劇場公開日 1988年7月9日

「良く出来たサスペンスだと思う。」フランティック 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良く出来たサスペンスだと思う。

2024年11月10日
PCから投稿

出張でパリを訪問した米国人医師が、空港でスーツケースを取り違えてしまい、妻が失踪する。医師は、取り違えたスーツケースを求める若い女性とともに、妻探しに奔走する、、、。

異国の地で妻が失踪した男性が、現地警察や大使館の官僚的な対応に直面するなど、だんだんと追い詰められるさまを、とても分かりやすく描いたサスペンス・スリラーだ。

真相そのものは、好みが分かれるだろう。その一方、これは伝統的で古典的なスリラーだ。穏やかならぬ雰囲気の中、状況が徐々にエスカレートするさまを、ストーリーの進行とシンクロして描き切っている。

ハリソン・フォードは、困惑を隠せない主人公を熱演。素晴らしい演技だと思う。本作にスーパーマンは出てこないが、非日常的な状況に置かれた普通の人間の奮闘をリアルに描いた、よく出来たサスペンスだと思う。

瀬戸口仁