「すっぽんぽん!」フル・モンティ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
すっぽんぽん!
思い出しレビュー14本目。
『フル・モンティ』。
愛すべきイギリスの1997年のコメディ。
イギリス・シェフィールド。不況で鉄工所を解雇された6人の男たち。
その一人、ガズは、町の女たちが男性ストリップショーに熱狂してるのを見て、自分たちもストリップショーをして一攫千金を得ようと思い付く…!
日本の『ウォーターボーイズ』もそうだけど、ヘタすりゃおバカコメディになりかねない題材。
それを、コメディではあるけど、非常に胸のすく快作ドラマに仕上げている点が見事。
その根底に、不況、解雇、就職難など、労働者階級の悲哀が巧みに据えられている。
去年『わたしは、ダニエル・ブレイク』を見た時もひしひしと感じた。
労働者の現状は、今も20年も、日本だろうとイギリスだろうと変わってない。世の中、どうしてもっと働き易くならない?
ストリップをする6人は、ロバート・カーライルのようなハンサムもいれば、トム・ウィルキンソンのような初老やマーク・アディのようなぽっちゃりちゃんも。
6人、問題も悩みもそれぞれ抱え…。
だからこそ、やらなければならない。
やればきっと、何かが変わる。
夜な夜な工場で練習中警察に見付かって裸で逃げようとも、次第に町の噂になろうとも、俺たちには失うものは無い。
直前になって及び腰になっても、さあ、脱ぐ時が来た。
俺たちの全てを見よ。
いざ、ショーへ。
すっぽんぽん!
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