ファンタスティック・プラネットのレビュー・感想・評価
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独特の世界観のあるキモ面白い映画
2021年に劇場公開されていた当時、色々と話題になっていた作品。WOWOW公式がYouTubeで期間限定公開していたので鑑賞しました。
結論、キモイ!!!!!(誉め言葉)
独特の世界観で描かれる、ペット化された人間と上位存在のドラーグ人との対立。美しいながら奇妙な世界観で描かれる情景は、結構好き嫌い分かれそうな気がします。私は好き。
ストーリー自体も案外分かりやすく、ドラーグ人に虐げられていた人間の反乱の物語ですね。ストーリーは結構単純なのに正直世界観が奇抜過ぎて、本作を理解できたかと問われれば微妙なところですね。瞑想すると赤いシャボン玉が飛んでいくところとか、未だによくわかりません。
カルト的な人気を持っているというのも分かる、不思議な魅力を持った作品だと思います。
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地球ではないどこか別の惑星の話。そこには青くて巨大な体で高い知能を持っていたドラーグ人と、彼らに虐げられる人類(オム族)が生活している。ドラーグ人のいたずらで母親を喪った少年・テールは、ドラーグ人の知事の娘であるティバに拾われ、愛玩動物のように首輪をつけられて生活することになるが……。
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『猿の惑星』にテイストが似ているように感じます。人類の上に立つ存在が現れた星を舞台にしたSF。
調べてみると、猿の惑星の原作は1963年の発表ですが、本作の原作『オム族がいっぱい』は1957年に発表された作品です。つまり猿の惑星に先駆けて「生態系の頂点が人間じゃない星SF」を描いた作品と言うことになります。先進的ですね。
猿の惑星の方が先に映画が製作・公開されたこともあり、本作の知名度は猿の惑星に劣りますが、もしかしたら猿の惑星よりも本作の方が人気になってリメイクや続編がどんどん製作される世界線もあったかもしれませんね。
観る人を選ぶキモカワ映画ですが、一見の価値ありです。オススメです!!
き、気持ちわるっ…でも
気持ち悪い。でも、めちゃキレイ。色合いとかオシャレ。絵本が動いてるみたい。
…と思ったら切り絵アニメなんだそうです。つまりキャラクターを描いたら、頭、腕、足などパーツ毎に切り離して動かします。独特な動きになるので気味悪さがパワーアップ。走って逃げる描写など、身体が上下に跳ねるような動きがあまり無いまま水平に動くし、手や足のパーツだけパタパタ動く感じになるんですよね。絵のタッチは繊細で芸術性の高さを感じるのに、動くとなんかカクカクしててちぐはぐというか、違和感あるというか。さらに独特の音楽(確かに言われてみればピンクフロイドっぽい)も相まって、ヒーッ…こ、怖い笑
中世のキリスト教絵画みたいな不気味さがあります。絵がちょっと歪んでて下手ウマなタッチです。中世は、あんまり写実的に裸体を描くと俗っぽくなるので(生々しいエロ本みたいになっちゃうんでしょう)、宗教画はわざと下手に描いてたようです。
この作品を見ると、人間て残酷なことしてるよねぇ…と思い知らされます。
すごくきれいだし、衝撃的だし、凄い!って思うけど好きかと聞かれると微妙。好き…ではないかな。でも一度は見ておきたいタイプです。全然古く感じないのは凄い。かっこいい。
あと、ティバが超良い子じゃん…とキュンとしました。ペット(人間)に自分と同じ名前を付けようとする所ですっかり虜に。
私がフランス語が全く分からないせいか、宇宙人語に聞こえなくもない。ちなみにフランスとチェコスロバキアの合作です。全編通してずーっと戦ってるのと、古典的な絵柄のせいか、あの辺りの戦ってばっかりの歴史を何となく彷彿させるところあり。
シュール!シュール!シュール!
全編通して、不思議な世界観が展開される。
奇妙な動く植物、次々と生えてくる結晶体…
そして、何より人間が虫けら同然に扱われていることに、誰しも心の底にある気付かぬ罪悪感と恐怖心がざわついてくるだろう。
虫を見つけると、掃除機で吸ったり、ガムテープに付けて排除しようとしている自分の姿を思い浮かべるかもしれない。
今のところ人間以上の知能を持つ動物はこの地球上に居ないのが幸いしているが、何かのきっかけで遺伝子が組変わり、『猿の惑星』のように立場が逆転する可能性も完全に否定は出来ないのだ。
かと言って害のある虫を生活から排除しないわけにはいかないが、遊びの為に闘わせたり、意味のない殺戮や、己の過剰な欲望を満たすために残酷な扱いをしている人間の生き様について、考えを馳せることを本作は提示しているようだ。
もう少し視点を拡げると
この地球文明の始まりを考えてみることも出来る。
果たして、人類はダーウィンの進化論のように発達してきたのだろうか??
終わりは至って平和的なので後味は悪くないが、現実の人間の業に対して、地球はどのような結末を出してくるのか。
夢に出てきそうな作品
す、すごいものを見てしまった…。
今地球上で動植物を支配している人類が、
ドラーク人に虫ケラのように扱われているのがもう…。
人類が何かに支配される世界もあるかもしれんもんな…。
終始不気味でゾッとする感じだった。
ティバちゃんが大事に育ててくれたおかげ…。
もう本当すごいものを見てしまった…。
50年近く前の作品知って驚き。
訳わかんない草?動物?が本当夢に出てきそうで…。
手塚治虫の火の鳥でも書かれていたが、なめくじが高等生物の世界があったりして、
今の世界が奇跡的なものだということを知った。
24.3.12 YouTube WOWOW
シュール、でもそれだけじゃない
1973年にこの作品が作られたと思うと驚き。良い意味でどんな頭してるんだろう。
人間の未来かもしれないし過去かもしれない。フィクションだけど想像してみると面白い。
今の世界では虫たちから見た人間はドラーグ人だよね。でも人間はドラーグ人のように虫たちと和平交渉が出来るかな。
シュールだけどそれだけに終わらない作品だった。
異文化共生
そのイラストの癖の強さから遠ざけていたがふと思い立ち鑑賞。1973年製作だが既にチェコアニメ臭が凄いw内容は意外にも王道展開冒険活劇で楽しく観ることが出来た。
当初悪意すらなく虫けら同然に殺され続けた人類が反逆の糸口を掴むも和平交渉に応じる様や学習装置をどんな状況でも持って逃げる様に、言語を介し相手の文化を深く知る事で相互理解に至る事が出来るという作者の生物文明の理智性へのリスペクトを感じた。人類にとって圧倒的畏怖の対象であるドラーグ人が個となる瞑想で他生命体からエネルギーを供給しなければならないという設定も孤独からの理解共生的メッセージを感じる。
もしゴキブリが急に人語を使って自身の権利語られても人類は早々と停戦を申し出られるかしらなんて思うと同時にドラーグ人は余程理性的だなぁなんて。
怪奇アニメ
邦題は幻想的に言っているが原題を直訳すれば野蛮な惑星。
冒頭から逃げる赤子を抱いた母親、ドラーグ星人の子供に遊び半分に母親は殺されるという惨劇に思わず身を引いてしまいました。
確かに子供の残酷性は昆虫などの扱いを見てもわかります、命の大切さは本能でなく社会生活で学ぶことで習得するのかもしれません。弄ぶ側が弄ばれる側に逆転することで見えてくるものの大切さ、気づきは重要、テーマは哲学的ですが作家性を感じます。
生物の頂点に立つホモサピエンスだが芯には脈々と流れる野生本能があるのですよ・・。
アニメだから子供向けと思うのは浅薄かもしれないが、作画もグロテスク、とても子供には見せたくない残虐でシュールな怪奇アニメでした。
つまらない。わからない。
鑑賞後の気持ち
どんなメッセージがあるんだろう。ってずっと考えながら観ていないと最後まで観ることはできなかったと思う。深読みに深読みを重ねて、やっと出た答えが「知性が最強の武器」と言うことだけだった。そんなことはこの映画を観なくても知っていたから時間の無駄だった。
鑑賞後の心の変化
なし
鑑賞後の行動の変化
なし
好きなシーン
なし
嫌いなシーン
なし
人間のありかたを伝えようとしているアニメ・映画
まるで絵画のようなビジュアルに何とも形容しがたい動植物がはびこる惑星が舞台のアニメ映画
親を巨人”オム族”に殺された人間の子供”テール”の成長物語としてみることもできるけれど、最後は巨人たちと和解して終わる。
巨人が「争いは利益をうまない」という場面があったけれど、もしかしたら当時の冷戦真っただ中の情勢を皮肉したのでないかと考えさせられた。
メッセージ性、ビジュアルも良かったけれど欲を言えばもう少し人間と巨人の争う場面を長くして、巨人側にも「争いは何も生まない」って思想を芽生えさせる描写があったらもっと素晴らしい作品になったのでないかと思う。
ファンタスティックプラネット
日:20/12/28
方法:アマゾンプライム
ストーリー:ドラーク族が支配する星イガムでのストーリー。人間も住んでいる。ドラーク族は非常に大きく青い体を持ち、1日の多くを瞑想して過ごす。人間は(私達の生活でいう)昆虫みたいなもので、ドラーク族の子供達の間では人間をペットで飼うのが流行り。
主人公の人間テールはドラーク族のティバに飼われる。ティバは愛情を持って育ててくれる。ドラーク族が学習で使う金色のやつ(名前忘れた)をティバと一緒に聞きながら育ったテールはそれを持ち出し脱走する。外で隠れながら暮らす人間の元へ逃げたテールはそこの人間達と金色のやつを使い学習し知識を入れていく。
人間の賢さと繁殖力を恐れたドラーク族は、人間を駆除しようとするがテール御一行は間一髪逃げ出し、ドラーク族がロケット開発していた土地に逃げる。金色のやつで知識を蓄えながらその土地で人間用のロケットを開発。乗り込んだロケットで着いた星にはドラーク族の瞑想の先があった(ドラーク族は瞑想することで別の星にある体(箱)に自分達の魂みたいなんを送り込み、種の繁栄をしているということだった?映像ではダンスしてた)。この体をロケットに武装したレーザーで壊した。するとドラーク族は瞑想の魂の行き場がなくなり、イガムでのドラーク族本体は次々と死んでいく。
ドラーク族の多くは早急に人間を殺さなければ!と言うが、知事(ティバの父)は話し合いによる和解を決断。
最終的に与えられた人工惑星に多くの人間が移住する。人工惑星の名前は主人公であり英雄の"テール"の名をつけた。(テールはフランス語で地球)
感想:宗教的で壮大だけどさくっと見れる映画。絵は見る年齢によってはトラウマになる。人間の為の人工惑星だから、今の人間はドラーク族みたいな立場なんだろうな。地球を勝ち取った大先祖に感謝致します。
気持ち悪くて中毒性の高い傑作アニメーション
レビュー100本目。
あらすじとしては、
人間はドラーグ族に蟻のように扱われる。
主人公の高等人種テールはドラーグ族の子供のペット。
そんな中、テールはドラーグ族の家から逃げ出し、ドラーグ族から得た情報で反撃を企てる。
滅亡への道はこんな些細なことかもしれない。
そして、ドラーグ族にはある弱点があって…
一度見たら忘れられないあの超独特な絵のタッチ。
荒廃した土地に生える不思議な草花。
「キモい」という言葉がよく当てはまる生き物たち。
グロくはないけれど、残酷な描写。
ドラーグ族の人間たちへの雑な扱い。
そして、あの耳に残るゾンビ的な異様な音楽。
すごい風刺の効いた精神的に追い詰めてくる映画でした。
こんなにカルト的な作品は初めてだったので、かなり衝撃でしたが、かなり気に入りました。
人間があんなに虐げられていたので、ドラーグ族に復讐したら、スカッとするかと思いきや、全くスッキリしません。
最後に人間がテールと名付けた星が今の地球というオチも好きです。
仏捷式動画
まさに、ヒエロニムス・ボスの絵がアニメになったような作画であり、ストーリーは白人によるアフリカ大陸の植民地化を暗喩した世界観で成り立っている。音楽はルパン三世でかかっているようなBGMで、観ていて遠い世界に連れて行かれるような、全く形而上学的夢想感漂う世界へ誘ってくれる作品である。多分、日本のアニメに影響されたのか、それともしたのか、いずれにせよ相互作用が働いたのかもしれないと、明確な証拠もなく勝手に思っているのだが・・・パヤオの作品にも出てきてるような、日本の劇画のような、概視感が拭えないとにかく不思議なアニメであり、遺産として残しておきたい作品である。
青い巨人の人間狩り作
ざらざらしたタッチの絵
青い肌、赤目の巨人の様々な武器を使った人間狩り
奇怪な動植物、劇中音
テールと名付けられた男を筆頭に巨人への攻撃に成功
和平を結び移り住んだ惑星はテール(地球)となる
奇妙で独特な時間が流れる異色アニメーション
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