「Simple is best」フォロー・ミー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
Simple is best
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恋愛の蜜月は結婚とともに終焉を迎える?、ボードレールは「結婚は人生の墓場」とまで言っているし、世にいう「おしどり夫婦」の雄は実は毎年パートナーを変えているのだが人は気づかない、まして夫婦の温度差など他人には知る由もない。
自由奔放で自分の気持ちに正直に生きようとする主人公ベリンダ( ミア・ファロー)に対して保守的な夫チャールズ(マイケル・ジェイストン)は妻の外出癖に疑心を抱いてしまう。外見とは裏腹に悪戯好きの天使のような心を持った私立探偵に諭されて二人は見失っていたときめきを取り戻す散策に足を踏み出すのだった。シンプル・イズ・ベスト、10日間のロンドンの散策は実に他愛無いのだが映像と音楽のベストマッチングによりセリフ以上に心情が伝わってくる。
つかみどころのない主人公をミアは実に自然に演じている、べリンダがインドに行った話はミアの実体験だろう、失礼ながら絶世の美女と言う訳でもないのに最初の夫がシナトラ、次が音楽家のアンドレ・プレビン、ウッディ・アレンとの間にも子をもうけている、彼女の持つ何が彼らを惹き付けたのか興味深い。もっともアカデミー賞の受賞式で好きな映画を聞かれ「ゴジラ」と答えたのだから並みの女性ではないことは伺える。
ロンドンにあれほど陳腐な名前の通りがあったとは知らなかった、住み慣れた街にも新たな発見があるかもしれません、晴れたら奥さんを誘ってみましょうか・・、そんな気分にさせてくれる良作でした。
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