ビヨンドのレビュー・感想・評価
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地獄の門だもん。なんでもありよ。
フルチが『サンゲリア』『地獄の門』に続いて発表したゾンビ映画第3弾というわけで、フルチ節全開のグロゴア映画でございます。3作目にして一番まともな作品。お?ちゃんとした映画撮れんじゃん、フルチ!
まず、一番不安だった音楽が割と普通で助かりました。まだ若干ポップさは抜けきれていませんが、場面ごとに音楽を使い分け、緊張感や恐怖心を煽ります。…ってホラー映画なんだから当たり前なんですけどね…。
そして今作の役者はちゃんと演技してる!ゾンビを目の前にして叫び散らしている!これはすごいことです。すごい進歩です。これがあるのと無いのでは、観る側の感じ方が全く変わってしまうのですから。おかげで「私は今、ホラー映画を観ているんだ!」という気分になれました。まぁ、ホラー映画なんだから当たり前なんですけどね。
さらに脚本も「割と」しっかりしてます。地獄の門、エイボンの書、等のキーワードを軸に物語を展開し、終盤怒涛の展開へなだれ込みます。今作かなり丁寧にホラー演出が施されており、「私は今、ホラー(略
要するに、フルチもまともなホラー映画を撮れることが判明したのです。ただのグロゴアおじさんではなかったのです。
ただやっぱり、説明不足と描写不足は感じられ、「こいつ誰やねん」なシーンもあります。まぁ…観たいものが観れたからいいや(笑)
チープな考察系ホラー
名作な感じがして期待して観たら、ガッカリ…(苦笑)
ムダに残虐表現が多い、グロくて気持ち悪いです。
悪趣味だと思う。
なので、マイナス。
要考察な話ですが、この映画を考察する気には、なれないな(笑)
55点ぐらい。
ルチオ・フルチ監督の『地獄の門』と『ビヨンド』の名画座2本立て鑑賞...
ルチオ・フルチ監督の『地獄の門』と『ビヨンド』の名画座2本立て鑑賞。
続いては、1981年製作『ビヨンド』。
米国ルイジアナに建つ古い廃ホテル。
ニューヨークで暮らしていたライザ(カトリオーナ・マッコール)は、そのホテルを遺贈される。
改修をして再開を目指していたが、改修工事で職人のひとりが、白濁した瞳の女の姿を目撃して、転落死。
駆け付けた医師のジョン(デヴィッド・ウォーベック)は、「なにかあれば手助けをする」と申し出てくれる。
というところからはじまる物語だが、巻頭、モノクロ映像で60年前にホテルで起きた事件が描かれます。それは・・・
36号室で奇妙な絵を描いていた画家が村人たちからリンチに遭い、ホテルの地下で磔にされ、生きたまま酸で顔を焼かれ、そのまま生き埋めにされてしまう。
画家が描いていたのは、このホテルの因縁。
地獄へと通じる7つの門のひとつの上にこのホテルが建てられており、門を通じて観た光景だという。
ほほー、地獄のホテル。
時期的にはスティーヴン・キング『シャイニング』の模倣かしらん。
さて、ホテルの修繕を続けるライザであったが、水道が出ないことはいかんともしがたく、配管工を呼び、地下室での作業を依頼するが、配管工は惨殺されてしまう。
またある日、買い出しに出かける途中、ライザは道路で盲導犬を連れた若い女性に出逢う。
彼女の瞳は白濁しており、彼女に導かれるように、彼女が暮らすコロニアル風の邸宅へ行き、そこで「エイボン書」なる稀覯本を発見する。
本には、7つの門のことが書かれており、白濁瞳の女もライザに、ホテルから立ち去るように告げる。
しかし、後日、その話を聞いたジョン医師がコロニアル風邸宅を訪れるが、そこは50年前から無人であり、「エイボン書」だけが遺されていたという・・・
と展開します。
「エイボン書」とは、『地獄の門』に引き続き、H・P・ラヴクラフトですね。
また、ここでもダシに使われるだけですが、奇妙な雰囲気づくりには貢献しているので、もう許しちゃうからね。
中盤までのミステリアスなムードや伏線は悪くありません。
が、やはり見せ場は血みどろシーンのようで、大蜘蛛の襲来や復活する死体と例によって例のごとく。
ジョン医師はライザとともに、友人医師を頼って勤務する病院に逃げ込みますが、当然のことながら、復活死体のオンパレード。
そりゃ、当然だろ!ってツッコミたくなりますが、よもや死体復活が起こっているとは思わないもんね。
終盤はさらにビックリ。
復活死体のカーニバル状態の病院からホテルの地下室へ。
60年前の画家の死体も登場し、遂には・・・「ビヨンド」! 画家が描いていた絵の世界に到着。
うう、この虚無的ラスト。
拍子抜けならぬ、現世抜け。
伏線回収などといったことは、どうでもいい、忘れた、忘れてくれ、ビヨンドなんだから、というフルチの声が聞こえてきます。
いま気づいたけど、7番目の門を破ったということは、これはルチオ・フルチ版『第七の封印』ではありますまいか。
笑ってまう!
やりすぎホラーの元祖か?つきぬけてて笑いをこらえるのが大変だった。
サム・ライミはこれを参考にしてるんだろうなあ。
当時は真面目に怖がらそうと作ったのかもしれないが、時代を超えて製作者の意図とは別の効果が出ているような気がする。
昭和青春ものみたいな音楽が合ってるのか合ってないのかわからない快感。
現代の映画が勝てないインパクトがある。
記憶に残るシーンが多い。
腐乱死体やら顔面破壊やら白眼やら、ビジュアル的に気記憶に残っているシーンが多い。特に道路に盲導犬連れた女が立ちはだかるシーンは美しい。怨みつらみで地獄の門は開かれた、って展開はなんとなくわかるんだけど不明なシーンも多く、ホラーだから仕方ないか、と感じるのも本音。
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