「【“トゥワンダ!”今作は、女性、黒人蔑視時代に偏見無く、自由に生きた女性の物語が、現代に鬱々と生きる女性の生き方を徐々に変えていく様を描いたヒューマンドラマである。】」フライド・グリーン・トマト NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“トゥワンダ!”今作は、女性、黒人蔑視時代に偏見無く、自由に生きた女性の物語が、現代に鬱々と生きる女性の生き方を徐々に変えていく様を描いたヒューマンドラマである。】
■夫婦仲が倦怠期そのもので、自らも太っている事に引け目を負う主婦・エヴリン(キャシー・ベイツ)。
ある日、夫婦で出掛けた老人ホームで元気な老女・ニニー・スレッドウッド(ジェシカ・タンディ)と出会う。彼女が話す若き時の昔話は魅力的で、エブリンは次第に引き込まれ面会日を楽しみにするとともに、彼女自身の生き方も変えていくのである。
ニニーが話すのは、50年前、2人の女性イジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)と、ルース(メアリー=ルイーズ・パーカー)とその人種を越えた仲間達との物語だった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・物語は、現代と50年前のアメリカと並行して描かれる。50年前。イジーは大好きだった兄を、列車事故で亡くしてから、家にも帰らずにホーボーの様な生活をしていた。だが、彼女には人種偏見は無く、恵まれない人に列車に積んである荷を分けて上げる生き方をしていた。
・彼女の有人になった良い家の出のルースは、最初は彼女に馴染めずにいたが、徐々に自由だが、芯のある生き方をするイジーに惹かれ、二人は親友となって行くのである。
・ルースが結婚した相手のフランクが差別主義者でルースにも手を上げる男だと分かった時に、二人で家を出るシーンや、彼が二人を追って来た時に起こった出来事なども、この物語に厚みを持たせている。
特に、殺人容疑で捕まったイジーと仲の良かった黒人、ビッグ・ジョージの裁判で、厳格な神父が”二人は無罪である!””と裁判官に”白鯨”に手を置きながら説明するシーンなどは、大変に良い。
・そんな、イジーの話を聞いたエヴリンは自分の生き方を見直し、夫にもその姿を見せて二人の関係性は改善されるのである。
<そして、ニニー・スレッドウッドが一時的に家に戻った時に、彼女の家は老朽化の為に壊されていてないのである。
だが、エヴリンはにこやかに、彼女の手を取り、改造した自分の家に連れて行くのである。そう、ニニー・スレッドウッドこそが、イジーだったからである。
今作は、女性、黒人蔑視時代に偏見無く、自由に生きた女性の物語が、現代に鬱々と生きる女性の生き方を変えるヒューマンドラマなのである。>