劇場公開日 1976年8月28日

「ヒッチコック映画の終着点にふさわしい」ヒッチコックのファミリー・プロット あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヒッチコック映画の終着点にふさわしい

2019年3月3日
Androidアプリから投稿

二組のカップルの二つのストーリーが交差する
これを映像でスマートにやってみせるヒッチコックの映画作りのプロの技にうなった

今回はブロンド美女も大スターも無し
無名俳優のあまりパッとしない容姿の俳優を敢えて使ったところが新味を出そうとしたポイントかもしれない

はっきり言って不細工なヒロインのブランチがチャーミングに見えてもくるから不思議
タクシー運転手のジョージも下流の学の無さそうな下品な顔
誘拐犯の女性もブロンド美女と思わせてじつはそれなりの年増
主犯の男もなんだかチャールズ・ブロンソンのパチモノぼい
このポンコツさでこの映画は実はコメディだと説明しているわけだ

ブランチのウインクで締めくくる見事なラストシーンはヒッチコック映画の終着点にふさわしい
ユーモアとウイットあってこそヒッチコック映画なのだ

ヒッチコックの遺作としてふさわしい作品
そしてラストシーンであった

あき240