プラトーンのレビュー・感想・評価
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2人の子ども
ベトナム戦争を描く作品は名作と呼ばれるものが多いが(フルメタルジャケット、ディアーハンター、カジュアリティーズ、7月4日に生まれて等々…)この作品も間違いなく後世まで語られる作品の一つやろう。
当初、イジワル教官がウィレムデフォーなんかなと思いきや違った。こういった普通ではない状況で正気を保つことは困難に近いんやろうな。ボブは越えてはいけない一線を越えてしまい、もうあの戦場でしか生きられない人となっていたんやろうな。あとは、自分は死なないという自負があったやろうし。
何もしてないであろうただ巻き込まれた村人たちに対し、レイプしたり惨殺したりと人間はなんと愚かで罪深き生き物なのだろうと感じた。ヤクに頼り精神を保っている主人公たちのほうがまだ人間らしい良心を保っていられたのかもしれない。
エリアスの倫理観に共感しながらも、ボブを撃ち殺した主人公が2人の子どもな気がすると語ったセリフが印象的やった。エリアスのこの戦争は負けるよというセリフが、エリアスは自分の人生の終焉も悟っていたんやろうなと思った。
体験に基づくリアルなベトナム戦争!?主人公の行為は今でも衝撃的
オリバー・ストーン 監督による1986年製作(120分/R15+)のアメリカ映画。
原題:Platoon、配給:ワーナー・ブラザース映画、劇場公開日:1987年4月29日
あまりに有名なベトナム戦争の映画だが、自分は初の視聴。今見ると当時のインパクトは多分薄れた様にも思えるが、それでも現地住民の理由無き殺戮や性的暴行、米軍兵士の麻薬耽溺、自傷による負傷帰還、更に戦闘中での米軍内での反抗的な部下の殺人や上官殺しが描かれており、凄みを感じた。
また、この様な映画が米国人により作られ、アカデミー賞で作品賞・監督賞など4部門受賞したことに、米国映画製作への敬意を覚えた。日本でもこういうリアルな戦争映画が作られれば、誇りに思うのだが。
主人公(チャーリー・シーン)が属する部隊の人間がどんどんと亡くなっていく様が、強く印象に残った。調べて見るとベトナム戦争で、米軍は5万8,718人の戦死者と約2,000人の行方不明者を出しているらしい。市1つ分がスッポリと消滅した勘定で、どうして彼らは遠い異国で死ななければならなかったのか?少なくとも、国や家族を直接的に守る為ではなく、国家指導者の罪深さの大きさを感じてしまう。そして今も、プーチンにより命を粗末に扱われているロシア兵のことを思ってしまう。
オリバー・ストーン 監督の映画はかなり見ている。彼自身のキャリアにはずっと無関心だったが、イェール大学を中退して1967年から合衆国陸軍に従軍し、ベトナム戦争を経験。空挺部隊に所属し死傷率高い特殊部隊的な偵察隊に加わっていたとか。除隊後、麻薬におぼれ、ヘロインやマリファナ所持で逮捕歴も複数回有るらしい。
大学中退して志願して従軍したと語り、麻薬も嗜んでいたこの映画の主人公は、監督自身の経験を強く反映していることを知った。冷酷非情な隊長バーンズ(トム・ベレンジャー)と無益な殺人を嫌う班長エリアス(ウィレム・デフォー)の激しい対立は印象的であったが、主人公がエリアスを撃ったバーンズを殺害するのは衝撃的。この後ずっと米国の権力を糾弾していくストーン監督の決意表明ということだったのだろうか?
監督オリバー・ストーン、製作アーノルド・コペルソン、製作総指揮ジョン・デイリー デレク・ギブソン、脚本オリバー・ストーン、撮影ロバート・リチャードソン、音楽ジョルジュ・ドルリュー
出演
トム・ベレンジャー、ウィレム・デフォー、チャーリー・シーン、ケビン・ディロン、フォレスト・ウィテカー、ジョン・C・マッギンレー、フランチェスコ・クイン、デイル・ダイ、ジョニー・デップ。
戦争の悲惨な話
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チャーリーは貧しくは無かったが正義感の強い男だった。
そのため大学を中退して志願してベトナム戦争に赴いた。
しかしそこには予想以上に悲惨な現状があった。
仲間達も平気でベトナム人を殺したりレイプしたりする。
チャーリーは自然と、常にそれを止めるような役となった。
そんな中、軍曹だけは同様に正義感が強かったので慕っていた。
しかしそれを疎んだ奴がどさくさ紛れに軍曹を撃って放置する。
これが原因で軍曹はベトナム兵に殺された。
チャーリーはそいつの犯行を確信していたが、手が出せない。
やがてチャーリーの隊は包囲され、絶対絶命のピンチとなる。
死ぬなら敵もろともと、じゅうたん爆撃を行い敵は全滅。
そして奇跡的にチャーリーと軍曹の仇のみ生き残る。
チャーリーは迷わずそいつを撃ち殺したのだった。
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これ、何か聞いたことある題名やと思ってたが、見てて思い出した。
高校でレンタルビデオに通い始めた頃、かなり初期に借りたんやわ。
野球好きなので最初に借りたのがメジャーリーグで、
それでチャーリーを好きになって借りたのを思い出した。
ストーリーとしては重い話。戦争はやっぱり悲惨過ぎ。
でも登場人物が多いし、かなり適当に見てる自分がいた。
高校の時は時折巻き戻しながらもっとちゃんと見た気がする。
まあそれは有料やったからってのもあるが(場)
《プラトーンとは30~60名の小隊》のことを言う。
1986年(アメリカ)
オリバー・ストーン監督・脚本。
ベトナム戦争を一人の若者の体験を通して
暗い側面を描いた戦争映画。
大学を中退して一年間の兵役についたクリス・テイラー
(チャーリー・シーン)。
貧しい者ばかりが戦うベトナム戦争に憤りを感じて、入隊する。
クリスの目を通して描かれるカンボジア国境2キロの最前線。
手紙に戦局を認めていたクリスが、やがて何ヶ月か経つといっぱしの
兵隊に成長。
分隊にはバーンズ(トム・ベレンジャー)という古参の《戦争のプロ》
がいて、対してエリアス(ウィレム・デフォー)は、
人間らしさを失わない3等軍曹で分隊長。
ある日エリアスはバーンズの分隊が、ベトナムの村人を暴行して殺して、
村を焼き払うのを目撃する。
「軍法会議にかけてやる」とエリアスは言い、
バーンズとエリアスは取っ組み合いの喧嘩をする。
それを根に持ったバーンズは、人目のない場所で
証拠隠滅の目的でエリアスを狙撃する。
しかしエリアスはバーンズに撃たれても死んでいなかった。
「プラトーン」のジャケット写真にもなっている名シーン。
エリアスが、たった一人
ベトコンに包囲されながら、味方のヘリコプターに向かって
両手を大きく空に向けて突き上げる。
断末魔の雄叫びを上げてるのか?
何を思い、何を言いたかったのだろう?
そしてバーンズとエリアスの反目を間近で見ていたクリスは、
ある決断をする。
クリス自身が傍観者から当事者に変わった瞬間。
負傷して救援を呼ぶバーンズを至近距離から撃ち殺すのだ。
この映画はベトナム戦争の負の遺産を余す所なく描いている。
☆兵士に蔓延している麻薬や大麻。
☆誤爆
☆ベトナム人へのリンチ・暴行・レイプ。
★村を焼き払う。
★★アメリカ兵同士の殺人。
これだけのタブーが描かれていて、よくぞ公開されたものである。
ジャングル。
「タコツボ」と呼ばれる塹壕。
飛び交う《ナパーム弾》
重い銃に背中のリュックがまた重い。
ベトナム戦を戦った多くの兵がPTSDに苦しんだ。
それにしても、
ベトコンは精神を持たないゲームの中の兵隊のように
強かった印象がある。
人間の心を根本から変えるのが戦争だ。
小隊社会
第59回アカデミー賞作品賞受賞作。
GYAO!で鑑賞(字幕)。
オリバー・ストーン監督の実体験が反映されているだけあって、リアリティー溢れる描写に戦慄させられっぱなしでした。
俳優たちに風呂に入らないよう指示するなど徹底した役づくりを課し、細部までこだわった演出に感心させられました。
苛烈な戦場では自分の所属する小隊が社会の全て。鬼の様な上官。蔓延する麻薬。戦争に慣れて兵士へと変貌する己。…
同士討ちが頻発し、仲間内での争いと殺人が起こるなど、混沌に満ちた戦場の実態は筆舌に尽くしがたいほど悲惨でした。
凄惨な戦い
志願兵となり陸軍歩兵師団の一員としてベトナムに赴いたクリス( チャーリー・シーン )の視点で描く。
ジャングルでのゲリラ戦、バーンズ二等軍曹( トム・ベレンジャー )の凄みのある狂気を孕んだ目つき、村人を殺め村に火を放つ。エリアス三等軍曹( ウィレム・デフォー )の微笑みが絶望へと変わる…。
任期を終え本国に戻るキング( キース・デイヴィッド )とクリスが語り合うシーンのみ温もりを感じた。
ベトナムの村人達が、昔の日本人の姿と重なって見え、重苦しさが増した。
エンドロールで流れた「 弦楽のためのアダージョ 」の切ない音色が沁みる。
ー何が善で何が悪なのか
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
アメリカ人監督の描くベトナム戦争は虚偽の内容や、行為を美化する内容が多い。戦争の怖さと言うが、この戦争は一方的な侵略戦争である。今のロシアと比べてもアメリカのやってきた行為は許されるものではない。
アメリカは、自国の黒人をベトナム戦争にかりたてる為に、公民権法を制定させた。
白人の貧困層がベトナム戦争に行く羽目になったと、この映画では語っているが、黒人は公民権法制定により、行く事が拒めなくなる。そして、それに比例して、ベトナム戦争も泥沼化していく。(今のロシアと同じ) それが、1968年。その年の色々な出来事と繋がる テト攻勢 ソンミ村虐殺事件 アメリカによる北爆の全面停止 それらの出来事は、現地で戦うアメリカ人兵士にとっては、戦況の悪化でしかない。そして、翌年にはベトナム解放戦線が南ベトナム共和国臨時政府となる。既存で存在したベトナム共和国はフランス承認の傀儡国政府と体をあらわすことになる。
そして、その余波がカンボジア内戦とラオス内戦に繋がり、アメリカは防共を大義名分にかかげて、弱い国を侵略していく。だから、1975年までインドシナ戦争は継続するのだ。すべて、共産主義からの防衛を掲げている。当時から、防共は叫ばれ、北ベトナムが社会主義、南ベトナムは資本主義と言った構図になっていた。つまり、朝鮮戦争と同じ構図になる。
最近、勝共連合とか聞くと思うが、1968年に朴○煕、笹○良一、岸○介、蒋○石、文○明(統一教○)等の力で国際勝共連合として発足している。だから、当時から、南ベトナム解放民族戦線をベトコンと蔑んで、アメリカの行為を肯定する政治家が、日本には沢山いた事を忘れてはいけない。勿論、いた事が直接悪いと言うわけではない。
(高校2年生の時の世界史の授業で習い、それで使ったノートを丸写しです。詳細は文献を参照されたし)
さて、この映画だが、何を言いたいのか僕は全く分からない。米軍どうしの殺人が2回行われ、最初の殺人は権力争いであるが、二度目は『えっ!』と思わず身を引いてしまう。立派な殺人。なんでこの表現が、反戦映画の名作になるのか分からない。兵隊やくざの大宮キサブロウすらやらなかった。これが民主主義国家、アメリカのリベラル層の理論なのだろうが?
30歳の時、大阪で夜行列車を待つ間に、よしもとの劇場の隣で、オールナイトで見た。
この程度の映画で『弦楽のためのアダージョ』は使って貰いたくないと感じた。
また、アメリカは戦争を終結させたのてはない。敗戦したのだ。這々の体でサイゴンの街から逃げて行く姿を見て、やっと終わったと感じた。
8月15日を終戦と言うのはおかしい。敗戦記念日なのだ。不謹慎だろうが、原爆を2つも落とされて、終戦と定義すると、『原爆は戦争を終わらせる為に落とした』と、カーチス・ルメイの様な悪魔に語られる事になる。❴なお、カーチス・ルメイはベトナムの北爆にも関係している。そのルメイに日本人は勲章を授けている!❵
敗戦記念日とは、沢山の罪のない日本国民が殺され、戦えなくなって敗けた記念すべき日と考えるべきだ。そして、負けても恥ではない。寧ろもっと早く白旗を揚げるべきだったのだ。
人間の狂気
この作品は戦争の怖さを全て語ってくれる。理由もなく戦い続けてたくさんの人が死ぬ。村襲撃シーンも善良な村人が理由もなく惨殺された。戦争が人間の全てを変えます。僕が大人になる頃には迷彩柄の服を着なくて良い世界になるといいです。
ジャングルでは、敵も味方も識別しがたい
ジャングルでは、敵も味方も識別しがたいので、敵だと思って身構えたら味方だったので安心してほっとしたところ、その味方バーンズ(トム・ベレンジャー)に撃たれてしまう。撃たれたエリアス(ウィレム・デフォー)の心境を思うと堪らない。一命を取り留め、敵から逃げようとしたがすでに遅く、圧倒的な数の敵は容赦なく彼に向かって撃ってくる。何10発もの弾が彼の体を突き刺さし、最後に彼はひざまずき両手を高く上げて死んでしまう、あの有名なポスターにもなったシーンでした。
このシーンで「弦楽のためのアダージョ」が流されるが、人が殺されるシーンでこんなに綺麗な曲が流されて良いのかなっていう気持ちもありましたが、実にこのシーンの情景にぴったりという感じで、涙が出るくらい切なくなりました。「地獄の黙示録」で、ヘリコプターによる爆撃シーンで流れたワルキューレの騎行とともに、映画音楽史に残る名曲、名シーンでした。
What do you know about a death? リアルなベトナム戦争。これは凄かった。
古い映画だしたいして面白くないだろうけど、「午前10時の映画祭」であるし有名作品だから一応観ておくかぁぐらいの気持ちで観に行った「プラトーン」。いやいや、これは凄かった!ホント衝撃でした。
先ずジャングルの中で蟻に噛まれたりする所からリアルです。こりゃ実体験がないとなかなか思い付かない演出ですよね。でも、ベトナム戦争実体験ってオリバー・ストーンっていくつやねんっと思って調べてみたら70歳越えてました。けっこういってんだなぁ。
話を映画に戻すと戦争でおかしくなっていく人間模様もまたリアルなんですよね。思うんですけど、戦争状態の時って人が簡単に死んでいく訳で、命の価値も軽く思えてくるのではないでしょうか?だから「あいつ生意気だから殺してやろう」という発想になって、実際バーンズはエリアスを殺してしまったのかなと。人間どういう状態にも慣れてくるといいますが、戦争の状況でも慣れてしまうものなんでしょうね。そして、中東とかでは今もそんな状況だったりするのでしょうか。
出演陣ではチャーリー・シーンが流石に若い!何となく悪いイメージしかない俳優さんですが、当時はまだ純粋そうです。そしてエイリスを演じたウィレム・デフォー!まだ顔にあまりシワがない!凄く悪人顔なのに本作では良心でした。あ、フォレスト・ウォーカーもいる。え、ジョニデもいたんだ!?
古いし観た後鬱になりそうだしで何となく敬遠していた本作ですが、これは観て良かったと思える作品でした。
戦場の狂気を描いた映画の中では、解りやすい良作。
午前十時の映画祭で、30年ぶりに観賞。
ベトナムで米兵は何をしたか…をオリバー・ストーンは描いたという。
戦場で行われた狂気の沙汰は、ベトナムでの米兵に限らず、繰り返されたこと。
日本兵も中国人や朝鮮人に同じような愚行をしでかしている(と、伝えられている)。
人間の愚かな本性なのだろう。
「地獄の黙示録」のような極端な狂気の世界ではなく、単純な、善悪の境を見失った男達とその一歩手前で踏みとどまった男達の物語で、解りやすい。
本来優しい目元をしたトム・ベレンジャーが顔に傷をつけて歴戦の勇士である凶行の曹長を、
強面のウィレム・デフォーがそれを制止する対立の曹長を演じる。
このキャスティングは逆転の発想のように感じた。
映画は過酷な戦場風景をリアルに淡々と描いているようで、
一人敵兵の側面に迫ったデフォー曹長をベレンジャー曹長が追う場面では、
サスペンス感溢れる緊張の演出が見られる。
そして、デフォー曹長の壮絶な最期がクライマックス以上に印象的な名シーンとなっている。
語り手役のチャーリー・シーンは、
とうとう自ら処刑を敢行する。
狂気のベレンジャー曹長は、多くの味方を救っている勇士でもあるのだ。
正義が存在しない戦場で、彼もまた殺人者となった。
「地獄の黙示録」でウィラード大尉を演じた父親のマーティン・シーンは、
やはり本編の語り手であり、カーツ大佐を暗殺する。
こちらは、そもそも暗殺することが指令だったのだが。
衝撃受ける
小学生の時に鑑賞し、内容はよくわからないながらもたいへんな衝撃を受けた映画です。
午前十時の映画祭で上映されていたため、よい機会なので再鑑賞。成人してから観ても、十分に衝撃受けますね。
オリバー・ストーン監督の実体験を基にした映画とのことで、とてもリアルな映画だったと思います。真実のところはわかりませんが、細部にわたって生々しく、ベトナム戦争はこんな感じだったんだろうな、という雰囲気が伝わります。
リアルさは、人間関係にも出ているように思います。兵士全員が戦争に適応して狂ってるわけではなく、エリアスみたいに理性を保っている人もいる。村の焼き討ちのときは、もっと凄惨な結果になると思っていましたが、民間人を殺すと軍法会議にかけられる等、ブレーキをかける兵士の方が多く、それがリアルに思えました。民間人殺害で揉めるエリアスとバーンズ、レイプを咎めるテイラー、子どもたちを抱えて移動する兵士たち。バーンズみたいに狂わないと適応できない戦場で、ギリギリで人間性を保とうとする姿勢からは、人間が持つ粘り強さを感じます。
葛藤できるって高度ですよね。同じベトナム戦争映画でも、全員狂人の『地獄の黙示録』とは違う印象を受けます。あっちは、みんなアタマがやられちゃって誰も葛藤できない。
登場人物の行動も、しょうがないよね、無理もないよね、と思えるものばかりでした。バーンズはわかりやすい悪役ポジションですが、戦争に適応していけばああなるのも自然だと感じました。テイラーの終盤における決断も理解できますし。劇中のさまざまな行動が、「そうしちゃうよね」「せざるを得ないよね」と思えてしまうのが、リアルさにつながっているように感じます。
で、そんな風に思えてしまうことが、戦争を筆頭にした人為的に作られた異常な環境のヤバさなのでは、なんて考えています。
戦争モノはあれこれ考察するより、ヤバい体験を実感するほうが、私の場合は意味あることのように思えるため、ダラダラ考察はこの辺で。
すげー体験でした。
演者について。鑑賞前はチャーリー・シーンを見るたびに「マイポルノファミリー(笑)」とか思ってジワるのでは、と想像してましたが、ぜんぜん。物語の吸引力が凄いため、事前の不安(?)は杞憂でした。ジョニデはどこに出ているのかわからなかったです。
この映画の意味、イデオロギーの対立
この作品は戦争映画ですが深みがあります。
個人的見解ですが、エリアスとバーンズの対立はベトナム戦争当時のアメリカ国内のイデオロギーの対立を表しています。
バーンズは戦争を支持してきた保守派の勢力の象徴であり、そして主人公も最初はバーンズ(強いアメリカ)に憧れています。
エリアスは反戦左派(この映画ではアメリカの良心)の象徴です、これはエリアスの主張に表れています。(露骨ですがエリアスと仲間達がヒッピーパーティーをやっているのもその演出ですね)そして戦争の真実を知り、バーンズ(強いアメリカ)の狂気を知り、主人公はエリアスに傾倒していくのですが
エリアス(アメリカの良心)はバーンズ(強いアメリカ)に殺されます。
あのエリアスのポーズはアメリカの良心の死を表しているのです。
主人公がヘリに乗って戦場を去る時の意味深なナレーション「エリアスとバーンズの反目はいつまでも続くだろう、時として僕は、あの2人の血が僕の中にも流れているのを感じる」とは
まさに人間のイデオロギーの対立を指す言葉です。
何回見ても面白い
最初は劇場で見て、DVDでも見て初めて地上波吹替えで見たところ今までで一番理解できたかもしれない。役者の顔も最近ようやく覚えられるようになってきたので、かなり見分けがついた。
ちょっと疲れるともうダメだなんて弱音を吐いてしまうのだが、ベトナム従軍兵は雨の中蟻に噛まれながら外で寝たりしないといけないし、思い荷物を運んだり、嫌なおっかない上官と一緒に行動しなければならない。それを思えば自分の日常なんて、仲間に撃たれる事もなく本当にどうってことないと思える。
泣きたくなったり死にたくなった時こそみるべき映画である。またそのうち見よう。
(追記)
午前十時で見た。多分4度目で、やっぱりとても面白かった。ウィレム・デフィーが悪者じゃない役だった。生死が紙一重感がすごかった。特に村長の奥さん、変に興奮しなければ死なずに済んだのに気の毒だった。
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