ビジョン・クエスト 青春の賭けのレビュー・感想・評価
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1980年代を味わえる画面と音楽
マシュー・モディーンが抜群にいい。この時の輝きを買われてトップガンの主役に抜擢されたが断った。バカっぽい映画として蹴ったが、もし受けていれば今のトム・クルーズ的になれた俳優。主人公は人生の意味「ビジョンクエスト」をさがす18歳。運動部、減量、マラソン、バイト先の先輩、尊敬できる先生、憧れる年上の女性、強い敵、気の合う仲間、親友。青春時代に誰もが経験する貴重な時間を1本の作品にきれいに無理なくまとまっている良作。80年代はスピルバーグ・ルーカスが席巻して以降、全ての映画が凄い映像、大作スペクタクルばかりになったが、まだこの頃にはテーマがキチンとある良心的な作品があった。スターになる直前のマドンナも抜群の輝きを見せる。これぞ良心的アメリカ映画。映画ファンにおすすめ!
ギラギラしてない青春映画
レスリングに青春を賭ける高校生が、自分の将来や年上女性との恋に悩みながら、強敵との無謀な試合に挑み、最後は勝利を勝ち取るという、少年ジャンプのような大変にベタな青春スポコン映画である。
37年も前に観たこの作品が今でも強く記憶に残っているのは、主役のマシュー・モディンの演技がかなり個性的だったからだ。 こういったストーリーなら、もっとギラギラ・ガツガツした演技をするのが常道だと思う。
ところが、モディン扮する高校生ラウデンは、いつもヘラヘラとしており、どこか真剣みがない。 途中で挫折したりもするが、一瞬、呆然とした表情を浮かべる程度。 かといって、歯を食いしばって頑張る!みたいな必死感も見せず、 とにかく、終始、青春映画の主人公に似つかわしくないフラフラとした佇まいなのだ。
冒頭で説明した通り、物語自体はコテコテの青春物だ。 「くよくよするな、一発かませ!」と言い放つ、どこかの無神経で無責任な親父が作ったような作品なのである。 おそらく、脚本のダリル・ポニクサンと監督のハロルド・ベッカーの二人が、そういうタイプのアメリカン親父だったのではないだろうかと推察する。
面白いのは、この繊細さに欠ける直線的なストーリー展開の中で、モディンの演じる淡泊なキャラクターが、逆に不思議な自己啓発効果を生み出しているところだ。
当時、うじうじと悩み通しだった20歳の私は、悩みを飄々として乗り越えながら前進する主人公のクールさに、強い羨望の思いを抱いた。 「自分もこんな風に青春できたらなぁ・・・」と、完全にこの作品の魅力にハマったわけだ。 が、 これはつまり、 アメリカン親父たちの術中にまんまとハマってしまったということでもある。
監督のハロルド・ベッカーは、私の亡き親父と同じ昭和3年生まれ。 実際に古い時代の人間なのだ。 だが、作品の中で使われた音楽は、マドンナやジャーニーなど当時の人気アーティストが手掛けた最新ヒット曲ばかり。 私はすぐにサントラ版を買い、家に帰って何度も聞いて、映画で味わった高揚感をリフレインさせた。 が、 ここでもまた術中にハマってしまっている。
デリカシーの無い親父連中から、いい様に踊らされたことを思い出してしまった。 悔しい。
80年代ロックとマドンナ
レスリングというスポーツでも成就し、恋愛も勝ち取るために減量トレーニングを続けるラウデンだ。脱水症状で倒れたりするが、鼻血を出しながらもなんとかクリア。
同級生の女生徒から思いを受けるが、なんだかよくわからない。クリトリスの記事って・・・インディアンの息子だと言い張る友人もおかしい。「セックスは1回200カロリーだぜ」などと言うラウデンもまだ童貞。嫉妬もあったが、旅行中2人が結ばれ、シューととの対決をあきらめかけていたが、なんとか最後まで・・・
音楽が80年代ロックとマドンナ♪これだけでも楽しめる。
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