劇場公開日 2022年11月5日

冬の旅のレビュー・感想・評価

全32件中、21~32件目を表示

4.0本当の“多様性”とは?

2022年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1985年の制作の私は全く知らなかった作品ですが、ネットで凄い作品という噂は聞いていたので観に行きました。
監督はアニエス・ヴァルダで私は昔に『幸福(しあわせ)』だけ観ていますが、これは傑作でした。

本作も確かに凄い作品だと思います。非常に心をざわつかせる作品でした。しかし、何が凄いのかを説明し難いし、感想を書くのも難しい作品でした。
でも、十代の多感な時期に鑑賞していたら、かなりの衝撃を受けたことは間違いない作品だったと思います。
そういう意味では、私の場合アメリカンニューシネマの作品群と同じ様なメッセージを持っていたのかも知れません。

近作で似たような類似作品を探すとすれば『イントゥ・ザ・ワイルド』や『ノマドランド』などを挙げられるのですが、全くテイストは違います。(そういう意味ではフランス映画ならではの作品なのかも知れない)
あちらの主人公には“信念”の様なものが作品の中で一貫していたので、理解しやすかったのですが、こちらにはそれが無い、というか分かり難い。
一見ただの浮浪者の野垂れ死にの様に捉えられなくもない死に方でしたが、それともちょっと違う何かも感じられました。恐らく“信念”とは別のものにつき動かされていたのだと思います。

こういう作品によく使われる単語として“自由”“現実逃避”“社会への反抗”“個人主義”等々の言葉が頭の中で飛び交うのですが、本作の場合はどれもピタっと当てはまらない様な作りに敢えてしている様な気配(計算)さえ感じられます。その辺りは『幸福』とも共通する作風です。
なので、鑑賞するにも相当なインテリジェンスを要する作品なのだと思えますし、私も言語化出来る自信は全くありません。
ただ直観的に、人間の真実というのか社会教育される前の人間の根幹に元々ある何か大切なものを生きることにより消失されるのを描いていた様にも感じられました。
なんだか、キリキリと胸が痛む作品ではありました。
これは誰にでもお勧めできる作品ではありませんが、馬鹿みたいに“多様性”という言葉を使いたがる人達には本当の“多様性”の意味を考えるうえでも観ておくべき作品だと思いました。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
シューテツ

3.5自由とは何か

2022年12月4日
iPhoneアプリから投稿

現代では言うと「ノマドランド」なのでしょうか。
しかし社会を見つめる様は冷徹でありリアリスト。オープニングとエンディングが繋がるのに、見方がガラッと変わるあたりが、見事な演出。

新聞でたまに見るホームレスの死を見ていて、ここまでダイレクトに社会を反映させて見れただろうか?

やはりヌーヴェルバーグは凄い

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ビビ

4.5こんな作品に出会うために映画を見続けている

2022年12月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

未見だったアニエス・ヴァルダ監督作。

そしてこれはオールタイムベスト級の決定的な作品だった。

少女の凍死体。ヒッチハイクをしながら旅を続けていた彼女が命を落とすまでの数週間を彼女と出会った人たちの証言でたどった。

世間に馴染むことなく一人で生きる彼女。
面倒だと言って働こうともしない。

彼女自身も予期しなかったであろう自らの死。
周りに存在するリスクにさえ無頓着だった。

う〜ん、これは感情を挟む余地がない必然的な悲劇。何にもないクソのような人生に共鳴した。ヒリヒリした。

今年出会ったバーバラ・ローデンの
 「WANDA ワンダ」(1970年)、
そして昨年出会ったケリー・ライカートの
 「ウェンディ&ルーシー」(2008年)
を思った。
時や国を超えて脈々と受け継がれるDNAがあることを確信した。

自分はこんな作品に出会うために映画を見続けているのだと思う。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
エロくそチキン2

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2022年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
imymay

4.5自由は孤独

2022年11月24日
iPhoneアプリから投稿

普通に社会に溶け込んでいる人から見たら彼女の生き方はとても不器用に見える
こんな風にしか生きられない人を淡々と描いていている

コメントする (0件)
共感した! 0件)
m m

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2022年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
りゃんひさ

4.0スキャンダラスな無鉄砲娘にワクワク

2022年11月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

南フランスでヒッチハイカーが凍死したニュースをヒントにした実験的映画。
ヌーベルバーグの先駆者のアニエス・ヴァルダの劇映画の最高傑作と言われている本作。1985年ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。
畑の側溝の死体から始まり、遡って目撃者や関わった者たちの証言の映像化に挑戦。
さすらう若いストレンジ・ウーマン。
17歳のサンドリーヌ・ボネールが主人公モネを演じる。
体格も良く大人びている。
四角顔のワシ鼻で顔つきもワイルド。まったく物怖じしない。
人に媚びない。
ふてぶてしいアウトロー。
ぶっきらぼうな仕草。
汚い爪、臭そうな体臭。
でも、そこがカッコいい。
しかし、魅力と脆さは紙一重。
過酷な運命が待ち構えていることはわかっているが、その過程を目撃することはじつにスリリング。
彼女のさすらいの目的や人生の価値観、信条はなんなのか? 果たしてそんなものがあるのか否か?
若い女性がひとりで放浪。
彼女が生きてゆくためのツールはその若い肉体と無鉄砲な危うさだけにも思える。トラブルに巻き込まれる確率は恐ろしく高いはず。
綱渡りのサバイバル。しかし、じつにあっけらかんとしていて、自暴自棄。
気になって仕方ない。
じつに、スキャンダラス。

女中のヨランダを演じるヨランダ・モローの独特の芝居がくさいけれども、おかしみがあって好き。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
カールⅢ世

4.0死から始まる。死ぬと本人すらわかっていながら抗わぬのは本能というか...

2022年11月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

死から始まる。死ぬと本人すらわかっていながら抗わぬのは本能というか死を持ってしても譲れないという事か。人間が生きる為に作った全てに抗う。生き物はなんと難解。いやシンプルか。しかし彼女が落ちぶれていく様についつい心震える。ヴァルダはやはり天才だ。同様の映画は他にもあるが、やはり違う、少し。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
kazuyuki

3.0冷たい社会と温かい他人

2022年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

作品はモナの死後、彼女と関わった人々のインタビューを通して、彼女の人物像を明らかにしながら、その足跡を辿っていく。事件や自己を説明するのにテレビで用いられる再現VTRのような構成。
自分探しといった前向きな目的は感じられず、ただ何にも縛られない自由を求め彷徨い続ける一方で、寝食やヒッチハイクで他人の力を借りつつも、最終的にはいつも決まって追い出されるようにその場を去っていくことの繰り返し。これは、一体なんのメタなのか?
1980年代前半のフランスは、大統領就任直後のミッテラン・ショック(インフレ、景気の減速、失業者増加)の影響下。「冬の旅」の翌年には「ベティー・ブルー」が公開される。そんな時代背景を大きく反映しているようだった。

モロッコからの出稼ぎにフランスに渡った男性のマフラーへのキスが印象的、

コメントする (0件)
共感した! 1件)
そろそろだな。

4.5救えない者もいる、この世界

2022年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
ドラゴンミズホ

3.5諸行無常

2022年11月6日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
Oyster Boy

5.0忘れ得ぬ青春の一本

2020年8月19日
iPhoneアプリから投稿

20歳のとき
映画館で胸えぐられた
もう一度みたいのに叶わない

into the wild にも通ずる物語
わたしはただ生き延びてここにいる

コメントする 1件)
共感した! 4件)
ぱくぱく
PR U-NEXTで本編を観る