劇場公開日 1968年12月21日

「想定外の結末…目が点 でも眼・耳福」ブリット とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0想定外の結末…目が点 でも眼・耳福

2021年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

皆さんおっしゃるカ―チェスは迫力満点。車でスキーチェイスやっているのかと思ってしまうほど。人をひくんじゃないか、周りの家に突っ込むんじゃないか。サンフランシスコ名物のケーブルカーと、他の車と接触するんじゃないかとひやひや。車に詳しくない私でも、手に汗握る。
 と同時に、空の、海の青さ・港町が美しく、緊迫感ある攻防に、つきぬけた開放感・すがすがしさにも興奮。

かつ、飛行場でも飛行機にひかれるんじゃないかとハラハラドキドキ。夜、照明が暗くて、全体が見通せない。突然現れるかのような飛行機。ブリットと犯人と飛行機がフーガのようで見もの。
 ここでも、近景は緊迫感ある攻防だが、遠くには夜景にライトが宝石のようで綺麗。

もちろん、CGなんて使っていない。
本当の公道で、本当の飛行場での撮影。マックィーン氏自身が替え玉なしと聞く。
レースにも出場なさっていた車好きマックィーン氏ならではのハンドルさばき。

反面、ありえないとか、それでいいの?と突っ込みどころも満載。

映画の中でも議員からも突っ込まれているけど、今現実にこんなことやったら、マスコミの吊るし上げになるんだろうなあ。鑑賞している私達には”犯人”とわかるけど、証拠示せていないもの。最後の場面は正当防衛としたいけど、現実にアメリカでは、”銃を向けられたから撃った”ではすまされていないで”警官の横暴”として抗議が続いているし…。銃を持つ手を撃ったっていいんだし…。

それでも!、
映画の中だと、格好良く、鑑賞している私達も”正義が勝つ”みたいな気持になってすっきりする。

FAXの古さ(初めて見ました!)に象徴されるちょっと前のサスペンス。
 サスペンスとしての謎解きがあり、そういう展開?とワクワクドキドキ。犯人を追いつめる筋立てが、古き良きFAXや当時の公衆電話も活躍して、格好いい。

かつ、
主役のマックィーン氏はもとより、上司・部下もいい。マスコミに叩かれたら、前面に出るのは、責任をとらされるのは上司なのに…。あんな人達と働きたい。
 黒人は、医者とかいい人としてしか出てこない。人権配慮なのかな?と思ったら、病院や飛行場のスタッフは本当に従事していらっしゃる方と聞く。反対に俳優としての黒人は出演していらっしゃらない様子。時代ですね。

カッコよさを追求したフィクションの中に、
セットやスタントマンを使わなかったり、他にも細かいリアリティが満載。
だから、長く愛されるのかな?

とみいじょん