「アクションはいいけど、画が弱すぎた」ブレイド NandSさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションはいいけど、画が弱すぎた
前提として
・多分二回目(字幕と吹替)。
・原作と思しきコミックは未読。
・スティーブン・ノリントン監督の他作品は未視聴。
アクション◎、あとはまぁまぁ。
まずはOP。一般人がヴァンパイアのナイトクラブに迷い込んでしまう展開。まるでホラー映画のようで面白い。それからブレイド登場。バッタバッタと敵を殺していく。
ここまでの展開の時点でかなり惹き込まれます。
しかしそこから先は余計なものがちょっと多めかも。奥深さはあるけどメインの話に影響するかと言われるとなんとも……要素だけで観ると面白いはずなんだけどなぁ……
キャラクター面では、一人一人の描き方がかなり物足りないと感じました。特にブレイドとフロスト。二人の対比がもう少し欲しかった。
ウィスラーの描き方はあれぐらいでいい。あと、ヒロインはどうしてヴァンパイアにならずに済んだのでしょうか……?そのあたりの説明も欲しかったところ。
母親が敵陣営についているという、まぁまぁ衝撃的な展開もさらっとしすぎていて、ブレイドにどういう影響を及ぼしたのかが伝わりませんでした。物足りない。
アクション面は非常に楽しめました。ブレイド(ウェズリー・スナイプス)が特に素晴らしい。ちょこちょこ小ネタを挟むのがまたかわいらしい。
欲を言えばバイクをもっと活用してほしい。せっかく出したんなら相手にぶつけるとかさ
アクション以外の演出も、描写としては良いのですが、伏線にもならずにその描写が殺されていきます。それがテーマなら面白いけどそんなわけでもないので……
フロストの情緒とか最後の方よく分からなかったしなぁ……
音楽は好み。ダンスミュージックと言うのでしょうか、ノれます。
一番気になったのは、全体的に画としての盛り上がりが無かった点です。良いな!と思う瞬間があってもすぐに過ぎてしまいます。せっかくポーズキメてるのに……
どこが物語における"転"なのかもわかりません。多分あの部分だけど、印象薄いしなぁ。
特撮とVFXには力が入ってるんだけどね……
ヴァンパイアも、日焼け止めのせいか夜に暗躍するイメージが非常に薄いです。単純に描きたいものとは違うかもしれませんが、暗闇で蠢くのがヴァンパイアの魅力では……?
逆に、ブレイドの方は安易にヒーローにせず(子供を助けるシーンはあるものの)、裏社会の抗争で暴れまわる強者として描いていたのはかなり好印象でした。
その分、終盤の血の神はもう少し衝撃的であってほしかった。裏社会の話からいきなりスケールの違う話が飛び込んでくるのだから、もっと世界観をぶっ壊してもいいはずです。巨大化とかね。決着のつけ方もあっさりしすぎだし……
そういう意味では、パールの方が衝撃的でした。でも、あいつ何だったのかよく分かんないしなぁ……原作ファンへのサプライズかしら?
ストーリーは面白いはずなのに、タメが短かったり画が弱かったりなんやかんやあったりで、アクションしか記憶に残らない。そんな作品。