「報われなかった人生の偶像」フォレスト・ガンプ 一期一会 kam_mさんの映画レビュー(感想・評価)
報われなかった人生の偶像
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高校生以来、20年ぶりに見直しました。大人になると主人公よりも脇役の人生に想いを馳せてしまいます。そしてフォレスト・ガンプは報われなかった大勢のアメリカ人たちの偶像のように感じてとても悲しくなりました。フォレストのミラクルラッキーな人生がなぜ描かれているかというと、本当はジェニーは薬漬けで自殺、ダン中尉は神と和解できずに死んで、母は子供を普通学級に入れることができない、という話の方が現実的で50年代〜70年代のアメリカにはそういった人間は大勢いただろうなと思うのです。激動の時代にはどうにもできない現実を生きた人々がたくさんいたでしょう。それでフォレスト・ガンプという存在が多くの報われなかった人生を昇華しているように感じました。物語の中ではフォレストの周辺の人はフォレストの影響で幸せな人生を送ります。「人生はチョコレートの箱」かもしれませんが、中身は空かもしれません。ただこの作品の中ではフォレストによって素敵なチョコレートの詰まった箱として別の人生を送ることが出来ているのだと思いました。
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