「あのマジックは何処へ?」フェリーニのアマルコルド osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
あのマジックは何処へ?
深夜の大型客船のシーンや、早朝の霧の中、詩的な雰囲気で現れる牛のシーンなど、いかにもフェリーニな感じの、期待していたとおりの映像は出ては来るのだが、もうこの頃に至っては、嘗ての人間離れしたマジックが消えかかって見えるのは私だけだろうか?
暗闇から大型客船が現れて皆んなが熱狂するシーンなどは、あの圧倒的な客船をもっとゆっくり長回しにした方が効果的だった気がする。
オリジナルの予告編を見た時には傑作にしか見えなかったので、フィルムの素材自体は良かったのだと思う。
改めて編集し直せば、もっと良くなったかもしれない。
音楽のリミックスみたいに出来れば、やってみたいもんだ。
パブリックドメインにならないかな?
あと俳優たちに関してだが、これ以前の作品のマストロヤンニや、アニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ、あるいは、ジュリエッタ・マシーナたちと比較しても酷なのかもしれないが、ちょっと魅力に欠けていた。
女優陣に関しては演技指導も甘かった気もする。
フェリーニは全作品を見た訳でないが、長編作品としては、やっぱり「8 1/2」がピークだったのではと思う。
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