「Pain the peacemakers must be made to feel. ドリームワークス第1作目❗」ピースメーカー アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
Pain the peacemakers must be made to feel. ドリームワークス第1作目❗
スピルバーグですし、良い作品を作ってくるイメージのあるドリームワークス。その記念すべき第1作目です。実は子供の頃に観た時に衝撃を受けた思い出深い作品でもあります。
久しぶりに観ると若い頃のニコール・キッドマンが滅茶苦茶美人‼️先ずそれに驚きました。ジョージ・クルーニーも相変わらず頼れる兄貴って感じです。事故ってる敵にもきっちりトドメを刺すシーンとか、飄々としててもできる男の役柄がホント良く似合いますよね。で、パッと見だとこの2人の華やかさに目を奪われ勝ちなのですが、本作の面白いポイントってそこじゃないんですよね。
最近は「この場面にどんな意味が込められてんだろう」ってのを気にしながら映画を観るようになってきたのですが、例えば本作だとボスニアに場面転換した時にわざわざオリンピックの五輪のマークを映しているんですよ。平和の祭典の一方でこんな貧困で危険な国もあるってのを印象付けています。そして、NYで敵ボスのデューサンがシャワーを浴びているシーンでテレビに映っているのは『ビリオネア』っぽい番組。デューサンの故郷では食うや食わずな状況なのに、アメリカでは拝金主義の象徴みたいな番組がやっていて。ミミ・レダー監督の演出、細かい所まで良くできてますよね。
そして、かなりじっくり犯人側も描いてあるんですよね。冒頭15分も使ってロシアから核が盗み出される状況を描いていますし。デューサンもやたらピアノを弾いててインテリ感醸し出していたり、お墓で泣いてるシーンを挿入する事で単なるサイコパスじゃない血の通った人間という事がわかります。NYへ向かう飛行機に乗る時軽く十字架きったりしてて覚悟きめてたり。でも、NYで幸せそうな家族を見ると自分を投影して迷ったり。ちゃんとキャラクターに肉付けしてあるんですよね。
で、子供の頃それまでいわゆる勧善懲悪しか知らなかった私は悪役として描かれるはずのデューサン側にもやらなければいけない理由があるって描かれている演出を観て衝撃を受けた訳です。もちろんその当時はアメリカの武器の横流しとか全く知らなかったのですが、悪役であるはずのデューサンの「何がピースメーカーだ!」っていうスピーチに「なんてこった、悪いのアメリカやん」っとビックリして。それまで対立構造で両者の言い分を描いてる映画を観たことがなかったので、何となくアメリカ=正義みたいな子供っぽい単純な二元論だったので、本作を観て「世の中シンプルじゃないんだ…」と思った記憶があります。
そんなこんなで思い出深い「ピースメーカー」。思い出補正もありますが、演出もちゃんとしてて主演も美男美女、アクションも見所あるので個人的にはなかなかの佳作なのではないかと思っております。