテインメント ('74米=MGM)」の中で、フレッド・アステアのミュージカル・ナンバーの名シーンを集めて紹介するコーナーで、ガーシュウィンの名曲に乗せてアステアがジンジャー・ロジャースと優雅に踊りながら歌うナンバーの"They Can't Take That Away from Me"と沢山の靴とアステアが一緒に踊る特殊効果を凝らした斬新なナンバーの"Shoes With Wings On"が収録されていて、これが余りにも素晴らしかったので、ずっと観たかったのだが約9年間待たされ、漸く1987年春に、MGM/UAホームビデオから日本国内版のビデオが発売/レンタルされたことによって観ることが出来た作品だ。
アステアとロジャースが共演した最後の作品であり、唯一のテクニカラー作品である。RKO時代のモノクロで撮られた二人の名作群はもちろん素晴らしいのだが、約9年振りに共演したこのMGM作品におけるミュージカル・ナンバーも粒揃いで素晴らしく、その後の「ザッツ・エンタテイメント PART 2 ('76米=MGM)」、「ザッツ・エンタテイメント PART 3 ('94米=MGM)」でも毎回異なったナンバーが紹介されている程だ。
脚本を担当したのが、あの「踊る大紐育 ('49米=MGM)」、「雨に唄えば('52米=MGM)」の才気溢れるベティ・カムデン、アドルフ・グリーンの夫妻なのだが、ノンクレジットで「イースター・パレード ('48米=MGM)」のシナリオライターであり、その後もTV番組の「かわいい魔女ジニー ('65〜'70米)」の脚本、小説「ゲームの達人」、そして日本でも発売されていた英語教材「イングリッシュ・アドベンチャー」で、オーソン・ウェルズのナレーションによる中級編「追跡」やジェリー・ルイスのナレーションによる初級編「家出のドリッピー」等を書いたシドニー・シェルダンも参加している。
撮影監督も「踊る海賊 ('48米=MGM)」、「イースター・パレード ('48)」、そして後にオードリー・ヘップバーン主演の「マイ・フェア・レディ ('64米=ワーナー)」で二度目のアカデミー撮影賞を受賞することになるハリー・ストラドリングという豪華スタッフによるA級作品だ。
この映画、前記「イースター・パレード」の大ヒットを受けて、同じ監督(チャールズ・ウォルターズ)と主演者(フレッド・アステア&ジュディ・ガーランド)、それ以外のスタッフも全て「イースター・パレード」と同じであり、柳の下の二匹目のドジョウを狙った作品として企画されたのだが、主演のジュディ・ガーランドの体調が悪くて頻繁にリハーサルを休んでいたことから、製作者のアーサー・フリードがジュディを降板させて、急遽代役としてロジャースを呼び寄せている。その為、シナリオ自体もかなり改変されており、更にミュージカルナンバー的にも作詞/アイラ・ガーシュウィン、作曲/ハリー・ウォーレンによる歌曲の多くが使えなくなってしまったことから、作曲/ジョージ・ガーシュウィンによる昔の歌曲が再使用されたりしている。
その為か、前記カムデン&グリーン、そしてシドニー・シェルダンもかなり対応が大変だった筈であり、冴えに冴えた脚本というよりは、何とか無難に纏めあげたといった感じだ。
ジュディ・ガーランド版も観たかったのだが、結果的にアステア&ロジャースの映画がもう一本、しかもカラー作品として作られ、素晴らしいミュージカルナンバーの数々を楽しめるだけでも観る価値は充分なMGMミュージカル全盛期の一本である。