「自分の成長に応じて見える風景が異なる映画」フォレスト・ガンプ 一期一会 たさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の成長に応じて見える風景が異なる映画
見るべきときに見れた映画。一度目はうーん都合がいいなと思ってなにもしっくり来なかったのですが、2回目の視聴でとても心に響きました。これはいい映画だわ!
フォレストガンプの語り口とそれに合わせて映像が流れる仕様が小気味よく、想像できない展開も起こるのでずっとのめり込みながら見れました。
以下感じたことです。
知的に少し遅れがあるフォレストガンプが語る事実だけの情報と、その裏で起こる健常の(と語弊があるかもしれませんが)人々のうずまく感情とのギャップが魅力でした。
語り口は淡々としているけれども、人の感情はこれ以上ないほど揺れ動いている。そこのギャップに引き込まれるし、重くなりすぎずに見られる。
言葉通りにしか受け取らない、受け取れないフォレストガンプはとてもシンプルでピュアな世界に生きてるんだなあとそう言う特性を持った人への見方が広がりました。
先々子供を持つことを考えた時に発達障害があったら、などかなり不安に思っていたのですが、この映画のお陰でただ特性が違うだけなんだなとようやく理解できた気がします。
とはいえ、子供がいるとわかった時にガンプが子供の知能を気にする言葉から、彼の内面は言葉にされにくいけれども本当に大変な思いをして傷ついていたんだなと言うことはありありと伝わってきて…
ただ自分が思うままに生きているだけなのに周囲の評価が良くなったり悪くなったりと(この映画ではあまり悪くはなりませんが)、人生ってやりたいようにすれば良いんだな、人の評価なんて状況で変わるから気にしなくていいんだとようやく腹落ちもしました。
シンプルに好きなことをやって生きていていいらしい。
ジェニーはジェニーで親の被害のせいで彼女自身の人生にかなり影響が出ていて見ていて苦しかったです。
ヒッピーにハマるのも、ヌードになるのも、鳥になりたいと思うのも、過去の傷を引きずっているから、自分の人生を生きれてないからああなのだと思います。
昔の私ならまあこう言う人もいるよねと流していたと思うのですが、今はああ生きる理由がありありと見えるので胸がぎゅっとなります。
色々書きましたがいい映画でした!またもう少し歳を重ねた時に見たいと思います。