フレンチ・カンカンのレビュー・感想・評価
全7件を表示
☆☆☆★★(全体の2/3まで) ☆☆☆☆(ラスト30分) 一言だけ...
☆☆☆★★(全体の2/3まで) ☆☆☆☆(ラスト30分) 一言だけ。 正直言って前年ははかなり退屈に感じてしまい、チョロチョロっと船を漕いでしまっていた。 本来ならば採点は自粛するところではあるのですが、そんな思いを凌駕する後半のムーランルージュに於ける人間のバイタリティーと大喧騒の素晴らしさ。 全てはこの瞬間に集約されてるルノアールから「コレを見ろ!」…と言う、自信に溢れた叫び。 観終わって暫くは放心してしまったのだった、、、 (´-`).。oO何だ!この多幸感は、、、 2020年12月29日 シネマブルースタジオ
下品なだけで、映画が嫌いになりそうだ。
ロートレックとドガと自分のオヤジの絵を頂いだ霊験あらたか映画だが、
要は美しくない。
ストーリーは三又にかける女性の話で、全体的にドタバタで、はっきりした相関関係が分からない。
口パクのシャンソンと誰だか分からないオヤジの生歌を少しだけ。シャンソンも一回で終わり。多分『天井桟敷のなんとか』をリスペクトしているのだろうが、見た事が無いので、何とも言えない。どうでも良い。美しくない。騒がしい。落ち着かない。そして何よりも下品そのものだ。
多分、二回目の鑑賞だと思う。
パン屋の作業場と逢瀬するベッドルームが同じ。しかも、フランスパンは、焼き上げた物をそのままカバーをかけずに展示販売している。脱亜入欧の日本でもその傾向があるが、パンデミックになる前から、パンをそのまま置いて販売する方法が『衛生を大事にする大日本』には見えなかった。ク◯ガキの鼻水混じりのフランスパンは食べられない。個人的な意見だが、パンデミック前から、僕はフランスパンが余り好きにはなれない。だから、糖質制限の為にもグルテンフリーをやることにしたが、インドでナンを食べて、その美味しさにやっぱり、グルテンフリーはやめて、一ヶ月に一回と決めて、京橋等のインド料理を食べる事にした。でも、フランスパンは食べない。
名プロデューサー笑
早稲田松竹のジャン・ルノワール特集で鑑賞。 とにかく盛りだくさんで楽しめた。 ドロドロ?なロマンス、フランスの文化、そして何よりたくさんの歌と踊り。豪華絢爛で、最後のスパートは圧巻だった。 ルノワール監督の、しっかり時代背景を描きつつ、楽しめる作品になっていた。 プロデューサーが裏でニヤリとするやつ、60年近く前からあったんだな、と笑 2023年劇場鑑賞58本目
我が青春のアルヌール
洗濯女ニニに言い寄る男はひきもきらないが、踊りに目覚めた彼女にその気はなく、気持ちは次第に興行師ダングラールに傾いていく。 思いを寄せる側にとっては胸が絞め付けられる思いだが、誰もが経験しただろう青く苦い思い出が蘇る。告白して「ごめん」と言われたあなたの映画。気の弱いオレの青春。 後の「ヘッドライト」と対をなすフランソワーズ・アルヌールとジャン・ギャバン共演の名作です。
愛と嫉妬が交差する男女が産み出す圧倒的迫力のダンスシーン
フランソワーズ・アルヌール演ずる踊り子ヒロインが処女を捧げた労働階級のハンサムな若人でもなく、お金持ちの外国皇太子でもなく、劇場オーナーの老紳士ジャンギャバンを結局選ぶのが、意外でもありリアル。新たなスター目指す乙女の現実的な選択。
若人が可哀想だが、まあ彼にとっても成長の糧か。ただ、このオーナー、新しいスター発掘に熱心であると共に、女体もいただくのをモットーとしている様で、自分オンリー望むヒロインの思いは断固拒否する、なかなかの強者。国と時代は違えど、スターの発掘育成者に共通のあり様なのか。もしかして、監督のモットー反映、それとも史実?
以前オーナーに見出され今もベッドを共にするマリア・フェリクス演ずる現在のスターを、劇場に出資する二人の金持ちが狙っていて、マリアもそれを知ってしっかりと利用。新旧のスターはジャン・ギャバンを巡って大喧嘩。ということで、男女の愛と嫉妬と肉体関係が複雑に交差していて、その様を劇場のこちらとあちら、そのまた奥で、並行して見せる監督の技は新鮮であると共に凄い。そして、ヒロインに恋してた皇太子は現実を知りピストル自殺未遂。
そういったぐちゃぐちゃに見える男女の愛憎を全て昇華する様な、ニューヒロイン中核に集団で踊りまくるフレンチカンカンのダンスの派手さ、凄さ、素晴らしさに圧倒・納得させられてしまった。倫理なんて、素晴らしいダンスの前では些細なことと、芸術至上主義的に。
エディット・ピアフ
足を上げるのがたいそうなカンカン。「若い娘なんかには無理よ」「時代遅れだわ」などとおばさんに言われるが、それが新しい企画だと舞台監督ダングラールは主張する。で、名前は「フレンチ・カンカン」。こうして生まれたのがフレンチ・カンカンなのか・・・そして店の名前は「ムーランルージュ」。 すったもんだがあって何とかオープンしたムーランルージュ。ラストのフレンチカンカンは凄い迫力だ。
仕事人映画
「しまった、またよく見もせずにこんなものを借りてきてしまった…」と冒頭、フランス映画だからという理由だけで思っていた。なんだかフランス映画が苦手だったのだ。古い小説を読んでいる時のように、細部がところどころ感覚的に上手くつかめず、だらっとした印象のまま観終わってしまうことが多かったからだ。けどこの映画はとても好きだった。今まで観たフランス映画の中ではベスト。 何よりプロデューサー役が格好いい。 ヒロイン役がプロデューサーに裏切られたと晴れの舞台に出ないと言いだすシーン。そこで「自分の仕事はスターをつくることだ。私に恋人や夫が与えてくれるようなものを求めるな。それなら他の男を選べ」と言い切る。それで結局ヒロインは舞台に上がるし、その舞台を自分は見ずに舞台裏で満足気に煙草を吹かす。結局最後は我慢出来ずに舞台を見に行き、その場で次のスター候補を早くも探している。 これはただのミュージカル映画ではない、仕事人映画である。
全7件を表示