ファンタズム
劇場公開日:1979年11月3日
解説
ナイーブで孤独な少年の感受性が生んだ恐怖幻想を、こころのプリズムを通して描く。製作はドン・コスカレリ、監督・脚本・撮影・編集は「ボーイズ・ボーイズ ケニーと仲間たち」のドン・コスカレリ、音楽はフレッド・マイローとマルコム・シーグレーブ、特殊効果はポール・ペッパーマンが各々担当。出演はマイケル・ボールドウィン、ビル・ソーンベリー、レジー・バニスター、キャシー・レスター、テリー・カルバス、アンガス・スクリムなど。
1979年製作/89分/アメリカ
原題または英題:Phantasm
配給:東宝東和
劇場公開日:1979年11月3日
ストーリー
満月に照らし出された、墓地で快楽に酔う1組の男女。しかし、男が絶頂に達した時、女は短剣で男を刺し殺してしまった。女は、ラベンダーの香りを放つ謎の美人。殺された男トミーの葬儀が行なわれた日、彼の親友ジョディ(ビル・ソーンベリー)とレジー(レジー・バニスター)の2人だけが式に参列した。1年程前に死んだジョディの父母もこの霊園に眠っている。ジョディの弟マイク(マイケル・ボールドウィン)は13歳の多感な少年で、両親を早くに失ったため、兄が都会へ行ってしまうことを恐れている。トミーの葬式の後、マイクは奇妙なことを目撃した。異常に背の高い男<トールマン>(アンガス・スクリム)が死体の入った棺をかついで車に放り込むとどこかへ消えてしまったのだ。恐怖におびえるマイクは、ジョディにそのことを伝えたが、取りあおうともしなかった。その夜、ジョディが、キャッチバーで知り合った若い女と連れ立って、墓地へ行きセックスを始めるところを、マイクが目撃していた。その時、不気味な小人の影をみたマイクは、恐怖のため逃げだした。あとを追ってジョディが走る。その間、女はラベンダーと死の匂いを残して姿を消していた。次の夜、霊園に潜入したマイクは、地下の部屋から探り始めるが、人の気配でふりむくと、墓守が迫ってきた。その瞬間、凄い唸り声をあげ銀色の球体が飛んできて、墓守の額に激突した。球の中からはドリルが突出し、墓守の顔は血みどろになった。あまりの恐ろしさに、ただ逃げまどうマイクを、今度はトールマンが追ってきた。無我夢中でナイフをふりまわし、トールマンの指を斬りおとしてからマイクはジョディのいる自分の家へ駆け戻った。そこで2人は、斬り落とされた指が変身した巨大な悪鬼の虫に襲われた。遂にジョディは、自ら軍用拳銃を携えて、霊園探索にのりだし、地下室に潜り込んだ。しかし、いくつもの小人に襲われたため、もと来た道をひきかえし、助けに来たマイクの車に乗り込んだ。ジョディとマイクの車がフルスピードで逃げると、運転手のいない不気味な車に追撃された。カー・チェイスの末、その車が大木に激突して、炎上。中には、小人にされたトミーが横たわっていた。2人は追求を続けるために、再び霊園に潜入し、そこで両親の遺体が消えていることを知った。その時再び、銀色の球体が兄弟めがけて飛んできた。火を噴くジョディのライフル。今度はトール・マンが接近してきた。姿を消していたレジーが、突然現れて兄弟と共に走った。逃げこんだ部屋で、不思議な穴をみつけ、マイクは魅せられたようにその穴に手を差し入れた。と、その時、マイクが吸い込まれそうになり、間一髪、ジョディとレジーによって引き寄せられた。しかし、その時、マイクは恐ろしい光景を目撃していた。異次元の世界で、多くの人々が小人にされ、ドレイとして悪魔に酷使されているのだ。その直後、レジーが怪死した。やがてジョディとマイクは、力を合わせて、卜ール・マンを廃坑の中に突き落とし、ようやく悪鬼をやっつけた。すべては終わったのだ。しかし、死んだはずのトール・マンが、再びマイクを襲った。その瞬間、マイクは目をさました。すべては、彼の悪夢なのであった。