「【”お前だから許せる。”FBI潜入捜査官とマフィアとの友情を捜査官と妻との関係性を絡めながら描いた作品。後半、マフィアを演じるアルパチーノの潜入捜査官を観る切ない眼が沁みる作品である。】」フェイク NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”お前だから許せる。”FBI潜入捜査官とマフィアとの友情を捜査官と妻との関係性を絡めながら描いた作品。後半、マフィアを演じるアルパチーノの潜入捜査官を観る切ない眼が沁みる作品である。】
ー 最後のテロップで流れるが、今作は実話ベースだそうである。ー
■1978年11月のニューヨーク。
マフィア組織への潜入を命じられたFBI捜査官ジョー・ピストーネ(ジョニー・デップ)は、ドニーと言う変名で、その一員であるレフティ(アル・パチーノ)に近づく。
レフティは頭脳明晰で度胸もすわった彼を気に入り、共に組織の中でのし上がろうと考える。
当のジョーも着実に捜査を進めるが、マフィア組織同士の抗争が起き、二人の運命は変わって行く。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・物語は、FBI潜入捜査官ジョー・ピストーネ(ドニー)とマフィアの一員レフティとの友情と、ジョー・ピストーネと、その妻マギーの二つの関係性を軸に描かれる。
・組織に潜入すればするほど、家庭を犠牲にしなければいけないFBI潜入捜査官の辛さと、心根の優しいレフティに対する想いを、ジョニー・ディップが見事に演じている。
・又、レフティ演じるアル・パチーノも、最初は(ドニー)の兄貴分として振る舞うが、徐々に(ドニー)を”お前は俺の親友だ。”と言い、二人で組織の中でのし上がろうとする姿を絶妙に演じている。
・後半、余りに早い警察の動きに、仲間の中に裏切り者がいると知った時の、レフティたちマフィアの姿。
(ドニー)がレフティをマフィアから抜けさせようと、大金を用意する中、レフティが(ドニー)を裏切り者ではないかと車の中で問い詰めるシーンは、今作の白眉である。
あの前の時点で、レフティは(ドニー)を内通者だと思っていたのではないか。
だが、レフティはニッキーを内通者に仕立て上げ、殺すのである。
<ラスト、ジョー・ピストーネが妻マギーと三人娘の前で、その功績を称えられ表彰されるシーンでジョーは、一切笑顔を浮かべない。
仲間によって殺されることを覚悟するレフティの事が有るからだと思う。
表彰されるジョー・ピストーネとは対照的に、妻との思い出の品を静かに戸棚に仕舞うレフティを演じるアル・パチーノの表情が切ない。
今作は、FBI潜入捜査官とマフィアとの友情を捜査官と妻との関係性を絡めながら描いた逸品なのである。
そして、老いつつあるアル・パチーノと、スターダムを駆けあがるジョニー・デップの実人生も、被って見えてしまう作品でもあるのである。>