秘密の花園(1993)のレビュー・感想・評価
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【両親をインド大地震で失った勝気な少女が、イギリスの死の香り漂う伯父の大邸宅に引き取られつつ、彼女の行動により邸宅内の秘密の庭園に生命が芽吹き、奇跡を呼んでいく過程を描いた作品。】
■事故で両親を失った少女メアリーは、伯父クレイヴン伯爵の館に引き取られるも、厳格な家政婦メドック(マギー・スミス)が指揮を執る新生活に馴染めない。
そんな中、メアリーは伯父が亡き妻の思い出とともに封印した花園を敷地内に発見し、使用人の少年ディコン、病弱ないとこのコリンとともに花園を甦らせようとする。
◆感想
・今作には、悪人は出て来ない。だが、妻を亡くし生き喪失した伯父クレイヴン伯爵と、病弱な息子コリンが閉塞した屋敷で、夢亡く暮らしている。
・一見、悪人に見える名優マギー・スミス演じる家政婦メドックの厳しく邸宅を管理する理由も、あくまで皆の事を想っての行為である。
■だが、閉塞感溢れる伯父クレイヴン伯爵の館に引き取られた気骨ある少女メアリーの様々な行為が、生ける屍であった伯父クレイヴン伯爵と息子のコリンの生活を変えて行く様が、美しいイングリッシュガーデンを背景に描き出されて行く。
特に、メアリーが車椅子生活を送っていたコリンを、使用人の少年ディコンと共に伯父クレイヴン伯爵が妻のために作った秘密の花園に誘うシーンは美しい。
荒れつつも、様々な花々が咲き乱れる庭を見たコリンは、閉塞した生き方から解放され初めて自身の脚で地を歩くのである。
<今作は、哀しき想いを抱えた少女が新天地の叔父の大邸宅内に有った”秘密の花園”を見つけ、その美しさを妻を亡くした生ける屍であった伯父クレイヴン伯爵と息子のコリンに見せる事で彼らの人生に新たな幸せを齎す物語である。
最終盤、コリンとメアリーとディコンが楽しそうに”秘密の花園”を笑顔で走り回るシーンは僥倖感溢れる作品である。>
不思議な世界の子供達
裕福な地主の子供がどんな世界に住んでいるか私には不思議な世界だ。
ディコンの目から見たらどうなるのか見てみたい。
大人は当主も使用人もみんな不思議。不思議は大好きだ。
本も映画も昔に見ていたが、2人がマーサとデイコンとの出会いで心を取り戻して行くところがワクワクする。
子供の世界の大人は不気味
児童文学で有名、私も子供の頃に読んだけどストーリーはまったく残っていないので新鮮な気持ちで観れました
メアリーとディコンが可愛らしく、球根や種を植えるなど、子供らしい純粋な美しい気持ちが伝わってきました
対して大人は、自分の判断で子供を決めつけ、自分の目の届く小さな世界に彼らを押し込めたがるのは今も昔も変わらぬことのようです。
それから、小さな彼らをあれだけ傷つけ続けた家政婦のマクゴナガル先生が、言い訳して責任逃れに必死で、ご主人にたった一度(かはわかりませんが)怒られただけで辞めます言ったのは笑いました。
コリンの父親は息子を愛していたことがわかったときは安心できました
でもさ、息子に会ってやってよ、ひどいよとーさん
始まりは荒れていた庭が、最後は花咲き誇る美しい庭園に生まれ変わって、彼らの心を表しているようでした。
児童文学と言っても、大人が読んで学ぶことも多いと感じました。
児童文学に出てくる大人って、どうして子供に対して意地悪だったり女々しかったりするんだろう?
どこか謎めいた不思議な展開
ケイトメイバリー扮するメアリーレノックスはインドで生まれたが、ある日地震に襲われた事で孤児になりイギリスへ 渡たりミッセルスウェイト屋敷の伯父クレーヴンの家政婦が迎えに来た。
立派な屋敷に住んでいたのに10歳でいきなりの孤児は気の毒だね。でも生意気な娘だな。それに良くならされたカラスだね。どこか謎めいた不思議な展開だ。
名馬フリッカ トム・ソーヤーの冒険 不思議の国のアリス 秘密の花園...
名馬フリッカ
トム・ソーヤーの冒険
不思議の国のアリス
秘密の花園
僕がご幼少の頃、自己形成してくれた本。その後、名馬フリッカ以外は映画とか他の作品で味わったが、この映画は見た事が無かった。本を読んで、花園のイメージは自分なりにつかんでいたが、僕が想像した花園と違わぬと感じた。
ウィリアム・メインの『りんご園のある土地で』とか『となりのトトロ』とかはこの秘密の花園をリスペクトしていると思っている。
兎に角、ガキの頃はイングランドやスコットランドのヒース(荒れ地)に憧れ、アーサー・ランサムやヒュー・ロフティングを読むようになる。僕の白人に対する劣等感は夏目漱石なみになってしまう。夏目漱石と違う所は、英語が嫌いになった事かなぁ。つくづく悔やんでいる。
子供の頃に観たかった。
可愛い動物とキレイな草花に囲まれた、自分たちしか知らない秘密基地。私が幼少期に憧れた世界です。
大人になってから初鑑賞。その時抱いていた夢を思い出し、忘れていた純粋さに再び出会えた気分になりました。
しかし色々と廃れてしまったのでしょう、自分が子供だったら気にならなかったんだろうな、という部分があり(ガーデニングは甘くないぞ…とか笑)、大人になってしまったことが少し悲しくて寂しさも感じました。
これは子供の頃に観たかった…!というのが一番の感想です。
大人はもちろんですが、空を飛んだり魔法を夢見るような小さい子にたくさん観てほしいです。
子役キャストの愛らしさが光る
西洋人形みたいな主要キャスト。演技もさることながら、女の子の大きなベレー帽姿など、ファッションもとても可愛らしい。映像もお伽話感があってとても良かった。
特に、幽閉されていたお坊っちゃま役の子!オーディションで選ばれて本作が初めてだったそうだが、見た目だけでなく演技もリアリティがあった。
マギー・スミスさんのメイド長は鉄板の素晴らしさで、作品に厚みを加えていた。
西洋の絵本を読んだ気分になる映画。
ビフォア・アフター
イギリスのご婦人はガーデニングがお好きな方が多いことでも有名。小公子や小公女でも著名な原作者バーネット夫人の晩年の作品である。以前、借り受けた屋敷にある荒れた庭園を見つけ再生に腐心した思い出を基に本にしたそうだ。
子供たちが主役で大人たちは何か残念な人達に描かれる、心を閉ざし、美しかった庭を閉ざし現実から目をそむけるばかり、これは館の主アーチボルド・クレイヴン卿を借りながら世相への作者の失望と幻滅を象徴しているのかもしれない。
メアリーとコリンの話はアルプスのハイジとクララのようでもあり自然の美しい風景と小動物たちを描くのは児童文学の王道だろう。ただ、薄幸の美少女でなく無愛想なお転婆という設定は意味深だ。家政婦のメドロック夫人はまるで童話の魔女、お屋敷も恐怖の館風だったり、花園を夫人の事故死の現場と言って荒れ放題をつぶさに映す冷たい描写、犬もなんとも無愛想、コマドリが可愛いと思ったらカラスが登場、随所に細かい棘が仕掛けられており素直に酔わせてもらえない。確かにビフォア・アフターのギャップがドラマツルギーなのだろうが素直なメルヘン風の方が好みなので微妙でした。
マギー・スミス
叔父と息子コリンだけの大きな屋敷。使用人は何十人もいるのに、家政婦の長メドロック(マギー・スミス)の召使いなのだ。そこへ高慢で世間知らずの姪メアリーが住み着くのだが、何とも寂しい世界だ。18世紀貴族の末裔のような雰囲気なのだが、病気の息子コリンは外に出た事もなく、寂しさに輪をかけている。対照的に外の風景は美しく、眩しがるコリンの心を巧く描写してある。
メアリーやマーサは可愛いんだけど、名子役という雰囲気ではないのが残念だ。もっと自由に演技させてあげたいところですね。それと、マギー・スミス。何でもかんでも彼女を女優賞候補に選ぶ英アカデミー賞にも疑問が残る(はずれは無いかもしれないが・・・)。
ぜひ原作も一読を
原作を久しぶりに読みたくなり、読んだら映像を見たくなり、気づいたらDVDをポチッてました。
ブーたれたメアリ嬢の表情が、花園の再生とともに徐々に徐々に変わっていく様が、非常に素晴らしい。
わがままコリンも、演技経験のない子には全く思えません。ディコンも常に微笑みを絶やさず、善良な年上の少年を好演しています。
そして厳しい家政婦メドロックに、お約束の(笑)マギー・スミス。子供たち3人とマギー・スミスあっての映画でしょう。それくらい素晴らしい演技です。
肝心の花園は、原作を読んだのが先だったので、自分の想像とは少し違いました。秘密の花園は、個人個人の想像の中にあった方が美しいままかも知れません。
もちろん、映画の花園も美しいですよ。
柔らかい光と色彩の洪水。こもりたくなるような、こじんまりした感じが可愛らしいです。
余談ですが、原作にもあった魔法の儀式が思いの外魔術っぽかったです。コリンの呪文がラップ寄りで、思わず笑ってしまいました(笑)
坦々と美しく
児童文学「秘密の花園」、幼い頃に読んだ記憶はおぼろげに…という感じなので、新鮮に観ることが出来ました。
とにもかくにも、この映画の色彩感覚と音楽が大好きです。
坦々と進んでいくけれど、とっても美しい。
花園が芽吹いていくように、心もあたたかくなります。
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