「ディズニーが敬遠する聖書がテーマの作品✨」プリンス・オブ・エジプト 蜷川吝塀さんの映画レビュー(感想・評価)
ディズニーが敬遠する聖書がテーマの作品✨
今夜(2025/03/22)レンタルして観ました。
キャストがほぼ全員白人ということは少々引っ掛かりますが、時代が時代(90年代)なので仕方ないですね。ただ、ビジュアルとしてのモーセは、定番のいわゆる白人の偽モーセではなく、ちゃんと褐色の肌が美しいヘブライ人のモーセなので、評価すべきと思います。
血の繋がりがないとはいえ、同じ環境で育った兄弟なのに、何故兄はイギリスアクセントで、弟はアメリカアクセントなのでしょう。90年台のいわゆる“悪役”はイギリスアクセントがお約束でしたから、この時点で兄が悪役になることは、聖書を知らなくともネタバレしてしまいます。日本語吹き替え版ならそれを回避できますね。
ミュージカルスタイルのストーリー展開で、アニメーションクオリティは思いのほか高く、壁画モンタージュのシーンはとても斬新で、思わず唸ってしまいました😳ミュージカルシーンも悪くはありませんが、少し地味に感じました。
『ブッダ』もそうだったと思いますが、宗教を題材にした作品は批判が目立ちそうです。本作でもラクダがモーセによだれを垂らすシーンに腹を立てる信者の方がいたようです😅
●目に余る奴隷の酷使に異を唱えるモーセ
●エジプト王国が奴隷(ヘブライ人)を使うのは当然と考え、モーセに怒りの矛先を向けるラムセス
●神の啓示を受けたモーセの導きに従い、共に海を越えるヘブライ人たち
『十戒』で有名なあのシーンも、本作ではクールに表現されています。怒りに支配されなければ、ラムセスや彼の幼い息子はもとより、エジプト王国の兵士たちが命を落とすことはなかったでしょう。
色々考えさせられるアニメ映画です。
中盤で中弛みこそありましたが、全体的な仕上がりはよく、家族で楽しく観られると思いますよ☝️