「生きる道を示してくれる、だけじゃない」フォレスト・ガンプ 一期一会 Hakuna Bananaさんの映画レビュー(感想・評価)
生きる道を示してくれる、だけじゃない
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こんなにも人の心を動かせたのはフォレストだからこそなのか。彼は特別で、他の人とは違っているのか?そうではないだろう。母親が言っていた「お前は皆と同じ。何も違ってない」というのは、我々にも向けられた言葉なのではないか。彼の頭が単純だからではない、誰でもフォレスト・ガンプになる資格はあるのだと。
とは言え、誰もがフォレストになれという映画ではないだろう。上記で母親の言葉を借りたところだが、映画の中ではフォレストは普通ではない。逸脱した考えを持っているからこそ人を動かす。実際の生活でも、我々が常識としている範疇を逸脱して行動する人はいる。
本作にはその人に対してどのように接するべきなのかというメッセージも込められていると考える。母親やダン小隊長、ババ、ジェニーは皆フォレストのことが好きだった。真っ直ぐな思いを持った人は真っ直ぐ好きになればいいのだ。これはきれいごとではない、真理だと思う。
また、フォレストが些細な動機から人々を動かすに至ったということを逆に捉えると、「大衆を動かす大事件でも本質は些細なことだ」というテーゼも見えてくる。作中随所に、暗殺事件や戦争、汚職など歴史的事件が挟み込まれていたが、そのようなものも元を辿れば全て些細なことに行き着くのではないかと思う。
それにしてもこの手の作品はずるい。ツッコミどころがあっても、「余計なことは考えず真っ直ぐ信じれば上手くいくんだよ」となだめられる気分がする。
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